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急性膵炎には長期の食事療法が必要・急性膵炎に有効な薬物療法

 

急性膵炎の治療となると、急激に進行した炎症だから、治療も急激に終わると考えてしまうのではないでしょうか。ですがそのような事は一切ありません。

 

たしかに長年の負担の蓄積などが無ければ、膵臓の炎症などすぐに治りそうなものですが、急性膵炎はその後の再発も防ぐために、半年から一年もの長い食事制限が必要となるのです。

 

最初は絶食から始まって、その後半流動食から、お粥などの流動食、そして少量の通常食から、ゆっくりと徐々に食事量を増やしていき、急性膵炎によって痛んだ膵臓が元に戻り、通常食に戻るまで優に一年はかかります。

 

■急性膵炎の食事療法

1.絶食

何かを食べれば食べるほど膵臓への負担が嵩み、膵炎が悪化してしまいます。

膵臓への刺激を無くすには胃の中を一旦空っぽにしなくてはいけません。

 

2.自然治癒

胃の中を空にして、膵臓への負担を無くせば、後は炎症が自然に治癒されていきます。膵炎の症状が和らいでいけば、食事を段階的に再開することになるでしょう。

 

3.食事の再開

膵炎が快方に向かえば、反流動食から次第にお粥に段階的に移行していきます。また絶食中に不足してしまったビタミンやミネラルも補充して調整する必要があるでしょう。

 

一時の不摂生により急激に炎症を起こしてしまった膵臓を治すのに、それだけ長い時間がかかってしまうことを忘れないようにしましょう。

 

膵臓だけでなくどの内臓でも、その機能が損なわれてしまえば、元に戻すことは非常に難しく、時には二度と元に戻らなくなってしまうことも充分にあり得るのです。

 

 

1型糖尿病の最先端治療「マイクロカプセル化ブタ膵島細胞移植」とは?

2016年3月17日の読売新聞の記事に、大塚製薬工場によって最先端の糖尿病治療の臨床試験が実施され、患者4人全員において血糖値の改善が認められたことが掲載されました。

 

この新しい治療法とは、豚由来の膵島(すいとう)細胞をマイクロカプセルに封入して移植するというもので、これまで動物細胞移植に懸念されてきた「免疫拒絶反応」や「感染症」の問題が解消されたという画期的なものです。

 

数年後には米国での臨床試験実施が予定されており、今後重症1型糖尿病の新たな治療の選択肢になると期待されています。

 

カプセル化膵島の移植が必要とされる背景 

免疫寛容の破綻によって膵臓細胞が破壊される1型糖尿病では、インスリン補充療法のみでは十分でなく安定的な血糖コントロールが得られない場合があります。

 

この場合、膵臓・膵島移植が適応となりますが、現状ではドナー不足により実際に実施されている件数は、年に数件程度にとどまるとされています。そのため、これに代わる有力な解決策が必要とされてきました。

 

カプセル化されたブタ由来膵島細胞の移植は、従来懸念されてきた拒絶反応と動物由来感染症の問題を解消し、移植後長期にわたって生着してインスリンを分泌することから、その効果に期待が寄せられています。

 

マクロカプセル化膵島の移植について 

膵島細胞を包む「マイクロカプセル化(ポリビニルアルコール(PVA)を用いたカプセル)」が、人工膵島細胞移植成功のカギとされていますが、この技術は、元来ニュージーランドの企業であるリビング・セル・テクノロジーズ社が開発したことから始まったとされています。

 

この技術を元に、「マクロカプセル化膵島(MEIs)」が開発されました。現在国内でも、京都大学・大塚製薬などによってPVA-MEIsの生産・加工が行われています。

 

PVA-MEIsは、インスリン・糖・酸素・その他の栄養物質は自由に透過させますが、免疫拒絶反応の原因のなる抗体やT細胞は通過させないとされています。そのため、移植後の免疫抑制剤使用が不要になるというメリットがあります。

 

PVA-MEIsの作製~移植までの手順 

1)PVA(水溶性の合成樹脂)を一度凍結した後、解凍し、水を多量に含んだゲル状物質にする。

2)膵島凍結保存液(ET-Kyoto液などを主体としたもの)に1)のPVAを溶解させる。

3)さらに無菌育成された豚由来の膵島細胞を混入・懸濁し、これをシート型の鋳型に入れて、凍結・解凍させる。

4)PVA-MEIsが完成する。

5)数万個/1kg体重のPVA-MEIsを腹腔鏡的に移植する。

6)数ヶ月で移植膵島周囲の組織の血管網が完成し、正着する。

 

小規模臨床試験の結果 

■バイオ人工膵島を投与したところ、2年間血糖値7%未満を維持したという臨床試験(大塚製薬) 

(試験内容)

アルゼンチンにおいて、バイオ人工膵島「ディアベセル」を患者4人に(2万個/体重1kgを2回に分割して)点滴で腹部に移植した。

 

(結果)

・血糖値を示すHbA1cは4人全員において低下した。

・平均値では2年以上にわたり、HbA1c7%未満(糖尿病治療の目標となる値)を維持した。

・4人中3人において、インスリン注射を減量することができた。

・重い健康被害は生じなかった。

 

■1型糖尿病患者へのPVA-MEIs移植でHbA1c平均が約7%まで低下したという臨床試験(モスクワSklifasovsky研究所) 

(対象)

発症後5~15年で、5年超にわたってインスリン投与を受けている1型糖尿病のボランティア成人患者8人(23‐63歳) 

 

(試験内容)

2007年-2010年にわたり、被験者に対してPVA-MEIsの移植を行った(腹腔鏡的に5000~1万等量/体重1kgを注入)。 

 

(結果)

