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拘束性換気障害となる原因とは?閉塞性換気障害との違いなど

 

肺は外から空気を取り入れて、酸素を消費し、二酸化炭素を排気する重要な換気器官です。この換気器官である肺が、何らかの原因で拘束され、十分な換気が行われなくなる障害を、拘束性換気障害と言います。

 

肺の換気機能とは、肺が伸縮することによって空気の出し入れをするのであって、何らかの疾患によってその伸縮性が失われ硬くなってしまうことが換気機能の拘束に繋がります。

 

それ以外にも胸部、もしくはその下の腹部の極端な膨張などによっても、肺が圧迫され、伸縮性が失われることもあるのです。

 

■肺の換気機能が制限される

1.肺が硬くなることで換気障害に

肺の弾力が失われる症状を持った疾患により、拘束性換気障害となる場合があります。

 

●間質性肺炎

●肺鬱血

●肺炎や肺がんなど

 

2.肺の圧迫により換気障害に

肺の障害ではなく、胸部もしくは腹部の膨張や横隔膜への障害で肺の換気機能への障害に波及する場合も拘束性換気障害となるのです。

 

●胸水貯留

●胸膜ベンヂ

●腹水または妊娠による横隔膜の運動が制限

 

人の活動には酸素が必ず必要であり、更にはその結果発生した二酸化炭素を排出しなければ人体に致命的な害を与えることになってしまいます。

 

拘束性換気障害となる原因は、以上のように様々なものが考えられます。

 

肺がんなどは身近に感じないかもしれませんが、ただの風邪から肺炎になったり、女性ならば妊娠で肺が圧迫されるなど、身近な原因で肺が拘束されることもあり得ると言うことを憶えておきましょう。

 

肺気量分画と1秒率でわかる拘束性換気障害と閉塞性換気障害の違い

肺や気管支など呼吸器の病気を判断するのに有用な検査が、肺気量分画と1秒率です。

 

肺気量分画では肺活量とその予測値との差(%)がわかり、1秒率は最初の1秒で出た呼吸量が全体の何%を占めているかということです。

 

この肺気量分画検査と1秒率の結果によって、拘束性換気障害と閉塞性換気障害を分けられます。

 

●拘束性換気障害と閉塞性換気障害の違い

拘束性換気障害も閉塞性換気障害も、どちらも換気障害ですので空気の出し入れに問題があるのは変わりありません。ですが、いくつかの違いがあります。

・空気の出し入れの問題…拘束性換気障害は息が吸いにくい、閉塞性換気障害は息が吐きにくい

・問題部位の違い…拘束性換気障害は肺が広がりにくい、閉塞性換気障害は気道が狭い

拘束性換気障害の例:間質性肺炎、肺炎後遺症

閉塞性換気障害の例:慢性気管支炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患

 

●肺活量と1秒率でみる違い

拘束性換気障害と閉塞性換気障害の肺活量・1秒率でみる違いを紹介します。

・拘束性換気障害…肺活量80%未満、1秒率70%以上(正常)

息を吸う・吐く全体の量は、肺の働きが悪いことから少ないが、最初の1秒で出せる息の量は健常人と変わりません。

・閉塞性換気障害…肺活量80%以上(正常)、1秒率70%未満

気道の抵抗が激しいので最初の1秒ではたくさんの息を吐けませんが、肺活量全体では特に問題がありません。

 

換気障害には拘束性換気障害、閉塞性換気障害の他に混合性換気障害という病気もあります。こちらは肺活量80%未満、1秒率70%未満で、一般的には閉塞性換気障害に分類されている慢性気管支炎や気管支喘息なども進行すると、混合性換気障害の分類に変化することがあります。

 

間質性肺炎による拘束性換気障害

風邪をこじらせることで肺炎になるなどは、わりと良く耳にする事例ですが、この危険性を本当に理解しているでしょうか。

肺炎になると言うことは、思っている以上に生命の危機に関連する疾患なのです。

 

肺は生命活動に必須の酸素を取り入れるための重要な器官であり、肺炎によって引き起される肺組織の変質によって、酸素供給が著しく低下してしまうことになります。

それが拘束性換気障害です。

肺は内部にある肺胞で酸素を取り入れ毛細血管にそれを送ります。その周囲の支持組織を間質というのですが、肺炎で炎症が起こるとこの間質組織が肥厚してしまうことになるのです。

 

■間質性肺炎による換気障害

●間質組織の肥厚

炎症を起こした肺の支持組織や間質組織が肥厚を起こし、肺の膨張、収縮が妨げられ、肺活量が低下し、換気効率が衰えてしまいます。

 

