気になる病気・症状
血小板減少性紫斑症?種類・生活の注意点、妊娠・出産について
「血小板減少性紫斑症」という病気をご存知ですか?
血小板が減少することで、出血しやすくなり、皮下出血が起こることで紫斑(あざ)が出来る病気です。
◆ 血小板って?
血液の中には、様々な成分が存在します。
酸素を運ぶ赤血球や、免疫系の要となる白血球、そして血を止める役割を持つ、血小板などがあります。
出血した場所では、刺激物質により血小板が滑らかな形から金平糖のような突起を出した形に変化します。
この結果、血小板が凝集し、血栓を形成し、止血が行われていきます。
この血小板が何らかの原因で少なくなると、出血する時間が長くなったり、紫斑が現れたりします。
◆ 血小板が少なくなる原因
血小板が少なくなるには、以下の2つが考えられます。
Ⅰ.血小板の産生能力が低下する
Ⅱ.血小板の寿命が短くなる
このうち、【Ⅰ】に含まれるのが、再生不良性貧血や急性白血病であり、【Ⅱ】に含まれるのが、血小板減少性紫斑病(特発性血小板減少性紫斑症)なのです。
◆ 特発性血小板減少性紫斑症
【ITP:Idiopathic Thrombocytopenic Purpura】
では、なぜ血小板減少性紫斑病(以下ITP)では、血小板の寿命が短くなってしまうのでしょうか。
その原因として考えられているのが、自己免疫疾患です。
血小板を標的とする抗体が作成されてしまい、血小板が脾臓で壊されてしまうのです。
しかし、なぜ抗血小板抗体が作成されるのかは、分かっていません。
◆ 症状
体中に、青あざ(紫斑)、点状出血、鼻血、粘膜での出血が起こります。
女性では、月経過多となることも。
あざで済む分には……と思われるかもしれませんが、病気が進むと胃や腸からの出血、脳出血などが起こり、命にかかわる病気です。
◆ 治療法
ステロイド系の飲み薬や、重症の場合は脾臓摘出手術や、免疫抑制剤の使用となります。
子どもの場合、麻疹や風疹、おたふくかぜなどの後に、急に血小板が減ることで発症することもあります。
風邪などの症状の後に、急にあざが増えた場合は、医師にかかりましょう。
血小板減少性紫斑病の種類
少し、耳慣れない病気かもしれません、「血小板減少性紫斑症」。
血液中の成分である、血小板が減少することで、出血しやすくなり、皮下出血が起こることで紫斑(あざ)が出来る病気です。
○ 血小板が少なくなると…
血液中の血小板が減少すると、「血が止まらない」症状に見舞われます。
血小板は傷を負った際、止血に大変重要な役割を担う血球だからです。
具体的には、下記のような症状が見られます。
・紫斑(あざ)
・点状・斑状の出血
・歯ぐきからの出血
・鼻血
・月経過多
・重症になると、胃や腸、脳からの出血
そして、この血小板減少性紫斑病は、大きく2つに分かれます。
◆ 急性型
はしか、風疹、みずぼうそう、そして風邪などの後に、急に血小板が減り、発症します。
子どもに多いのが特徴で、重症化することも多くありますが、6か月以内に自然に治るのがほとんどです。
しかし、10%程度の割合で、慢性型に移行すると言われています。
原因は、はしかなどのウイルスに感染した際、体で作られた抗ウイルス抗体がウイルスとの免疫複合体を形成しますが、これが血小板にも影響を与え、血小板が脾臓で分解され過ぎてしまうと考えられています。
◆ 慢性型
症状が徐々に出てくるもので、成人が血小板減少性紫斑病を発症した際は、慢性化することが多くあります。
急性型が移行する場合もあります。
男女の割合はおよそ1:3と女性に多く、20~50代が主です。
慢性化すると、急性型に比べて大出血を起こすことは比較的少ないといいます。
しかし、成人女性に多いことから、月経や妊娠、出産時には特に注意を払う必要があります。
また、血小板減少性紫斑病は厚生労働省の特定疾患治療研究班の対象ですが(いわゆる難病)、それほどまれな病気ではなりません。
しかし、重症化すると内臓や脳からの出血を起こし、死に至る病気です。
特にぶつけた記憶がないのに、あざが消えないな、と思う際は、あざ程度と思わずに、医師にかかりましょう。
血小板減少性紫斑病と生活の注意点
あざができやすい、皮膚に点状の出血をする、鼻血が良く出る……。これらは血小板減少性紫斑病という病気の特徴です。
◆ 血小板減少性紫斑病とは
血小板減少性紫斑病(以下ITP:Idiopathic Thrombocytopenic Purpura)とは、ケガが起きた際、出血を止める役割を果たす血小板が減少してしまい、出血が止まらなくなる病気です。
具体的な症状は下記の通りで、あざだけにとどまらない、重症化すると命にかかわる病気です。
・紫斑(あざ)
・点状・斑状の出血
・歯ぐきからの出血
・鼻血
・月経過多
・重症になると、胃や腸、脳からの出血
子どもの場合は、麻疹やおたふくかぜ、風疹などのウイルス性の病気にかかった後、発症することも多い病気です。
◆ 生活の注意点
出血しやすい、止まりにくいということが症状です。どのような事に気をつければよいのか、いくつか注意点をご紹介します。
● 食べ物
特に避けるべき食べ物はありません。ただし、口内出血しやすいこともありますので、極端に硬すぎるものは避けた方がいいかもしれません。
