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血液の癌である多発性骨髄腫と原発性マクログロブリン血症とは?年齢によって異なる治療、メリット・デメリットとは?

 

多発性骨髄腫という病気をご存知でしょうか。

 

赤血球や白血球、リンパ球など、血液に含まれる細胞を作るのが、骨髄です。

このリンパ球のうち、何らかの原因で形質細胞(B細胞が分化したもの)ががん化したものが、多発性骨髄腫です。

 

骨髄に異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が増え、さらにはこの骨髄腫細胞がが産生する異常なガンマグロブリン(M蛋白)が血液中に増え、全身症状が起こります。

 

具体的な症状は、以下の通りです。

 

◆ 骨の痛み

もろくなった骨が痛みを起こし、場合によっては圧迫骨折を起こします。

 

◆ 高カルシウム血症

悪心、おう吐、中枢神経障害などがおこります。

 

◆ 腎障害・腎不全

 

◆ 貧血

 

◆ 感染症や神経症状

など、全身の様々な症状が起こりえます。

 

○ 多発性骨髄腫になったとき、日常生活で気をつけること

体調の変化には注意し、少しでも気になることは医師に相談します。

また、症状がなくとも薬の服用や定期受診はしっかり行いましょう。

 

◆ 骨に負担をかけない

 重いものを持ち上げる、体をねじる、中腰などの体制は、骨に負担をかけます。

 骨折をしないためにも、避けましょう。

 

◆ 適度な運動

 まったく運動をしないと、筋肉が衰える、骨がさらにもろくなってしまいます。

 散歩するなどしましょう。

 

◆ 食事はバランスを考えて

 化学療法中は食欲不振になることもあります。少しずつでもかまいませんので、食べられる物をとりましょう。

 その他のときは、たくさんの品目をバランス良くとります。

 

◆ 水分をとる

 腎臓への負担を軽減する、また血液の濃度を下げるために、水分を意識してとりましょう。

 

◆ 骨の痛みを軽減する

 骨の痛みは、我慢することはありません。主治医に相談し、麻薬系鎮痛剤の使用も推奨されています。

 また、痛いからと言って自己判断で市販の鎮痛剤などを使用することは避けましょう。 

 

長い闘病になることも少なくありません。

主治医や薬剤師など医療スタッフとしっかり話をし、症状や服用する薬・副作用も理解した上で、積極的に治療に参加するようにしましょう。

 

 

血液の癌である多発性骨髄腫と原発性マクログロブリン血症

血液の癌というものをご存じでしょうか。

様々な臓器が癌化することは誰もが知っていますが、それは血液にも当てはまります。

正確には血液の抗体を作る細胞に異常が起こり、異常な抗体を血液中に増殖させてしまうのが血液の癌、多発性骨髄腫なのです。

 

この多発性骨髄腫でIgMという異常抗体を増殖させることになる場合は、原発性マクログロブリン血症と呼ばれます。

 

■血液の癌である多発性骨髄腫

 

●白血球から分化する形質細胞

白血球の一種であるリンパ球は身体に侵入したウィルスや細菌などの異物を排除する抗体となる免疫グロブリンを産生します。その抗体が形質細胞なのですが、それが癌化し、いわゆる血液の癌となるのが多発性骨髄腫なのです。

●多発性骨髄腫

血液の白血球から派生する免疫グロブリンが異常に増殖し、血液を癌化させる多発性骨髄腫は血中の数種類の免疫グロブリンの中で1種類のみ異常を増殖することになり、その異常免疫グロブリンがIgM型である場合は、原発性マクログロブリン血症と呼ばれる疾患となります。

●M蛋白

この多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症によって異常に産生された異常なマグロブリンをM蛋白と呼び、血中や尿中に異常に検出されるようになります。

1.血液の粘度が上がる

M蛋白が異常に増殖することによって血液の粘度が上がる過粘稠症候群を引き起し様々な症状を伴うようになります。

2.高カルシウム血症

異常な形質細胞が破骨細胞を活性化させ、骨を破壊しカルシウムに変えて血液中に溶け込ませます。

そのため、血中のカルシウム濃度が一気に上がり高カルシウム血症になるのです。

この高カルシウム血症によった腎臓などの障害も誘発されます。

 

