気になる病気・症状
白内障の手術後の過ごし方と注意することは?
白内障の術後に注意することって何?
白内障の手術後に眼内レンズを入れた後の眼は、とても敏感です。
そのため、術後にトラブルが起こることもあります。
白内障手術後に注意するトラブルや病気って何?
・ 細菌感染
4000人に1人がかかると言われています。細菌の種類によって症状は異なりますが、充血や激しい眼の痛み、かゆみ、ひどい場合は失明することもあります。
・ 緑内障
手術時の出血や治療薬で眼圧が上がることで起こります。
・ 網膜はく離
術後の検査で兆候が分かります。必要があれば予防処置が行われます。
・ 後発白内障
術後数ヶ月~数年で、水晶体の後嚢に白内障が起こることがあります。レーザー治療で視力が回復します。
・ 糖尿病網膜症の悪化
糖尿病の網膜症が悪化することがあるので、定期的に検査を受けましょう。
トラブルや病気を予防するためにはどうしたらいいの?
トラブルを起こさないために日ごろから以下のことに気をつけてください。
・ 処方された薬を指示通りに使う。
・ 目をこすらない。
目をこすると、細菌感染や傷口が悪化することがあります。
・ 手洗いをしっかりする。
・ まぶしいときはサングラスや帽子をする。
術後は以前よりもものが鮮明に見えるため、視力が回復してくるとまぶしさを感じることがあります。まぶしさから眼を細めたり、目をこすったりせず、サングラスや帽子をしましょう。
・ 定期健診に必ず行く。
・ 検診日以外でも気になる症状があればすぐ受診する。
白内障の手術自体は短時間で終わりますが、手術後はトラブルや病気を予防するためにきちんと管理しましょう。
白内障の手術後はどう過ごすの?
白内障の手術は10~15分程度ですぐ終わります。
なので、白内障手術後の過ごし方について書きたいと思います。
手術直後
・ 手術直後は30分間安静が必要です。
手術から2時間たつと、院内を歩いたり、食事をすることが可能です。
手術後2日
・ 徐々に視力が回復してきます。
疲れない程度にものを見ることができます。
ただし、入浴・洗髪・洗顔はできません。
特に問題がなければ、術後4日で退院できます(*白内障手術は、日帰り手術が可能な医療機関もあります)。
術後しばらくの間は、感染症予防の為に点眼薬を使用します。
手術後約1週間
・ 傷口がまだ治っていないので、手をしっかり洗い、目をこすらないようにしましょう。
首から下までのシャワーや入浴ですませましょう。
洗髪は顔に水がかからないようにしましょう。
洗顔は眼のまわりを避けて、タオルで拭きましょう。
手術1週間を過ぎれば、入浴・洗髪・洗顔は普段通りにできます。ただし、洗髪は眼を閉じた状態でしてください。
手術後1ヶ月以内
・ 傷口が治ってきて視力もほぼ安定しますが、パソコンやテレビ、携帯電話などで眼を酷使することは控えましょう。
眼鏡は作らずに、手持ちのもので過ごしましょう。
まぶしさを感じるときはサングラスで眼を保護しましょう。
スポーツについては医師と相談しましょう。
手術後1~2ヶ月後
・ 視力が回復し、安定するので、眼内レンズのピントとは違う距離を見るための自分の眼に合った眼鏡をつくりましょう。
手術後1~2ヶ月は無理せずに過ごしましょう。無理をすると手術後のトラブルや病気になることもあるので注意が必要です。
やってみよう!白内障のセルフチェック
白内障は、眼の水晶体が濁り、眼がかすんだり、視力が下がる病気です。
白内障は、50歳代で60%、60歳代になると80%、70歳代で90%、90歳代はほとんどすべての人がなると言われています。
早期発見の為にセルフチェックで症状の参考や眼科受診のきっかけにしてみてください。
以下のような症状がある場合は、白内障かもしれません。
①眼がかすむ
目の前に霧がかかったように見えたり、ぼやけて見えたりしませんか?
②最近、視力が低下していませんか?
