妊娠・出産
子宮がひっくり返る!?子宮内反症
靴下を脱いだ時、裏と表がひっくり返っていることがありますよね。
出産後、子宮がそんな状態になっているとしたら、驚きませんか!?
子宮内反症とは?
分娩後に子宮体部(袋状の部分)が内側に反転し、子宮頸管や膣まで出てきた状態です。
非常に珍しい状態ですが、診断・治療が遅れると大量出血・ショックのためお母さんが死に至る可能性があります。
<子宮圧痕もしくは子宮陥凹>
子宮の底が少しだけ凹んだ状態。
<不全子宮内反症>
出てきた子宮体部が子宮頸部でとどまっているもの。
<完全子宮内反症>
ない側が子宮が膣まで出てきたもの。
原因は?
胎盤は自然に膣から出てくるものですが、自然に出てこない時に臍帯を軽く引っ張って促します。
胎盤が子宮からきちんと剥離する前に引っ張ってしまうと、子宮が一緒に引っ張られてしまい、子宮内反症が発生します。
症状は?
正常に子宮が収縮せず、大出血になります。
重症では腹部の激痛とそれに伴うショック状態、出血によるショック状態になります。
治療は?
・非観血的用手整復術
人の手を使って治す方法です。
子宮が収縮すると手が入らなくなってしまうので、子宮収縮抑制の薬を投与します。
軽度の子宮陥凹であれば、指を使って押し上げます。
しかし、子宮内反症とまでなると、整復による痛みやショックを防ぐため、全身麻酔をして整復します。
数日後に内反が再発することもあるので、数日間は厳重な観察が必要です。
・観血的整復術
開腹手術を行い、直接裏返った子宮を元に戻します。
・子宮全摘術
上記のどちらでも整復できない場合、あるいは子宮が結構なダメージを受けているときは子宮を取る手術を行います。
診断・治療が遅れると大量出血・ショックのためお母さんが死に至る可能性があるので、気をつけましょう。
著者: カラダノート編集部