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難知性喘息の新規治療薬「ヌーカラ」、重症発作頻度がプラセボの1/2になったという結果

headahe2.jpg今年(2016年)の6月に、新規の気管支喘息治療剤(抗IL-5抗体)「ヌーカラ皮下注用100mg」(一般名:メポリズマブ)が発売されました。

ヌーカラは、既存の治療薬で症状をコントロールできない難治性の喘息のための治療薬で、「IL-5」という喘息の炎症反応の原因となるサイトカインを阻害する作用を持ちます。

 

難知性喘息とは?

難知性喘息とは、長期間高用量のステロイドを使用していたり、使用にもかかわらずコントロール不良となる重症の喘息のことを言います。

 

多くの喘息患者さんでは、「ステロイド薬」や「β2受容体刺激薬」などを用いることで、ある程度のコントロールが可能となります。

 

しかし全体の約5%の方においては、重症喘息により既存の薬では十分コントロールすることが難しい場合があります。

 

難知性喘息には「IL-5」が大きく関与

また最近の研究で、難知性(重症)喘息の患者さんには、好酸球(白血球の一種)の産生亢進が肺の炎症を引き起こし、気道に影響を与えて、喘息発作の頻度を増加させることが明らかになっています。

 

その原因のひとつとして、サイトカインの一種「IL-5」が大きく関わっており、好酸球の増殖・活性化・生存促進に影響を与えていることが分かっています(重症喘息患者さんの約60%に好酸球性の気道炎症が認められている)。

 

新規治療薬の「ヌーカラ」はIL-5を阻害

新規喘息治療薬の「ヌーカラ」は、モノクローナル抗体(ある1種類の抗体のクローン)の一種で、気道炎症に関わるサイトカインIL-5が好酸球の表面にあるIL-5受容体に結合することを阻害します。

 

これによって、血中・組織・喀痰に含まれる好酸球数を減少させ、喘息症状を鎮めます。

 

■用法・用量

成人及び12歳以上の小児には100mgを4週間ごとに皮下に注射する。

■適応

気管支喘息

 

■薬価

175,684円(3割負担で約5万2000円)

 

ヌーカラの臨床成績

■ヌーカラ100mg投与によって、喘息の程度が有意に改善されたという試験結果

(国際共同第III相試験 MEA115588試験(MENSA試験))

【対象】

高用量の吸入ステロイド薬、その他の長期管理薬を併用しているにも関わらず喘息増悪をきたす重症喘息患者576例(12歳以上、日本人50例を含む)

 

【試験内容】

4週間間隔で計8回ヌーカラ100mg皮下投与したときの有効性を検討した。試験は無作為化・プラセボ対照・二重盲検によって行われた。

 

【試験内容】

・全身ステロイド投与を要するような喘息増悪の発現頻度は、ヌーカラ100mg群0.83回/年、プラセボ群1.74回/年と有意に減少した。

・救急外来の受診を要するような喘息増悪の発現頻度は、ヌーカラ100mg群0.08回/年、プラセボ群0.20回/年と有意に減少した。

・1秒間の努力呼気量(FEV1値)は、気管支拡張薬投与前からヌーカラ100mg群+183mL、プラセボ群+86mLであった。

 

ヌーカラによる副作用の発現頻度

ヌーカラの副作用に関しては以下のものが報告されています。

 

■副作用の発現率の比較

ヌーカラ100mg群20%(39/194例)、メポリズマブ75mg群17%(33/191例)、プラセボ群16%(30/191例)

 

■重篤な副作用

ヌーカラ100mg群に帯状疱疹1例、プラセボ群にてんかん1例が発現

 

■主な副作用

・注射部位反応(8%)

・頭痛(5%)

・過敏症(2%)など

 

このように、ヌーカラは現時点では重篤な副作用も見られず、高い治療効果が認められているようです。

ただ、薬価に関しては患者負担が大きく、今後薬価改定などによって広く利用可能な薬になることが望まれています。

(photoby:pixabay)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-09掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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