この血液の癌は高齢者に多い疾患であり、高齢者であるため体力的にも治療が難しくなる症例となります。

はっきりとした原因も不明であるため発症したのなら、気長な化学療法を行うことで異常な抗体の増殖を抑えることになるでしょう。

 

 

多発性骨髄腫と原発性マクログロブリン血症の症状

血液に異常な抗体が増殖する多発性骨髄腫は血液の癌とも言える血液の病気です。

その多発性骨髄腫の中でも増殖する抗体が免疫グロブリンM(IgM)である場合は原発性マクログロブリン血症と呼ばれます。

 

どちらも同じく血液の癌と言えるものであり、共通する症状もありますが、原発性マクログロブリン血症のみの特殊な症状も現れる場合もあります。

 

■多発性骨髄腫の症状

1.骨の痛み

多発性骨髄腫によって増殖した腫瘍細胞によって破骨細胞が活性化し、骨がどんどんカルシウムに変えられ、補名の痛みと共に高カルシウム血症を引き起します。

2.感染症

血液の癌で異常を起こすのは血液中の抗体であり、抗体の異常によって人体の免疫不全となります。

様々な感染症にかかりやすくなり、肺炎や腎盂腎炎など非常に危険な感染症のリスクも高まるのです。

3.腎障害

高カルシウム血症や腎盂腎炎などの感染症によって腎障害のリスクも高まります。

腎障害が進行し腎臓の機能が失われる腎不全の危険性もあるのです。

4.貧血

多発性骨髄腫で増殖するのは白血球を元とする抗体であり、骨髄での赤血球産生は抑制され、貧血を発症させます。

 

 

■原発性マクログロブリン血症の症状

IgM型免疫抗体が過剰に増加することで血液の粘りが強くなります。

血液の流れが悪くなり眼底出血などの症状も伴う可能性もでてくるでしょう。

 

多発性骨髄腫と原発性マクログロブリン血症に共通するのは異常な抗体が増殖することで、正常な抗体の働きが阻害されてしまうと言うことです、そのため様々な合併症を引き起し、結果として生命の危険を増やすことになります。

この血液の癌を治療するためには、まずは増え続ける癌細胞を押さえ込む化学療法が必要となるでしょう。

元の免疫力を落とさない繊細な治療が求められます。

 

 

年齢によって異なる多発性骨髄腫の治療

多発性骨髄腫とその一種である原発性マクログロブリン血症は、高齢者に特に多発する血液の癌となっています。明確な原因ははっきりとはしていないものの、発症した年齢層が明らかに65歳以上の高齢者に偏っているのです。

 

そのため、治療法もその年代に合わせたものを用意しなければならなくなります。

 

■年齢ごとに異なる血液の癌の治療法

●高齢者に多い血液の癌

多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症は、65歳以上の高齢者に特に多発する疾患となっています。高齢者の体力の問題もあり、65歳以上とそれ以下の若い世代とでは全く異なる治療法が執り行われています。

 

1.65歳未満の治療法

●高用量化学療法

抗がん剤などを大量に投与して、異常増殖した免疫グロブリンなどを全て癌細胞として殺す集中的な化学療法です。

 

ただし、癌と一緒に死滅した抗体を取り戻すために、造血幹細胞移植を行う必要が出てきます。

 

●自家造血幹細胞移植

癌の集中的な化学療法によって失われることが分かっている抗体を作る正常な造血幹細胞をあらかじめ治療前に摂取しておいて、化学療法の後に自家移植する治療法です。この方法ならば癌を全滅させた後、必要な機能だけを取り戻す事ができます。

 

2.65歳以上の高齢者

●多剤併用化学療法

色々な抗がん剤などの化学療法を使用し、ゆっくりと癌を減らしていく化学療法です。

 

●自家造血幹細胞移植はできない

高齢者であるため、体力的な問題から自家造血幹細胞移植を行わない治療法を選択するしか無いのです。

 

高齢者になると、治療のために患者の体力も考慮に入れなければならなくなりなり、免疫力を無くさずに癌を治療する治療法は存在はするのですが、実際に自家移植などの治療法が高齢者であるために行うことができず、緩やかな化学療法を選択することになります。

 

 

サリドマイド(多発性骨髄腫)治療のメリット・デメリットとは?

