カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. ガン・悪性腫瘍 >
  3. 多発性骨髄腫 >
  4. サリドマイド(多発性骨髄腫)治療のメリット・デメリットとは?

ガン・悪性腫瘍

サリドマイド(多発性骨髄腫)治療のメリット・デメリットとは?

 

従来の抗がん剤より副作用の少ない『サリドマイド(多発性骨髄腫治療薬)』とは?

 

多発性骨髄腫は、骨髄において発症する、白血病などと同じ造血器官における「がん」です。腫瘍性の形質細胞(リンパ球が成熟したもの)が増え、そしてその産物であるMタンパクという異常を生じた抗体が大量にあらゆる組織に発現します

 

多発性骨髄腫の症状として、多いものには骨病変、易感染症、腎障害などがあります。従来の治療法といえば、MP療法と呼ばれる、抗がん剤(アルケラン)とステロイド剤(プレドニゾロン)を併用して使用する化学療法が一般的でしたが、近年新薬として登場した『サリドマイド』骨髄腫治療初の分子標的薬として大変期待が寄せられています。

  

サリドマイドは今から50年前、サリドマイド事件妊婦が睡眠薬としてサリドマイドを服用すると、四肢に異常がある奇形児などが生まれた事件)という薬害事件により数十年間販売が中止になっていました。しかし、新たな研究により骨髄腫の増殖を阻害する作用があるとして、新たにその効能が見直されました。サリドマイドは従来の抗がん剤などと比べ、正常細胞を傷つけないので副作用が少ないのが利点です。

 

 

どのような作用があるか?

 

サリドマイドの作用に関しては次の4点があります。


骨髄腫細胞」や「骨髄間質細胞」に直接作用し細胞増殖を抑制したり、細胞死をまねく


骨髄腫細胞が骨髄間質細胞接着する(効率よく増殖する)のを阻害する

 

骨髄細胞腫や骨髄間質細胞インターロイキン6(骨髄腫細胞が効率よく増殖しやすい物質)を産生するのを抑制する


VEGF血管内皮細胞増殖因子:血管新生の原因となる内皮細胞の増殖を行う)やBFGF線維芽細胞増殖因子VEGFの増殖をサポートする)の2つの物質を抑制し、(がん細胞増殖の原因となる)血管新生を抑制する

 

 

副作用とは?

 

サリドマイドの副作用には以下のものがあります。

 

1)眠気・めまい
2)末梢神経障害:長期間の使用によっては、多発性神経炎(軽いピリピリした刺激、感覚異常~重度では強い痛み)のような症状を呈する場合がある。
3)便秘
4)発疹
5)白血球減少
6)体重減少など


(※重篤な薬害被害を避けるため、当薬剤を服用中は妊娠は禁忌である。他人への譲渡も行ってはいけない。)

 

<処方されるに当たって、登録手続きが必要>

 

日本ではすでに多発性骨髄腫治療のサリドマイドの処方は保険適用になっており、医師からサリドマイドを処方される際は「サレドカプセル-患者さん用パック」という説明資料や安全使用のための書類等が配布されます必要書類と登録用紙をファックスにて送り、返送される確認用紙を持って医師に処方箋を貰い、それから薬局で薬を処方してもらうという流れになります。

 


費用について


通常、安全管理の費用も含めて薬価は高額であり1カプセル(100mg)6,570円であると言われています。

 

◆保険適用では、1ヶ月59,000円程度と言われています。

(2009年時点の情報であり、現在の薬価についてはお確かめください)

 

 

最後に

 

骨髄腫の治療薬としてのサリドマイドの効果は、従来の治療法と比べ非常に有効で、特に難治、再発に対する効果は数多く報告されているようです。処方までの手続きなどは煩雑であり、薬代も安価であるとは言えませんが、ある患者さんが書かれていたブログによると、過去にはサリドマイド薬は個人輸入によって入手され、全額を実費で支払うことを余儀なくされていたようです。日本国内の保険適用が行われた背景には、日本骨髄腫患者の会の方々の長い努力があったと書かれていました。今後は、更なる改善を期待したいと思います。

 

 

(Photo by://pixabay.com/ja/%E5%8C%BB%E7%99%82-%E8%96%AC-%E9%8C%A0-%E6%B3%A8%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B-%E3%82%AB%E3%83%97%E3%82%BB%E3%83%AB%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC-%E7%97%85%E6%B0%97-41834/)


 

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-27掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

多発性骨髄腫に関する記事

血液の癌である多発性骨髄腫と原発性マクログロブリン血症

  血液の癌というものをご存じでしょうか。 様々な臓器が癌化することは誰も...

多発性骨髄腫の補助療法

  血液検査での高γグロブリン血症の発見や、著しい腰痛などの受診で発覚する...


日常生活で気をつけること:多発性骨髄腫

  多発性骨髄腫という病気をご存知でしょうか。   赤血球や白血球、リ...

年齢によって異なる多発性骨髄腫の治療

多発性骨髄腫とその一種である原発性マクログロブリン血症は、高齢者に特に多発する...

カラダノートひろば

多発性骨髄腫の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る