関節痛・腰痛
リウマチの治療薬~薬の種類や投与の仕方など
リウマチ患者にはいくつか気を付けておきたい日常のポイントがあります。
そのひとつが葉酸です。
●葉酸に注意すべき理由
リウマチの薬の中でもメトトレキサートと呼ばれる薬を摂取している方は葉酸に注意した方がよいと言われています。
その理由はメトトレキサートが持つ効果を最大限に発揮するためです。
元々、メトトレキサートの飲み始めには葉酸を補うための薬が処方されることがほとんどです。
これはメトトレキサートの副作用を抑えるためで、毎日飲むというわけではありません。
葉酸を毎日のように摂取し続けるとメトトレキサートの効果がなくなってしまうことがわかっており、リウマチの治療にもよくありません。
リウマチでメトトレキサートを服用している方は葉酸のサプリメントなどを摂らないでください。
●メトトレキサートってどんなふうに働くの?
抗リウマチ薬の中でも使用されることが多いメトトレキサートは免疫抑制剤として働きます。
世界中で認められた標準薬で、ある程度症状が進んでおり自覚症状も強い場合は最初にメトトレキサートを使う場合もあるようです。
メトトレキサートはほかの薬に比べて効果が出るのが早いことが多いのも特徴です。
●葉酸を摂らないようにするには?
葉酸を全く摂らないというよりは『こんな食品に入っているのか、気を付けよう』というくらいに考えてください。
葉酸を多く含む食品にはレバー、ドライイースト、うなぎなどがあります。
関節リウマチ治療で注射投与が可能な薬
関節リウマチは自己免疫機能に異常が生じた場合に起こる病気です。この関節リウマチの治療にあたっては、患者の症状に応じて様々な薬をお医者さんが処方をしてくれます。大別すると、関節リウマチ治療には、抗炎症薬、抗リウマチ薬、ステロイド、そして生物学的製剤があります。
抗炎症薬の投与方法としては、座薬・貼付薬・外用剤、そして経口投与などがあります。そして、もう一つの投与方法が注射による投与です。
他方、抗リウマチ薬は、注射による投与があり、下記のような薬があります。
注射投与が可能な抗リウマチ薬
・金リンゴナトリウム(シオゾール注)
・インフリキシマブ(レミケード点滴静注)
・エタネルセプト(エンブレル)
注射による投与が可能な薬には、ステロイドもあり、副腎皮質ステロイド注射剤として、以下の薬があります。
注射投与が可能なステロイド剤
・コハク酸プレドニゾロン(水溶性プレドニン)
・リン酸デキサメタゾンナトリウム(デカドロン注射液)
・コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム(サクシゾン)
・リン酸ベタメタゾンナトリウム(リンデロン注)
・パルミチン酸デキサメタゾン(リメタゾン)
・酢酸ハロプレドン(ハロアートS)
・酢酸メチルプレドニゾロン(デポ・メドロール)
・トリアムシノロンアセトニド(ケナコルトA)
関節リウマチは関節の強い痛みを伴う場合もありますので、自分自身の症状によって適した薬・投与方法をお医者さんと相談することで決めていくこととなります。
自分の希望がある場合は、その点もきちんとお医者さんに伝えて、自分にとって最も投与しやすい関節リウマチ投与薬を選ぶことが大変重要です。また、薬や投与方法が合わないときは遠慮なくお医者さんに相談しましょう。
関節リウマチの痛みを抑える薬~消炎鎮痛薬、抗リウマチ薬、ステロイド、生物学的製剤~
関節に持続性のある炎症が生じることで腫れや痛みを伴い、最終的には関節が破壊され、変形してしまう病気である関節リウマチ。もちろんその痛みは激しいものですから、痛み止めなどを処方して貰う必要があります。
こちらでは関節リウマチの治療で用いられる薬の数々をご紹介します。
◆消炎鎮痛薬(NSAIDs)
関節の腫れや痛みを和らげる効果がある消炎鎮痛薬の中でも特に、非ステロイド性のものは英語の綴りの頭文字からNSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる場合もあります。
速効性はあるものの、関節リウマチの腫れや痛みの原因となっている炎症を根本的に取り除くことは不可能です。
関節リウマチの患者さんは関節の腫れや痛みに長時間悩まされていることから、消炎鎮痛薬を継続的に服用することがあります。そういった場合には、副作用として現れる胃潰瘍や十二指腸潰瘍に注意しなければなりません。
◆抗リウマチ薬(DMARDs)
関節リウマチの原因である免疫の異常に作用する抗リウマチ薬(DMARDs)(ディーマーズ)は、病気の進行を抑える働きがあるとされています。現在の関節リウマチの治療においてまず処方されるのはこの抗リウマチ薬です。
しかし、一般的に1ヶ月~半年経たなければ効果は現れませんので、上記の消炎鎮痛薬を併用することが多いです。効果が十分に得られない時には複数の抗リウマチ薬を服用したり、他のリウマチ薬に切り替えたりします。
◆ステロイド
炎症を抑える働きが非常に強力で、関節の腫れや痛みを緩和する作用のあるステロイドは、以上で紹介した消炎鎮痛薬や抗リウマチ薬を使用しても、炎症が十分に抑えられなかった場合に用いられます。
しかし、ステロイドの服用を中止した途端に治まっていた症状が再発するため、一度服用し始めると、中々使用をやめることができなくなります。ただし、抗リウマチ薬や生物学的製剤の効果が十分に現れた時には、中止することが可能です。
◆生物学的製剤
近年関節リウマチの治療に用いられるようになった新しい治療薬として生物学的製剤が挙げられます。炎症をおこす原因や、関節破壊の進行を抑えるのに効果的で、抗リウマチ薬での効果が不十分だった場合に使用されることが多いです。
以上が関節リウマチの腫れや痛みといった症状に効果があるとされている薬の数々です。それぞれに期待できる効果は異なりますので、医師とよく相談してしょほうしてもらいましょう。
リウマチに悩む方の強いミカタ!つらい痛みを和らげる2つのお薬とは?