・HbA1c値の平均は、8.86%から6.91%まで低下した。

・投与インスリン量は34%減少した。

・患者からはブタ由来インスリンが検出され、8人中5人からは生着した膵島細胞を採取できた。

・患者のうち2人は最長8カ月間、インスリン投与を中止できた。

・深刻な副作用は認められなかった。

・移植直後の諸症状(腹部不快感や微熱)は、いずれも数日以内に消失した。

・動物由来感染症の発生もみられなかった。

 

このように、豚由来膵島細胞移植は重い副作用がなく、血糖値の安定化をもたらす可能性があると考えられています。今後の研究の進展に期待したいところです。 

 

 

急性膵炎の悪化を血液透析で防ぐ

■急性膵炎は、膵炎自体の症状も恐ろしいのですが、悪化することによりその影響が全身に回る可能性があると言う恐ろしさもあります。

 

膵臓は全身への血流にも大きく関わり、そこが炎症を起こして炎症性物質が蓄積されると、今度はその炎症性物質が血液を介して全身へと回ってしまう可能性があるのです。

 

炎症性物質は膵臓のみを炎症にさせるのではなく、血液によって届けられた場所にも炎症を引き起させてしまいます。

 

炎症性物質が全身に回ることを抑えつつ、原因となる膵臓の炎症を早急に治さなければなりません。

 

■炎症性物質と対策

●炎症性物質

膵臓が炎症を起こすことにより蓄積される炎症性物質は、じきに全身に回って各所で炎症を引き起すようになってしまいます。

そうなる前に抗炎症の対策を行いつつ、原因となる急性膵炎を治療しなければなりません。

 

●血液透析

血液を濾過し、炎症性物質を除去することで、急性膵炎を治療しつつ、炎症性物質が全身に回ることを防ぐ事が可能です。

この治療法を持続性血液透析濾過療法と言います。

 

■急性膵炎となれば、早急に絶食という食事制限を行わなければなりませんが、それだけではなく炎症性物質の対策も行わなければ、炎症が膵臓とは別の場所に飛び火してしまうリスクがあります。

 

そこで治療と炎症の拡大を抑制することが同時にできるのが、血液透析による治療法であり、膵炎さえ治れば、良好な予後が期待できます。

炎症を抑える薬物などありますが、できる限り副作用の無い治療法が望ましいでしょう。

 

 

急性膵炎に有効な薬物療法

■急性膵炎を治療するのに最も有効なのは絶食などの食事制限、アルコール制限ですが、急性膵炎の進行を抑え、膵臓の自己消化などを抑えるために薬物療法も必要です。

 

急性膵炎も重症化してしまえば、更には細菌感染なども考えられるため、予防的に抗菌薬も必要となります。

 

急性膵炎の炎症が治まるまで、激しい痛みは続きますので、それまでの間痛みを和らげる鎮痛薬も必要です。

 

そして胆石が原因の急性膵炎の場合、原因の胆石を除去しなければ炎症は治らないので、そのための薬物療法なども必須となります。

 

■急性膵炎の治療薬

1.タンパク分解酵素阻害薬

急性膵炎により膵臓の自己消化が起こることを防ぐために投与します。

タンパク分解酵素阻害剤の大量持続点滴静注によって合併症発生率を低下させ、死亡率を抑えることが期待できます。

 

2.抗菌薬の投与

急性膵炎も重症となれば細菌などの感染も考えられるため、予防的に抗菌薬を投与。

 

3.ERCP

胆石が原因の急性膵炎の場合、胆石除去のために投与します。

 

4.鎮痛薬

急性膵炎による痛みを和らげる対症療法として投与します。

 

■理想的な急性膵炎の治療は、早期の内に絶食などの食事制限を行い、そのまま自然治癒させることです。

薬物治療となると、効果が高いほど副作用の心配が出てしまいます。

 

ですが急性膵炎が重症化してしまうと、自然治癒する間に膵臓へのダメージが悪化しすぎてしまう可能性があるのです。

そのために薬物の副作用に目をつぶっても、早急に急性膵炎の炎症を止める必要があります。

 

 

慢性膵炎の悪化を予防する生活習慣改善

■膵臓の炎症を繰り返し、悪化し続けると慢性膵炎となり、治癒不可能となってしまいます。

慢性膵炎まで悪化することを予防するには、生活習慣を改善することが最も効果的です。

元々の膵臓の炎症も生活習慣の乱れが大きく関わっており、それを改善することで膵臓の炎症の繰り返しを止め、慢性膵炎になる事を予防する効果は充分期待できるでしょう。

 

■慢性膵炎を予防する生活習慣

●禁酒・禁煙

アルコールもニコチンも、膵臓に大きな負担をかけ、慢性膵炎のリスクを高める要素となります。

できるだけ早い時期から禁酒、禁煙による膵臓の負担軽減を実行する必要があるでしょう。

 

●食事制限

1.油分の制限

脂っこい食事は消化するために、過剰な消化酵素が分泌され膵臓の負担となります。

 

2.食事量の制限

満腹になる事で、大量の食事を消化するために消化酵素が大量分泌、膵臓に大きな負担となります。

 

3.コーヒー、香辛料、炭酸飲料など禁止

カフェインや刺激物など、必要の無い消化酵素の分泌を促してしまいます。

 

■消化酵素を分泌する膵臓の負担を軽減する事がこの予防対策の要です。

そのためには食事の内容も工夫が必要ですが、食事の回数にも改善の余地があります。

 

一度の食事で満腹になるまで食べては上記のように膵臓の負担となります。

しかしあまりに食事を減らしすぎても健康を損なってしまうでしょう。

そこで一回の食事量を減らし、一日の食事の回数を増やすことで膵臓に負担をかけず、必要な量の栄養摂取を行うことが可能となるのです。

(Photo by: http://www.photo-ac.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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