女性のカラダの悩み
生理中のお腹の痛みの症状と軽減法!
生理中お腹が張って痛い…このお腹の張りも生理痛?と思うかもしれませんが、お腹の痛みだけではなく張りや倦怠感、生理中に苦痛を感じる症状全般のこと「生理痛」と言いいます。
生理中のお腹の張り、ウエストサイズが大きくなる原因はいくつか考えられます。
生理前の子宮の膨張
一つは生理前にこれからひと仕事する子宮が膨張しているのです。子宮が膨張するということ自体はたいして問題ありませんが、その膨張した子宮が他の臓器を圧迫してしまうことに問題があります。
子宮のまわりにある臓器で、影響を受けてしまうのは「腸」です。これによって腸が動きを制限されてしまいます。
腸は普段どんな仕事をしているでしょう?腸、特に大腸の仕事の一つは便やガスの排出です。そうなると、ガスなどの不要物が腸にとどまることによりお腹が張ってしまいますよね。
ストレスとホルモンバランス
もうひとつはストレスです。ストレスを感じることによってホルモンバランスが崩れ、子宮や血管、腸などの活動が過剰になったり制限されたりします。そういったタイプの人は分かりやすく、生理前や生理中にイライラしたり、胸が張ったり、過食になるなどの症状も併せて見られます。
生理とは関係ない他の原因のことも・・・
もちろん病気からお腹の張りがくる場合もあります。その場合、生理のときにひどくなっているだけであって、普段からも実はお腹が張っていたということが多いので、普段の張りを確認してみてください。
お腹の張りは原因次第で対処方がまったく変わってきます。ガスが原因なのか、精神的なものなのか、はたまた病気なのか。生理中の自分をよく観察して対策を講じてみてください。
その腹痛はタバコのせい?
タバコを吸っている人の生理時の腹痛は、吸っていない人よりも重く、喫煙そのものが生理痛の症状を悪化させることが知られています。
そもそもタバコ自体が健康を害するものですから、健常時の体にもよくありません。それが生理中となればなおの事です。生理中は体が普段の状態とは異なり、弱っているときですから、タバコの影響をもろに受けてしまいます。
では喫煙による生理時の腹痛はどういった症状なのでしょうか?
生理中に多くなる血管収縮ホルモン
生理中の女性の体には、血管を収縮させるホルモンが子宮内に出ています。
プロスタグランディンというそのホルモンは子宮を収縮させ、経血の排出を促します。
このホルモンは、胃腸のぜんどう運動(胃などが食べ物を下へ下へと移動させようとする運動)を加速させるので、吐き気や、胃の痛み、下痢などの症状も起こりやすくなるため、便意の際の腹痛がひどくなる場合もあります。
喫煙によって血管の収縮が加速
そもそもタバコを吸うことで起こる、最もよくない害の1つが、血管の収縮です。血管が細く、弱くなり、血液がうまくめぐらない状態になるので、滞りが発生してしまうのです。
特に足先や手先、臓器にはりめぐらされている毛細血管(ごく細い血管)が細く、流れが弱くなることで、足先、手先、臓器に十分に血液がいきわたらなくなります。それに伴って、生理でうっ血している下腹部に、より血液がいきわたらなくなり、痛みの原因になることもあります。
子宮も例外ではない
タバコによって引き起こされる血管の収縮は、子宮の活動をも阻害してしまいます。子宮収縮に必要なエネルギーが十分に運ばれず、結果、無理な形で古い子宮内膜をはがしているのです。こういったことが繰り返されると、周期の不順何度にもつながっていく可能性があります。
もしあなたがタバコを吸っていて、生理のときの腹痛がひどいと言う場合は、自ら血管の収縮を助け、子宮内の活動を妨げているかもしれません。それは自らつらい状態に追いやっているということですので、できるものならば禁煙したいところです。
体が冷えると吐き気が強まる?!『月経前症候群と冷え』の関係とは
生理日の何日か前になると、決まって不調症状【イライラ・頭痛・吐き気・めまい】が生じるという方は多数います。これを月経前症候群と呼んでおり、症状が強い場合には、病気ではありませんが薬などの対処療法を行う場合があります。また発生のメカニズムとしては、発痛物質プロスタグランジンの増加が関連していると言われており、この物質が体が冷えたときに過剰に作られるという性質があることから、冷えの予防は不調症状の対策として非常に重要です。以下では、その詳細について見て行きたいと思います
月経前症候群の症状とは?
月経前症候群の症状には以下のものが挙げられます。
<身体的症状>
【下腹痛、頭痛、乳房痛、乳房が張る、腰痛、関節痛、むくみ、体重増加、脚が重い、めまい、食欲亢進、便秘あるいは下痢、悪心、動悸、過剰な睡眠欲、不眠】
<精神的症状>
【怒りやすい、反感、闘争的、憂鬱、緊張、判断力低下、不決断、無気力、孤独感、疲れやすい、不眠、パニック、妄想症、集中力低下、気力が続かない、涙もろい、悪夢を見る、異性に対してのみ攻撃的になり暴力をふるう】
プロスタグランジンとは?