新聞や本などの小さな文字が読みにくくなっていませんか?眼鏡をかけても見にくくないですか?
③ものを見ると、二重、三重に見えませんか?
片目を隠しても二重に見えますか?眼鏡をかけても直りませんか?
④暗い場所にいるとものが見えにくくないですか?
周囲が暗いとものが見えにくくなったり、同じ明るさでも以前よりも暗く感じていませんか?
⑤明るい場所や日差しの強い場所にいるとまぶしく感じませんか?
逆光で全く見えない、夜間の運転中に対向車のライトでものが見えにくいことがありませんか?
⑥普段は見えにくいのに、一時的に良く見えることがありませんか?
①~⑥の症状は全て典型的な白内障の症状です。
該当項目が多いほど、白内障の可能性が高くなりますので、早めに眼科を受診しましょう。
また、加齢による白内障は進行がゆっくりなので、症状に気がつかないこともあります。
さらに、発症が左右の眼で違うと、見える方の眼でカバーしてしまうので、発見が遅くなることもあります。
セルフチェックだけではなく、定期的に眼科で眼圧検査・眼底検査を受けましょう。
高齢で多くの人が発症。目の病で気をつけておきたい「白内障」とは
白内障はよく知られた目の病気ですが、年齢を重ねれば多くの人が発症する可能性のある病気です。そこで今回は、白内障の原因や症状から、治療の詳しい流れをご紹介します。
白内障ってどんな病気?
白内障は字にもあるように、目が白濁するイメージをなんとなく持っている方も多いのではないでしょうか?白濁するのは目の水晶体という場所で、光が通るレンズの部分。この部分が濁るので視界が白くぼやけるようになります。
白内障の症状
白内障の初期症状は自分ではわかりにくく、振り返ってみると白内障の症状だったということもあります。白内障なのだから視界が白くなることを想像するかもしれませんが、他の症状もたくさんあります。
症状はその人の水晶体の濁り方によって違います。光が入りにくくなることで「ものが薄暗く見える」こともあります。逆に、乱反射が起こって「まぶしく見える」こともあります。さらに「霧がかったような見え方」が「視力の低下」と自覚されることもありますし、「暗い所と明るい所で見え方が違う」といったこともあります。
白内障の原因
白内障になる原因は、「アトピー」「糖尿病」「薬の影響」などがあります。けれども最も多いのが「加齢」で、年齢を重ねることで発症する可能性が高くなっていきます。白内障の7割が加齢によるものとされています。
白内障の年齢
では。加齢で発症する白内障は、何歳くらいで発症が始まるのでしょうか?白内障が始まっても最初は自覚症状がないことが多いですが、早い人で40代から発症します。さらに80代になれば、症状の程度の差があれど、ほとんどの人が白内障の状態になっていると言われています。
白内障の治療・手術について
ではいざ白内障になったらどんな治療法があるのか、大きく2つの治療法にわけてご紹介します。
1. 点眼治療
白内障と診断されたらすぐに手術をしなければいけないかというと、そうではありません。初期で生活に支障がなければ進行を遅らせるため点眼薬で治療をしていきます。場合によっては内服薬が処方されたり、目の栄養補助としてルテインが使用されることもあります。ただし、これらで白内障が治るわけではなく、あくまでも進行を遅らせる治療です。
2.白内障の手術
白内障が進行すると日常生活に支障をきたすようになってきます。この段階になると手術による治療が必要です。白内障を治す外科手術で一般的なのは「超音波乳化吸引術」です。白内障の手術について聞いたことがある方は、比較的簡単な手術といった印象もあるかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか?
