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拒食症は睡眠障害も引き起こす? 拒食症が身体・生活に及ぼす影響とは?

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■拒食症は睡眠障害も起こす

拒食症の人は睡眠が浅くなるのが普通です。

やせているのだからせめて睡眠ぐらいはたっぷりとってほしいところなのですが、睡眠が浅くなるのも、生物としては合理的なことと言われています。

 

飢餓状態のときには、栄養がとれる機会にはいつでも気づくように、睡眠が浅くなっているのではないかと考えられるからです。

また、冬山で遭難したときに眠ってしまうと危ないのと同じで、身体は自らを守るために深く眠りこまないようにしているのかもしれません。

 

そのような「合理的な」不眠ですから、一般に、睡眠薬はあまり効きません。

十分な効果を示すまで睡眠薬を増やしてしまうと、今度は呼吸に負担がかかって命にかかわりかねません。

 

拒食症のときの不眠は、つらいことだと認めると同時に、体重が回復しない限り治らないものだということを認めるしかないようです。

 

■そのほかの問題

そのほかにも、低栄養にともなう問題がたくさん起こってきます。

 

命に直接かかわるのは、低栄養により血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れ、不整脈から突然死につながるというケースです。

嘔吐や下剤乱用を伴う場合にはますます注意が必要です。

 

また、貧血になり、白血球が減ることも多いですので、感染症のリスクは増します。

肝機能障害が起こることも多いです。

 

覚えておいたほうがよいのは、拒食症のときにはコレステロール値は「上がる」ということです。

ダイエットをしているのにコレステロール値が高いからもっと減らさなければ、と思う人や、体重を増やそうと思うけれどもこれ以上コレステロールが上がるから増やすのに躊躇している、という人もいます。

 

これはまさに「まやかし」なのですが、コレステロール値が高いのは、見かけ上のことです。

実際にはもちろん脂肪分は足りていません。

やせたことの影響で、コレステロールの代謝が変化し、血液中で測定されるコレステロール値が高くなるだけのことです。

コレステロール値が高くても、脂肪分をとることでコレステロール値は下がる、ということを忘れないでいたいものです。

 

全体に低栄養になりますから、消化吸収機能も落ちます。

消化管の動きも悪くなりますから、多くの人が便秘になります。

また、ホルモン異常により脱毛が起こったり、産毛が増えたりします。

 

体重が少なくなると、拒食症の人は集中力が低下し、病的なとらわれがひどくなります。

体重が極度に減ってしまうと、文字通り食べ物と体重の話しかできなくなることも多く、脳がほかの活動をするエネルギーすらなくなってしまったのかと思わされます。

 

この状態になると治療的なやりとりが成立しなくなり、ある程度の強制栄養治療が必要になります。

なお、拒食症の人に脳の画像診断(CT,MRI)をすると、脳は萎縮していることが多いですが、体重が回復すれば、その多くがだんだんと正常に回復します。

 

嘔吐によって、ミネラルが失われるとどうなる?

拒食症の人は食べ物を極端に食べなくなることもありますが、一方で食べたものを嘔吐によって出してしまうと言う行為をすることがあります。本来であれば体は摂取した食べ物から栄養を吸収して体を動かすエネルギーにしたり、体を作るもとにしたりするのですから、嘔吐は体の働きに反した行動をしていることになります。

 

嘔吐症状によって体内から排出されるものはそのときに摂取した食べ物だけではありません。食べ物と共に体にとって重要なミネラルなどの成分も排出しており、嘔吐を繰り返すことによって体の中のミネラルがどんどん失われていくことになります。

 

●ナトリウムが減ると

重要なミネラルの一つにナトリウムがあります。ナトリウムが体から大量に失われると、体は正常な体の機能を維持できないと危機感を感じで、体の中にナトリウムを蓄えるような仕組みを作ります。

 

しかし、この仕組みができたときに嘔吐を中止する(拒食症の嘔吐症状は波がある)と、体の中に異常に溜まったナトリウムがむくみを起こします。嘔吐をやめた途端にむくみが見られたら、頑張って嘔吐をやめたとしても、むくみが嫌で再び嘔吐の方向に気持ちが傾いてしまいます。