● 運動
出血しやすくなる病気ですので、ぶつかったり転んだりするような、激しい運動や格闘技は避けましょう。血小板の値がとても低い場合は、医師から運動の制限を言われることもあります。
● 学校生活
基本的な日常生活は送れますが、体育などは可能な範囲で参加するようにしましょう。
担任の先生に病気について知っておいて頂くことはもちろん、友人・クラスメートにも分かってもらうことが重要です。
● 医療
歯科や胃カメラなど、出血のおそれがある治療を行う際は、ITPであることを伝えましょう。
● 予防接種
生ワクチン接種により、血小板の数値が下がる恐れがあります。また、服用している薬により、接種しても効かない場合があります。
主治医と相談し、予防接種を打つ打たないも含めて考えましょう。
血が止まらない、というのは、非常に怖い事です。やはり信頼できる医師と常々相談し、生活するようにしましょう。
血小板減少性紫斑病と妊娠・出産
出血を止めるのに、重要な役割を果たす血液中の成分、血小板。
これが、いきなり減少してしまう病気が、血小板減少性紫斑病(以下ITP)です。
発症者の男女比は1:3と女性に多く見られる病気です。
◆ ITPの症状
紫斑病、とある通り、あざが増えます。
また、出血が止まらない、点状の出血が見られる、口腔出血や鼻血、重症化すると胃腸や脳出血を起こす病気です。
◆ 妊娠・出産に与える影響
若い女性の患者も多いことから、妊娠・出産にどのような影響があるのか、心配になる方も多くいらっしゃいます。
ITPそのものが、妊娠を妨げることはありません。
しかし、ITPの重症度(血小板の量が少ない程)により、大量出血の危険が増加します。
また、妊娠中に合併して発症することや、症状が重くなることも。
出産に向けて血小板を増やすような治療を行うことになります。
妊婦健診や出産は、産科医だけでなく血液専門の医師がいる病院を選択するようにしましょう。
また、治療に用いられるステロイド剤なども、胎盤で分解されやすいもの、されにくいものもあります。
免疫抑制剤に関しては、胎児に影響を及ぼす可能性もあるため、できれば薬を服用せずに体調をコントロールできる時期の妊娠が望ましいともされています。
医師・薬剤師と相談し、妊娠時期を考えたり、妊娠中を過ごしましょう。
◆ 子どもに与える影響
ITPそのものは遺伝しませんが、血小板の減少を引き起こす血液中の抗体は、胎盤を通り抜けて胎児に移行します。
そのため、新生児が血小板減少を起こすことがありますが、母親から移行した抗体は、ひと月ほどで消えるため、一過性の血小板減少となります。
しかし、母親の血小板の量が一定以下の場合は、出産時に新生児が頭蓋内出血を起こす可能性もあるとか。
そのため、検査次第では、帝王切開や、経膣分娩でも吸引・鉗子分娩は避けるなどの処置がとられることもあります。
妊娠・出産というのは、どんなに健康体の女性であっても、何が起こるか分からないものです。
出来得る限りの対策と、情報をもって、そして最後には気持ちを楽にして、子どもを迎えたいものですね。
子どもと[血小板減少性紫斑病]
元気いっぱいの子ども、転んだりぶつけたり、あざを作ったりなんてしょっちゅうですよね。でもそのあざ、いつまでも消えない、なんてことはないでしょうか。
ぶつけてもいないのに、いつもあざがある、という場合。そこには病気が隠れている場合があるのです。
◆ 血小板減少性紫斑病
はしかや風疹、水ぼうそうや風邪など、子どもがかかり易いウイルス性の病気はたくさんあります。しかし、これらの病気にかかった後、なぜか体にあざが増えた場合は、要注意です。
特発性血小板減少性紫斑病】の可能性があるのです。
【◆ 血小板って?
血液の中には、様々な成分が存在します。酸素を運ぶ赤血球や、免疫系の要となる白血球、そして血を止める役割を持つ、血小板です。
血小板は、傷ができるとその近くに凝集し、血栓を形成、止血が行われていきます。この血小板が、ウイルスに対する免疫反応の影響を受けて、何故か一緒に分解されてしまうことがあるのだそう。これが、血小板減少性紫斑病です。
◆ 血小板減少性紫斑病の症状
体中に青あざ(紫斑)、点状などの出血、鼻血、粘膜での出血が起こります。たかがあざ程度……と思われるかもしれませんが、重症化すると胃や腸からの出血、脳出血などが起こり、命にかかわる病気です。
◆ 治療法
ステロイド治療や免疫グロブリン大量療法などがおこなわれます。これら内科的治療で完治しない場合は、血小板を分解する場所である、脾臓の摘出手術となります。
しかし、子どもの場合は、6か月程度で自然治癒する場合も。そのため、薬剤で様子を見つつ、ケガをしないよう注意しながら過ごすことが多くあります。
あざが出来やすい病気としては、この血小板減少性紫斑病以外にも、白血病などの重い病気が隠れている場合もあります。
原因の思い当たらないあざが急に増えてきた場合は、必ず医師にかかるようにしましょうね。
[Photo by http://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=9646&word=%E9%A2%A8%E9%82%AA%E6%B0%97%E5%91%B3]
著者: カラダノート編集部