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胸腺の仕組みを知ることで、重症筋無力症を理解する

 

 

胸腺の仕組みを知ることで、重症筋無力症を理解する

 

重症筋無力症をもたれている患者さんの体験談や手術の様子などをブログにて拝見させて頂いたことがありますが、本筋の治療と合わせて、胸腺(胸骨の奥に存在するハート型の臓器)の摘出手術をされているケースが多く見られました。では、この胸腺と重症筋無力症の関係とはどの様なものなのでしょうか?インターネットのサイトにて、このテーマに関して非常に分かりやすく解説をしておられたページがありましたので、そちらを参考にご説明したいと思います。

 

まずは、胸腺について説明する前に、重症筋無力症と深いかかわりのある「抗体」について説明したいと思います。

 

抗体について

 

重症筋無力症の発症のプロセスはどのようなものでしょうか?

簡単に説明すると、神経伝達物質であるアセチルコリンの受け皿である「アセチルコリン受容体」を誤って攻撃(自己攻撃)してしまうことによって、神経伝達が上手くいかなくなり、全身の脱力、倦怠感などの症状が現れるというものです。その自己攻撃を行っている抗体を「抗アセチルコリンレセプター抗体」と言い、この抗体が抗原(本来であれば病原体、ここではアセチルコリン受容体)と結合して対象を認識し、マクロファージなどが攻撃を行います。

 

どのようにして抗体がつくられるか?

 

抗体がどのようにして作られているかというと、リンパ球によって作られています。リンパ球は「Tリンパ球とBリンパ球」の2種類が存在しますが、抗体は主にBリンパ球によって産生されます。また、Bリンパ球自体にも抗体があり、その抗体に外敵(抗原)が結合することによって、Bリンパ球が増殖・活性化し、その活動が細胞外にも広がって体全身に抗体が行き渡ることになります。では、Tリンパ球は何をしているのかというと、同じく抗体を持っているので、その抗体に外敵である抗原が結合するとB細胞に対してもっと抗体を作り出すように命令します。B細胞とT細胞の2つが協力して、抗体を十分に産生することが出来ると言えます。

 

<まとめ>
重症筋無力症の原因は、抗アセチルコリンレセプター抗体がアセチルコリン受容体を抗原として認識し、免疫細胞が自己攻撃を行うことによって引き起こされる。
Bリンパ球とTリンパ球の共同作業により、体内に十分な抗体が産生されている。

 

ここで疑問なのが、無数にある抗原に対し、抗体はどのようにそれに応じた形を用意するのかということです。

 

抗体は抗原を認識した瞬間に作られているのか?

 

抗体が抗原を認識できるのは、抗体は一つ一つが様々な形を持っており、それに抗原がぴったり当てはまることで正しく認識がされます。では抗原はその数が無数であるのに対し、抗体はどのように対応しているのかということですが、長らく信じられていた説が「抗原が体内に侵入してきた時点で、抗体を即座に作る」というものでした。


しかし、それは誤りで正しくは「事前にランダムに抗体を作っておく」ものであるということが明らかになりました。ですので、抗原が抗体と合致するのは、確率的なもので抗原を認識した後作られたものではないということです。しかし、ここで問題なのが、ランダム作られた抗体の中には、どの抗原にも当てはまらないものや、自己攻撃を行う抗体までもが混ざっていることです。また、通常であれば、このような誤産生された不要な抗体は胸腺で除去されるものですが、胸腺に異常があるときは、この作用が上手く働きません

 

<まとめ>
・Bリンパ球は抗原を認識する以前にランダムに抗体を作っている
・本来であれば胸腺によって取り除かれる自己攻撃を行う抗体が、胸腺の異状により取り除くことが出来ない状態にある。

 

重症筋無力症の患者の胸腺

 

重症筋無力症の患者さんの胸腺を摘出し、顕微鏡で見てみると通常の胸腺には無い「胚中心」という楕円形の構造物がたくさんあるそうです。これは、B細胞が刺激を受けて増殖したものがタマネギのように層状になったもののようです。
この胚中心でB細部の選別が行われているようですが、何らかの機能の異常によって、自己攻撃を行うB細胞などが選ばれ成熟しているのではないかと考えられています。

 

どのような人に胸腺摘出手術は有効か?

 

この胸腺摘出手術がどのような患者さんに有効か、ということですが、主に若い患者さんで胸腺に胚中心が多く見られ、抗アセチルコリン受容体抗体反応が陽性、症状が強く日常生活に支障をきたすような場合、最も改善効果が見られたとのことです60歳以上の方になると、胸腺が萎縮した状態になっているので、摘出してもあまり効果が無いと考えられているようです。

 

最後に


胸腺はリンパ球を選別している場所であるのに、摘出して構わないんだろうかと思われるかもしれませんが、胸腺を利用しているのは通常子供だけで、大人になると他の場所で選別を行っているとのことでした。ですので、手術対象に該当すれば症状が改善することは大いに見込めるということです。

 

(Photoby://pixabay.com/ja/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%92%E5%86%8D%E7%94%9F-%E5%9C%B0%E5%9B%B3-%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B9-%E5%BF%83-%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3-%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88-%E8%82%BA-%E8%87%93%E5%99%A8-112868/) 

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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