生理前から生理前半までに体内で急激に増える物質に『プロスタグランジン』があります。プロスタグランジンは、陣痛の時に多く分泌され、子宮の収縮を促す作用が良く知られていますが、生理のときも同様に子宮の収縮をうながして経血を体外に排出しやすくする働きを持っています。
<プロスタグランジンが増えすぎるとどうなる?>
プロスタグランジンの量が増えすぎると、生理痛と呼ばれる、主に腹部痛・腰痛・だるさ・吐き気などの症状に繋がります。主な機序としては、血管の収縮と発痛物質の蓄積が関連していますが、この作用は子宮だけでなく胃腸の働きにも影響を与えるため、下痢や吐き気などへの波及症状も出てしまうと言われています。
吐き気を抑えるためには、増加しすぎたプロスタグランジン抑える必要があり、病院などではこの生成を抑える作用の薬を処方されることになります。
<冷えはプロスタグランジン増加に繋がる!>
しかし、薬を飲む以前にできる対策もいくつかあり、その中でも有効と考えられているのが『冷えを防ぐ』ことです。身体が冷えて血行が悪くなると、子宮収縮力が弱まってしまい、それに反発するように脳からはプロスタグランジンを過剰分泌させる指示が出されます。そのため、生理痛を緩和させるためには、身体を温めて血行をよくすることが大切になります。
プロスタグランジンを抑えるための食材とは?
また、その他にも、プロスタグランジンの増加を抑える作用を持つ食材を摂ることで、月経前症候群の各症状(下腹部痛や吐き気など)を緩和することもある程度可能です。以下の食材が有効とされています。
◆魚油(γ‐リノレン酸・DHA・EPA)⇒炎症を抑える効果
◆アーモンド・大豆(マグネシウム)⇒子宮の収縮を緩める(弛緩作用)
◆マグロ・サンマ・サバなどの魚(ビタミンB6)⇒代謝を高め、子宮の収縮をやわらげて緊張を抑える効果
最後に
また上記の他にも、月経前症候群に有効とされるサプリメントに『チェストツリー』というものがあります。臨床試験では、その有効性が多数報告されていることから、薬を常用する前に一度こちらを試してみるのも必要かもしれません。
生理痛だけでなく下痢に便秘・・・生理中のお腹の痛みの症状と軽減法!
生理痛のお腹の痛みは辛いですよね。他にも生理中は、下痢や便秘からくる腹痛に悩まされている女性が多くいます。ここでは、生理中の腹痛や便秘の軽減、下痢の緩和法をご紹介します。
生理中のお腹の痛み
子宮収縮の痛み
生理中のおなかの痛みで一番多いのが、子宮が収縮することによって起こる、ギューっと締め付けられるような痛みです。
これは、プロスタグランジンという子宮を収縮させる物質が、整理中は過剰に分泌されるためで、これにより子宮の収縮活動が活発になり、お腹に痛みが出るというものです。
下痢や嘔吐
同じくプロスタグランジンの作用で子宮が収縮されることによって、下痢や嘔吐や吐き気が起こる場合があります。
これは、子宮が収縮されることの影響が、胃や腸にまで及ぶことによって起こるもので、生理痛の腹痛が酷い人に良く見られる症状です。
便秘
もうひとつは子宮内膜症の病巣が、直腸や直腸付近にあった場合に引き起こる、便秘や排便痛です。
特に生理中はホルモンバランスが崩れ、排便にも影響する新陳代謝が低下します。普段から便秘気味の人は、生理中は特にそれが酷くなったりするのもそのためです。
新陳代謝が悪いということは、体内で不要となった物質を排出するという働きが正常に働かないということです。
特に生理中は子宮の収縮で痛みが伴う上に、腸にたまった排出物が正常に排出されないことで、子宮を圧迫してしまうため、更に痛みが増してしまうのです。
生理中のお腹の痛みを和らげる方法
生理中のお腹の痛みを軽減するには、子宮の収縮の痛みを和らげるために、温めたりマッサージしたりすることが効果的です。
また、便秘によって腹痛が増してしまうことを防ぐためにも、新陳代謝を活発にする必要があります。
食物繊維の多い食事を心がけ、適度な運動を取り入れることによって、正常な排便が行われるよう、努力する必要があります。
生理痛に伴う下痢の症状を緩和しよう
生理前後に、下腹部痛とともに下痢をしてしまうことはありませんか?
子宮を収縮させる働きをもつプロスタグランジンというホルモンが、腸壁も収縮させるため、下痢をしやすくなります。薬などを使って、症状を緩和しましょう。
薬や漢方を使う
腸壁の収縮が原因なら、プロスタグランジンの分泌を抑える鎮痛薬が有効です。生理前日頃から飲み始めましょう。
漢方薬なら、芍薬甘草湯が下痢の予防になります。筋肉の急激な収縮・けいれんに伴う痛み、胃腸の強い痛みを防ぎます。
下痢の症状が出てしまってから飲むのではなく、予防の意味で生理予定日の数日前、下腹部痛の前兆を感じた時点で飲んでください。
体を温める
基礎体温をつけている人ならご存知だと思いますが、基礎体温は生理前1週間ほど高い時期が続く、高温期にあります。生理が始まると、体温は一気に下がり、低温期に入ります。
急激な体温の低下で、下痢の症状が強まる場合も多いので、体を温めるよう心がけてください。
・暖かい服装
・シャワーを腹部にあてる
・温かく消化の良い飲食物を摂る
以上のことをすると楽になります。お腹をゆっくりさすり、緊張をほぐすようにマッサージするのもお勧めです。
血の巡りが悪い人、冷え症の人は、下痢をしやすくなります。日頃から予防の意味で体を温めたり、漢方薬を活用しましょう。
生理痛や下痢に便秘など、生理中はさまざまな症状が辛く感じると思います。うまく対処していきたいですね。
(Photo by:http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部