●肺胞と毛細血管の隔離

間質組織が肥厚することにより、肺胞と毛細血管の距離が引き離されてしまい、血管と肺胞のガス交換が難しくなってしまいます。

 

●肺組織の繊維化

炎症を繰り返し起こすことによって、肺組織が徐々に繊維状に変換され、肺の機能が低下してしまいます。

 

■間質組織の肥厚は、肺の伸縮性を損なわせ肺活量を低下させてしまいます。

それだけでなく、間質組織が厚くなることで、肺胞と毛細血管の酸素供給が阻害されてしまうのです。

 

肺炎を何度も繰り返すことで肺組織が繊維化することでも、肺機能は著しく低下してしまいます。

このように単なる風邪から派生する肺炎は、呼吸効率を下げ、人の生命を著しく危険にさらすようになってしまうのです。

 

原因が不明の肺炎による拘束性換気障害

■呼吸の効率が著しく低下させてしまう拘束性換気障害の主な原因と言えば、肺で起こる炎症で、いわゆる肺炎です。

肺炎の中でも、間質という部分の炎症を引き起す間質性肺炎が、間質の肥厚を招き、肺を硬くして換気障害を引き起すリスクを高めます。

拘束性換気障害を予防すると言うことは、間質性肺炎を予防すると言うことになるのですが、間質性肺炎には場合によってははっきりしない原因でも発症する場合があるのです。

 

■原因不明の間質性肺炎

1.原因が明確な肺炎

●ウィルス感染

サイトメガロウィルスやインフルエンザウィルスなどが肺炎の主な原因となります。

 

●他の疾患の一症候

関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎などが発症すると、間質性肺炎が出現するリスクが高まります。

 

●放射線

放射線被曝による間質性肺炎のリスクが上昇することもあります。

 

●薬剤性

抗がん剤、漢方薬、抗生物質などの副作用などで免疫力低下により、肺炎を誘発します。

 

2.突発性間質性肺炎

はっきりとした原因が不明な間質性肺炎です。ですが、喫煙との関連性があると指摘されています。

 

■肺炎と言えば、風邪やインフルエンザなどのウィルス感染が主ですが、他にも他の疾患からの影響で肺の炎症が起こる場合もあります。

 

それらの原因がはっきりした肺炎ならば、それぞれの対処法がありますが、原因不明である間質性肺炎には、有効な予防対策というものがありません。

ただし、肺の機能には喫煙が大きく関わっており、禁煙することで肺の機能を高め、肺を健全な状態に保つことは、予防対策としての効果も期待できるのではないでしょうか。

 

体内に水がたまって拘束性換気障害に

■拘束性換気障害は、本来なら換気機能つまりは呼吸の要である肺の障害によって引き起されるものですが、肺から外れた場所での疾患を原因とした拘束性換気障害も存在します。

それは体内に水がたまってしまう胸水や腹水といった状態のことです。

この体内に水がたまる原因の一つが肺炎などと言う場合もありますが、それ以外の理由もあります。

なによりも、胸水も腹水も肺の外側に水がたまり、膨れあがることで、結果的に肺を圧迫することで、拘束性換気障害を引き起すのです。

 

■体内に水がたまる胸水・腹水

1.胸水

●平常時でも胸腔内には少量の液体がたまっています。

●肺炎、胸膜炎、肺結核、肺がんなどの病的要因によって胸水が大量にたまってしまい、肺を圧迫するようになってしまうことになります。

●胸腔内にたまった胸水が肺を圧迫し、拘束性換気障害に繋がります。

 

2.腹水

●腹腔内に大量の液体が異常に貯留した状態のことを指します。

●腹膜炎、悪性腫瘍の腹膜播種、肝癌の破裂などで発症します。

●腹水が悪化し、腹部膨張が大きくなるに従って、横隔膜が押し上げられ、肺を圧迫することになります。

●圧迫された肺の換気機能が阻害され、拘束性換気障害になってしまいます。

 

■胸水も腹水も原因となるのは、それぞれの部位の疾患が原因となって、大量の液体が一部に貯留されることになってしまうのです。

 

根治的にはその原因となる疾患を治すことが第一ですが、対症療法的に、たまった腹水を抜き取る外科的な治療が行われます。

 

たまった水を抜き取れば一時的とはいえ即効で症状を緩和でき、肺の圧迫も取り除かれるでしょう。

(Photo by: http://www.photo-ac.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-16掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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