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慢性骨髄性白血病の分子標的治療薬とは?

 

慢性骨髄性白血病の分子標的治療薬とは?

 

慢性骨髄性白血病の慢性期(第一段階)の治療薬として、従来から抗がん剤やインターフェロンの投与が主な手段として用いられてきましたが、近年では「分子標的薬」という白血病細胞が特異的に産生するタンパク質と結合し、細胞の活動を抑制させるというような治療薬第一選択薬となっています。この治療薬を1年程度継続使用することで、約7割もの患者さんの白血病細胞が低下し、正常な白血球数もほぼ正常値に戻ったというような結果が出ています。

 

では、この分子標的薬が作用する過程とはどのようなものなのでしょうか?まずは、慢性骨髄性白血病の発生の流れについて見て行きたいと思います。

 

慢性骨髄性白血病の発生の段階とは?

 

慢性骨髄性白血病は、急性骨髄性白血病に比べ比較的ゆっくり進行する病気ですが、その進行度合いに応じて次の3期に分けられます。

 

1)慢性期

白血球数の増加は見られるが、白血病細胞となる未熟な「芽球(がきゅう)」の数はまだ増加していない。基本的には無症状である。


2)移行期

骨髄や抹消血中に芽球数が増加する。抗がん剤など化学療法による治療が困難になる。脾臓の腫大など明らかな症状が見られる。移行期を経ずに急性期に移行する場合もある。


3)急性期

骨髄や抹消血中の芽球の割合が30%程度に増加する。骨やリンパ節に腫瘤が見られる場合もある。化学療法による治療は困難である。

 

移行期、急性期においては白血病細胞が抗がん剤などの化学療法に対して抵抗性を示すことが多く、治療を施すべき時期は慢性期であるということになります。では、具体的に分子標的薬を使用しての治療法とはどのようなものでしょうか?


分子標的薬を使用する治療法とは?

 

まず白血病細胞が存在しているかを判断するための検査として「染色体検査」があります。細胞中の遺伝子の格納庫である染色体に、「フィラデルフィア染色体(Ph染色体)」という異常細胞が存在しているかをチェックします。フィラデルフィア染色体は、9番と22番染色体にあるABL遺伝子とBCR遺伝子という2つの遺伝子が途中で切断され、1つの遺伝子として形成(BCR-ABL遺伝子:キメラ遺伝子)されるというものです。

 

この遺伝子が細胞中に見つかれば、白血病細胞であると確定することが出来ます。確定が出来れば、治療薬の1日1回の内服薬の投与を行います。異常染色体は、正常細胞とは異なり「BCL-ABL融合タンパク」という特異的なタンパク質を産生します。分子標的薬は、片側のABLタンパクに結合し、その機能を阻止します。

 

分子標的薬の欠点とは?

 

分子標的薬は、副作用も少ないので、非常に有用ですが、欠点としては服薬を途中で中止できないことにあります。完全に白血病細胞を除去することは難いと言われており、生涯服用することになる場合もあります。万が一細胞が分子標的薬に耐性を持ち、薬が効かなくなってしまった場合は、造血幹細胞移植が必要になります。

 

最後に

 

抗がん剤など化学療法では、難治性の副作用などが出る場合が多く、その代替薬として登場した分子標的薬ですが、その有効性には信頼性があるものの、やはり生涯服用を続けなくてはいけない可能性もあるなど、まだ課題は多いように感じました。ですが、近年白血病治療の研究は急速に進んでおり、ペプチドを使用した治療薬など新たに期待が出来そうな新薬が治験の段階に入っているようです。分子標的薬はその服用の継続性を除けば、非常に有用である薬です。新薬の認可を待ちながら、継続治療を行うことが望ましいようです。

 

(Photo by://pixabay.com/ja/%E6%8F%B4%E5%8A%A9-%E5%8C%85%E5%B8%AF-%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB-%E3%82%AB%E3%83%97%E3%82%BB%E3%83%AB-%E7%B7%8A%E6%80%A5-%E6%A9%9F%E5%99%A8-%E6%9C%80%E5%88%9D%E3%81%AE-%E5%81%A5%E5%BA%B7-15537/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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