リウマチの治療の基本と、痛みを和らげるために使われる2種類の薬、ステロイド薬と非ステロイド薬について紹介いたします。
リウマチの治療の基本
リウマチの治療の基本となっている薬物療法ですが、2つの薬物を使います。
まず、リウマチの原因を解決するための薬物です。リウマチは自分の体内にある物質を敵とみなしてしまう免疫機能の異常によっておこると言われています。免疫機能をできるだけ正常に行えるようサポートする薬を使って原因から治療します。
次に、痛みを抑える薬です。リウマチは初期こそあまり痛みを感じませんが、軟骨がすり減ってくると痛みに悩まされます。痛みに対処して生活の質を上げる治療も必要です。
痛みを和らげる薬は2種類
リウマチの治療に使われる『痛みを和らげるタイプの薬』には2種類あります。どちらも抗炎症薬と呼ばれるもので、炎症に対して力があるのが特徴です。注意したいのは対症療法であり、根本治療ではないことです。
○ステロイド薬
皮膚病の治療などにも使われている薬がステロイド薬です。さまざまな薬の中でも即効性がある薬ですが副作用が出やすいのがデメリットです。主治医とよく相談したうえで導入を考えてください。
○非ステロイド薬
ステロイドではないタイプの痛みを和らげる薬を『非ステロイド薬』と呼んでいます。この非ステロイド薬はリウマチの他に頭痛の緩和など痛みに対してよく使われる薬です。ステロイド薬よりも薬の種類が多く、選択の幅も広いですが、ステロイド薬ほどの即効性はありません。
リウマチの根本治療! 3種類の抗リウマチ薬と生物学的製剤について
病気の治療は根本治療と対症療法の2つを基軸とする場合が多いです。根本治療は名前の通りで、元からしっかりと病気を断つことです。一方の対症療法は、今起きている痛み・辛さを緩和する療法です。リウマチの場合も根本治療と対症療法の両方を採用して治療するのが基本となっています。ここでは薬についてご紹介します。
抗リウマチ薬
抗リウマチ薬とは、根本治療の方に使われる薬です。リウマチ患者のほとんどが抗リウマチ薬を服用しながら日々の生活を送っています。抗リウマチ薬には免疫調節薬、免疫抑制薬、生物学的製剤という3つの分類があります。この中で最も多くの人に使われているのが免疫抑制薬です。
免疫調節薬
免疫調節薬は、リウマチの原因となっている免疫機能を調節して、少しでも自分自身の体を攻撃しなくなるようにサポートする薬です。軽症の関節リウマチの治療に使われることが多いです。
免疫抑制薬
免疫抑制薬は免疫調節薬よりも力が強いタイプの薬です。初期のうちは免疫調節薬で様子を見つつ、悪化してきたら免疫抑制薬を導入するという場合もあります。2つとも免疫機能に働きかける、自分の体を敵と誤解しないようにするという点では共通しています。
生物学的製剤
生物学的製剤は免疫調節薬、免疫抑制薬とは違います。生物学的製剤は免疫ではなく、関節を壊す物質に直接アタックするタイプの薬です。免疫の異常によって壊されそうな関節を助ける薬と考えてください。専門医の元でのみ使われる、比較的新しいタイプの薬です。
根本治療と対症療法、これらのような薬をうまく使いながらリウマチ治療を行っていくことになるでしょう。
関節リウマチの薬物治療
関節リウマチの薬物治療は症状のコントロールや関節破壊の抑制などの目的で行われます。
・DMARDs
免疫力を抑えたり代謝をゆっくりにしたりする薬などが含まれているグループの総称で、このグループにはいくつかの薬が存在します。
炎症を抑えたり関節破壊を抑制したりするために用いられ、治療効果が高いので関節リウマチと診断を受けた場合はまずこれらの薬が使用されます。
患者さんによっては3か月程度で症状が治まることもあるくらい効果が高いのですが、その分副作用が表れることも多いですので定期的な検査が重要になります。
・生物学的製剤
DMARDsで治療効果がみられない場合に用いられる薬で、抗体を元に作られています。
炎症や関節破壊を抑える作用に加えて体の動きを改善する作用も持っていますが、感染症にかかりやすくなってしまいます ので注意が必要です。
・副腎皮質ステロイド
薬の効果が表れるのが速いのでDMARDsの効果が表れるまでのつなぎとして利用されることが多いのですが、血管の炎症や臓器の機能低下に対する効果も持っていますので、これらの症状を併発している場合にはこの薬をメインにして治療を行っていきます。
・NSAIDs
炎症抑や痛みの対処療法として使用されますので、関節リウマチそのものを治す薬ではありません。
(Photo by: http://www.ashinari.com/2012/06/18-363520.php)
著者: カラダノート編集部