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妊娠・出産

胎児の神経管障害リスクを減少させる「コリン」、過剰摂取ではコルチゾール分泌能にも影響

pregnant-1245703_640.jpg近年の米国の研究で、妊娠期間中には「コリン」という栄養素を積極的に摂取するべきかもしれないと言う報告が行われています。

 

コリンは葉酸と同様に、二分脊椎などの胎児の先天性異常に繋がる「ホモシステイン」を減少させる効果があり、米国の調査によれば十分な量のコリンを摂取した女性と、摂取が欠乏した女性では、胎児の神経管欠損のリスクに4倍もの開きがあったという結果も報告されています。

 

では適量の摂取量とは、どの程度の量を指すのでしょうか?

 

コリンとは?

コリンは、第四級アンモニウムカチオンに分類される水溶性の栄養素であり、循環器系・脳機能・細胞膜の構成と補修に不可欠な物質です。

 

日本では一日必要摂取量は決められていませんが、米国においては成人女子の場合、約400mg/日前後摂取することが推奨されています。

 

コリンはホモシステインを減少させる?

ホモシステインは含硫アミノ酸の一種で、生体内ではメチオニンの脱メチル化によって生成することが分かっています。 ホモシステインの代謝には次のように3つの経路があります。

 

・葉酸とビタミンB12 が関与する経路

・ビタミンB6 が関与する経路

・コリンの代謝物であるベタインが関与する経路

 

■米国におけるコリン推奨摂取量

(以下は、推奨量ADI (mg/日)と上限UL (mg/日))

 

・成人女子(14歳以上)

400-425mg/3000-3500mg

 

・成人女子(妊娠期)

450mg/3000-3500mg

 

・成人女子(授乳期)

550mg/3000-3500mg

 

卵黄は1個で125mgのコリンが含まれています。

(※10g以上など大量にコリンを摂取すると、魚様の体臭の下になる代謝物トリメチルアミンが生成される可能性がある)。

 

「コリン」摂取による効果

■妊娠中にコリン必要量が増加する可能性があるという結果

(米国コーネル大学/EurekAlert 2014.2.3)

【研究要旨】

妊婦26人(妊娠27週以降)と非妊婦21人にコリン含有量380mg/日(主に鶏卵)の食事を摂取してもらった。またこれに追加してコリンのサプリメントいずれか(100mg/日または550mg/日)を12週間摂取してもらった。結果、同量のコリン摂取においても、妊婦は非妊婦に比べ血漿中のコリン代謝産物量が少なかった。

 

⇒研究者によれば、妊娠中にホスファチジルコリンの必要量は増加し、その多くが発育中の胎児へ移行することが明らかになったとされています。

 

■レシチン(コリン)摂取で、ホモシステイン濃度が有意に低下したと言う結果(レシチン摂取によるホモシステイン上昇抑制効果の検討/奈良女子大学) 

【研究要旨】

マウスに対し、葉酸・コリン欠乏食を4週間自由摂取させ、その後3群に分けて次の餌を摂取させた(「葉酸・コリン欠乏群」、「葉酸・コリン欠乏+1%大豆レシチン添加群、又は1%卵レシ チン添加群」)。これらを通常食摂取群と比較した。

 

結果として、卵レシチン添加群では、通常食群とほぼ同程度にまでホモシステイン濃度が有意に減少した(葉酸・コリン欠乏群では1.7倍に増加、大豆レシチン添加群では減少したが、有意差は見られなかった)。

 

過剰摂取には注意

ただ、コリンは胎児のストレスホルモンの調整に影響を与える可能性があるという研究報告も出ているため、過剰摂取には注意が必要です。

 

■妊娠期のコリンの摂取は、胎児のストレスホルモンの調整に影響を与える可能性があるという研究結果(PMID: 22549509 )

【研究要旨】

妊婦に対し、妊娠第3期に12週間のコリン摂取(930、又は480mg/日)を行ったときの遺伝子修飾の影響を調べた。その結果、930mg/日摂取群は出産後の胎盤と臍帯静脈血中において、コルチゾール調節遺伝子とグルココルチコイド受容体のより高いメチル化が認められた。さらに930mg群はコルチゾール産生量が33%低下していた。

 

⇒研究者によれば、「妊娠中のコリン摂取はDNAメチル化によって胎児のコルチゾール産生能を低下させ、ストレス脆弱性を改善する可能性がある」と述べられています。

(ただ、他の研究では、グルココルチコイド受容体のメチル化は正常にコルチゾールを調整できずストレスに弱い体質になる可能性があるという見解もあります(※下記のウェブサイト参照:natureasia.com等)

 

このように、コリンは妊娠中の血中ホモシステイン濃度を低下させるうえで重要な役割を持っていることが明らかになりました。

 

しかしその一方で、推奨量の倍程度の摂取は、胎児のコルチゾールの調整にも影響を与える可能性があり、推奨量を超えた摂取量には注意が必要であるかもしれません。

(参照ウェブサイト:natureasia.comFASEB群馬大学健康百科

(photoby:pixabay

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-19掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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