・手術(眼内レンズ)の具体的な流れ
手術方法は、濁った水晶体の代わりに「眼内レンズ」を入れる方法です。これは白濁した水晶体を超音波で砕いて取り出し、その代りに眼内レンズを挿入します。クリニックや病院によって多少異なりますが、具体的な手術の流れを見てみましょう。
(1)直前の食事を控えます。前日から控える必要はありませんが、午前の手術なら朝食を抜き、午後の手術ならお昼を抜きます。
(2)手術前には手術着に着替え、血圧測定などを行います。
(3)いざ手術です。まず行うのは点眼による局部麻酔です。リクライニングチェアなどで仰向けに寝た状態になって、顔の上にカバーをかけられ、手術が始まります。手術の際には瞼を開いたままにする機械で固定してくれますので、頑張って目を開けている必要はありません。手術中は「下を見てください」など目の向きの指示があります。
手術自体の時間は15分程度で終わりますが、術後はチェアでしばらく安静にしています。手術をした方の目には眼帯をし、その眼帯は翌日の診察までそのままにします。
(4)術後は飲食は普段通りにしても大丈夫です。しかし入浴は当日はNGで、その後1週間も首から下だけの入浴は可能ですが、洗顔や洗髪はできないこともあります。
・日帰り?入院?
白内障の手術は手術自体も短く終わるので、日帰りで受けることもできます。
ただしそれは患者さん自身の状態や病院の設備によります。重い合併症がある場合や、患者さんの全身状態によっては、術後の管理も必要になるので入院での手術になります。また、病院側にも日帰りの手術対応ができる設備が整っていたり、何かあったときの夜間対応ができるかどうかによっても変わります。
・手術費用
手術費用はレンズの種類によって変わります。レンズには単焦点眼内レンズ(1つの距離にピントがあうレンズ)と多焦点眼内レンズ(複数の距離にピントが合うレンズ)の2つがあります。
<単焦点眼内レンズ>
こちらが主流のレンズで、健康保険が適用されます。手術、診察、検査、投薬、入院にも保険が適用され、片目の手術の場合、3割負担で約6万円、1割負担で約2万円となります。
<多焦点眼内レンズ>
こちらは先進医療に指定されているレンズで、保険適用されません。そのため手術は全額負担になり、その他診察や検査、投薬、入院などは保険適用が認められます。手術自体の費用は片目の手術で30~50万円ほどです。
術後の経過、合併症
一般的に手術後は、翌日、3日後、1週間後、2週間後、1か月後というように定期検診を行います。それは術後の経過を診るためであり、合併症の有無を知るためでもあります。
白内障の手術は多くの症例がある、手軽な手術と捉えられがちですが、術後の合併症がまったくないわけではありません。具体的な合併症には次のようなものがあります。
・飛蚊症(視界に黒っぽいものが飛ぶように見える)
・後発白内障(残った水晶体が濁って再び視力低下する)
・眼内レンズがずれる
・網膜がむくむ
・感染症
何か目の違和感が生じた場合にはすぐにお医者さんに行けるようにしておきましょう。
手術後はどう見える?
白内障の手術を受けた後には、視界はどのように変わるのでしょうか?
・まぶしく感じる
水晶体に代わって眼内レンズを挿入したことで、まぶしさを感じる方が多いです。これは水晶体よりも眼内レンズの方が、光を通しやすいためです。このまぶしさはほとんどの場合、時間とともに慣れていきますが、光が青っぽく見えるなどの場合はお医者さんに相談しましょう。
・メガネが必要になることも
全ての人でピントが合わないわけではありません。手術前のお医者さんとの話し合いで、ピントが1つの単焦点眼内レンズを使うか、複数の多焦点眼内レンズを使うかでも変わってきます。人によっては見えにくい距離ができるので、メガネが必要になることもあります。
基本的に一度入れた眼内レンズは一生使えます。そのため視力が急に落ちたり、見え方が変わったというときには、レンズがずれている可能性もあります。その場合にはすぐにお医者さんで診てもらいましょう。
違和感を感じたら早めに眼科へ
白内障は放っておけば失明にもつながる病気です。しかしきちんと治療を受ければ進行を遅らせることができますし、視力を回復させることもできます。術後の合併症や見え方などに不安はあるかもしれません。けれどもだからこそそれらをよく知った上で、きちんと治療前にお医者さんと話し合い自分が納得のいく手術を受けたいですね。
(Photo by:http://www.gatag.net/08/27/2009/050000.html)
著者: カラダノート編集部