従来の抗がん剤より副作用の少ない『サリドマイド(多発性骨髄腫治療薬)』とは?

多発性骨髄腫は、骨髄において発症する、白血病などと同じ造血器官における「がん」です。腫瘍性の形質細胞(リンパ球が成熟したもの)が増え、そしてその産物であるMタンパクという異常を生じた抗体が大量にあらゆる組織に発現します。

 

多発性骨髄腫の症状として、多いものには骨病変、易感染症、腎障害などがあります。従来の治療法といえば、MP療法と呼ばれる、抗がん剤(アルケラン)とステロイド剤(プレドニゾロン)を併用して使用する化学療法が一般的でしたが、近年新薬として登場した『サリドマイド』は骨髄腫治療初の分子標的薬として大変期待が寄せられています。

  

サリドマイドは今から50年前、サリドマイド事件(妊婦が睡眠薬としてサリドマイドを服用すると、四肢に異常がある奇形児などが生まれた事件)という薬害事件により数十年間販売が中止になっていました。しかし、新たな研究により骨髄腫の増殖を阻害する作用があるとして、新たにその効能が見直されました。サリドマイドは従来の抗がん剤などと比べ、正常細胞を傷つけないので副作用が少ないのが利点です。

 

 

どのような作用があるか?

サリドマイドの作用に関しては次の4点があります。

 

◆「骨髄腫細胞」や「骨髄間質細胞」に直接作用し、細胞増殖を抑制したり、細胞死をまねく。

 

◆骨髄腫細胞が骨髄間質細胞に接着する(効率よく増殖する)のを阻害する。

 

◆骨髄細胞腫や骨髄間質細胞がインターロイキン6(骨髄腫細胞が効率よく増殖しやすい物質)を産生するのを抑制する

 

◆VEGF(血管内皮細胞増殖因子:血管新生の原因となる内皮細胞の増殖を行う)やBFGF(線維芽細胞増殖因子:VEGFの増殖をサポートする)の2つの物質を抑制し、(がん細胞増殖の原因となる)血管新生を抑制する。

 

 

副作用とは?

サリドマイドの副作用には以下のものがあります。

 

1)眠気・めまい

2)末梢神経障害:長期間の使用によっては、多発性神経炎(軽いピリピリした刺激、感覚異常~重度では強い痛み)のような症状を呈する場合がある。

3)便秘

4)発疹

5)白血球減少

6)体重減少など

 

(※重篤な薬害被害を避けるため、当薬剤を服用中は妊娠は禁忌である。他人への譲渡も行ってはいけない。)

 

<処方されるに当たって、登録手続きが必要>

 

日本ではすでに多発性骨髄腫治療のサリドマイドの処方は保険適用になっており、医師からサリドマイドを処方される際は「サレドカプセル-患者さん用パック」という説明資料や安全使用のための書類等が配布されます。必要書類と登録用紙をファックスにて送り、返送される確認用紙を持って医師に処方箋を貰い、それから薬局で薬を処方してもらうという流れになります。

 

 

費用について

通常、安全管理の費用も含めて薬価は高額であり1カプセル(100mg)6,570円であると言われています。

 

◆保険適用では、1ヶ月59,000円程度と言われています。

(2009年時点の情報であり、現在の薬価についてはお確かめください)

 

 

最後に

 

骨髄腫の治療薬としてのサリドマイドの効果は、従来の治療法と比べ非常に有効で、特に難治、再発に対する効果は数多く報告されているようです。処方までの手続きなどは煩雑であり、薬代も安価であるとは言えませんが、ある患者さんが書かれていたブログによると、過去にはサリドマイド薬は個人輸入によって入手され、全額を実費で支払うことを余儀なくされていたようです。日本国内の保険適用が行われた背景には、日本骨髄腫患者の会の方々の長い努力があったと書かれていました。今後は、更なる改善を期待したいと思います。

 

[Photo by http://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=15180&word=%E7%99%BD%E8%A1%A3%E3%81%AE%E5%85%88%E7%94%9F%EF%BC%88%E6%8C%87%E5%B7%AE%E3%81%97%E3%83%BB%E5%8F%B3%EF%BC%89]

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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