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妊娠・出産

出産時に起きる「分娩損傷」ってなに?<頭・神経編>

分娩時に新生児が被る損傷のことを、分娩損傷といいます。

赤ちゃんの体重や骨盤との関係、分娩の方法などによって引き起こされるものです。

では、実際に赤ちゃんはどうなりやすいのでしょうか。

 

頭部の損傷

1.頭血腫

骨は表面に、骨膜という骨を覆っている薄い膜があります。

赤ちゃんが産道を通るとき、外側からの力によってその骨と骨膜とが剥がれてしまい、その剥がれた場所にできた血腫のことです。

出産当日から1~2日以降に分かることが多く、頻度は全分娩数の1.5~2.5%といわれています。

自然に体に吸収されるので、特別な治療は必要ありません。

 

2.帽状腱膜下血腫

帽状腱膜というのは頭皮の下にあり、頭蓋骨を帽子のように包んでいる組織です。

外側から大きな力が加わることでこの帽状腱膜と頭蓋骨膜の間にある血管が切れ、出血するというものです。

 

特に、吸引分娩によって起こることが多いと言われています。

頭は血管が多く通っている場所ですから、一度出血が起きると広い範囲に大量出血が発生することが多いです。

出生後12~24時間過ぎてから、頭全体の腫れによって発見されます。

重症になると出血によるショックで死亡することもあります。

輸血やショックに対する治療を行います。

 

3.頭蓋骨骨折

多くは線状骨折(頭蓋骨に線状のひびが入った状態)で、報告によっては5~20%の赤ちゃんに存在するといわれています。

普通は無症状で、治療しなくて良いことが多いです。

骨が凹む陥没骨折の場合は、鉗子分娩によって発生することがほとんどです。

脳自体に対する圧迫や脳の損傷が考えられる場合は、手術などの外科的治療が必要となります。

また、稀に硬膜外血腫を伴うことがあります。

 

4.硬膜下血腫

赤ちゃんの頭蓋骨は軟らかいので、過度に変形しすぎることがあります。

そして頭蓋骨の伸展などが起こると、硬膜・天幕が裂けたり、静脈洞の破裂が起こることで硬膜下に出血することがあります。

 

脊髄の損傷

分娩によって脊髄が損傷することは、ごく稀です。

多くは骨盤位(逆子)の分娩で、赤ちゃんの首が引っ張られすぎたときに起こると言われています。

首の下の方の脊椎(C5~C7)という場所に多く起こります。

 

末梢神経麻痺

1.神経叢麻痺

末梢神経麻痺の中で、最も代表的なものです。

肩甲難産という赤ちゃんの肩の部分が出て来づらい場合や骨盤位(逆子)で首が強く引っ張られた場合,神経の根本が損傷されて麻痺が起こります。

神経の場所によって「上腕型麻痺」と「前腕型麻痺」とがあり、予後が違ってきます。

 

<上腕型麻痺,エルプ・デュシェンヌ麻痺>

 腕は伸びて内側にひねられた状態で、腕が上げられない状態になります。

手を握ったり伸ばしたりと手の関節の運動は出来ます。

予後は比較的良く、3~4カ月での回復が期待できます。

C3,C4という場所の障害を伴うと、横隔膜神経麻痺を合併する可能性があります。

 

<前腕型麻痺,クルムプケ麻痺>

 手関節,手指が動かなくなり、把握反射が失われます。

この麻痺はこれだけで発生することは少なく、腕神経叢全体の麻痺として現れることが多いです。

障害の程度も重く、前に挙げた上腕型に比べると予後が悪いといわれています。

首の交感神経が同時に損傷されると、まぶたが下がったり瞳孔が小さくなるをホルネル症候群を伴います。

 

2.顔面神経麻痺

分娩時の顔面の圧迫や鉗子などの圧迫によって起こる、一過性の麻痺(仮性麻痺)です。

麻痺側のまぶたは開いたままで,鼻唇溝の消失,口角のゆがみがあり、泣くと症状がでてきます。

多くは2~3週で自然に治りますが、角膜びらん(角膜の表面が薄く剥がれた状態)の発生には注意が必要です。

 

難しい話もありましたが、出産にはリスクが伴います。

なるべく自然に出産できるように、妊娠中からの健康管理を心がけましょう。

(photo by http://www.pakutaso.com/201350photo023post-2347.html)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2016-07-14掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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