妊娠・出産
出産で子宮が切れる!子宮頸管裂傷の原因・症状・治療法
赤ちゃんは子宮の体部(袋状になっている場所)から、子宮頸部(細くなっている所)、膣を通って生まれてきます。
会陰裂傷など、赤ちゃんの出口に近い部分のけがについてはよく知られていますが、実は子宮頸部も傷つくことがあります。
子宮頸管裂傷とは?
子宮頸部は、分娩前は指1本も入らないほどの狭さですが、分娩が進むにつれて最大10cmまで開きます。
その頸部が何らかの原因で切れて断裂するのが子宮頸管裂傷です。
多くは横の方向に切れることが多いです。
子宮頸部はその上の子宮体部に連続しているので、子宮頚管裂傷が大きく、子宮体下部まで裂傷が及んでいる「子宮裂傷」になると、大出血となり開腹手術による縫合が必要となることもあります。
子宮頚管裂傷の原因は?
●急速に分娩が進行した場合
異常に早い出産は、子宮頸部が切れて分娩が進んでしまった可能性も考えられます。
子宮収縮剤を使用した場合も陣痛が強すぎると、分娩が早く進みすぎて子宮頸管裂傷になることがあります。
いきむのも子宮頸部が開き切ってからでないと、圧力によって切れてしまう可能性がありますから、医師や助産師の指示に従って行ってくださいね。
●子宮頚管が全開大になる前に、吸引分娩や鉗子分娩が行われた場合
子宮頸部が開ききる前に赤ちゃんの頭を引っ張ることで無理な力が加わり、切れてしまうことがあります。
●巨大児で児頭が大きい場合
頭が大きい赤ちゃんだと、子宮頸管が伸びきっていても頭が通らず、切れてしまうことがあります。
●子宮頸管縫縮術や子宮頸部円錐切除術が以前行われている場合
切迫早産の治療などの時に、子宮頸部を糸で縛ってしまう治療があります(子宮頸管縫縮術)。
数ヶ月間子宮頚部が糸で縛られた状態にあり、分娩の時にその糸を抜糸して分娩に望みますが、この縫合糸のために子宮頸部が瘢痕化して硬くなっていることが多く、このような場合も頚管裂傷となりやすいです。
また、子宮頸部円錐切除術は子宮頚癌の初期などに行われる手術ですが、この手術の後も同じ状況となり得ます。
子宮頚管裂傷の症状は?
赤ちゃんが出た直後から、さらさらとした血が出て来ます。
分娩の間に出血が増えてくる場合や出血が少ないこともありますので、出産直後の診察がとても大切です。
子宮頚管裂傷の治療は?
切れている部分をやや太めの糸で縫っていきます。
この時は体に吸収される素材の糸を使うことがほとんどですから、抜糸の必要はありません。
子宮体部まで切れてしまっている場合には、時に開腹手術が必要です。
出産時はさまざまなことが起きる可能性があります。
子宮頸管裂傷についての知識も深めておきましょう。
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(photo by http://www.ashinari.com/)
著者: カラダノート編集部