 

●カリウムが減ると

ミネラルの一つのカリウムは体にとって大切な電解質の一つで、筋肉の働きに重要な役割を果たしています。そのためカリウムが減ると全身の倦怠感を感じるようになります。

 

また、体の中の筋肉は何も体の表面にあるものだけではなく、内臓も筋肉でにも及びます。その代表は心臓で、カリウムが減少すると心筋に影響を与え、動悸や不整脈、時には重い心不全を引き起こすことがあります。

 

嘔吐症状は上記のように、食べ物からの栄養が摂取できないだけの話ではありません。拒食症患者本人はこうした危険に対して自覚は出来ませんから周囲の人は理解しておくようにしましょう。

 

拒食症が「身体」に及ぼす影響って?

拒食症は、身体にさまざまな影響を及ぼします。

その中でも特に注意が必要なものを説明します。

 

これを読んで「そんなに身体に悪いのなら体重を増やさなければ」と気づいてすぐに体重を回復させられる人は、そもそも病気と呼べる水準ではありません。

 

これだけ身体に悪いとわかっていてもやめられない、というところに病気の本質があるということを理解していただきたいです。

 

■無月経と骨粗鬆症

拒食症は、そもそもの診断基準に「生理が3回続けてないこと」が入っていますので、無月経は必須の症状です。

 

「生理はあると面倒くさいからいらない」「子どもはいらないから生理もいらない」

などと思っている人もいますが、生理がないことの最大の問題は骨です。

妊娠や出産については、拒食症が治り、生理が回復すれば、その能力も戻ってくるのが普通です。

 

しかし、骨への影響は「取り返しがつかない」性質のものなのです。

生理がない状態が続くことによって、骨粗鬆症を起こしやすくなります。

骨粗鬆症になるとちょっとしたことで骨折しやすくなります。

 

思春期の早い時期に拒食症になった場合は、背が伸びなくなります。

背は伸びる時期にしか伸びませんから、この影響は固定的になります。

また、拒食症が治って生理が戻ってきても、骨が回復するのには長い時間がかかるといわれています。

 

■生理が来なくなるのは生体防御反応

拒食症の人の中には、産婦人科でホルモン治療を受けている人がいます。

しかし、薬で生理を起こすということは、検査という目的以外には実はあまり意味がありませんし、人によってはむしろ有害に働きます。

 

というのも、拒食症で生理がなくなることには意味があるからです。

 

拒食症のときの身体は、限られたカロリーを、生き延びるために使おうとします。

生理は「生き延びるため」よりはワンランク上の活動です。

ですから、そういう贅沢なものにはエネルギーを使わないようにしている、というのが拒食症の時の無月経です。

これもひとつの生体防御反応です。

 

そこに薬で無理やり生理を起こしてしまうと、体重が減ってしまう人もいます。

また、研究データからは、拒食症の人に薬で生理を起こしても、骨にプラスの効果はないことが示されています。

 

神経性無食欲症(拒食症)の制限型では、過食に反転する可能性も

一般的に拒食症と言われる摂食障害は、本来は神経性無食欲症と言います。この神経性無食欲の中には制限型というものがあります。

 

制限型神経性無食欲症の症状

制限型とは名前の通り、食べることを制限することによって、食を拒否することを指します。

 

制限ですから何も食べないということではなく、カロリーがほとんどないもの、極端に低いものだけを食べたり、飢えをしのぐくらいの感覚で非常に少量の食べ物しか食べないと言った症状が見られます。

 

本来ならば食べないことは生命維持を困難にすることですから、食べたいという欲求が出てきます。しかしそれを気持ちで押さえて、食べることを拒否するのが拒食症なのですが、それでも生きていなければいけませんので何かは食べているのですが、一般的な量からするとかなり少ないです。

 

制限の原因

このタイプはダイエットの失敗や体型に対するコンプレックスが原因のほとんどであるとされています。痩せたいときにちょっとカロリーを制限したり、食事を減らしたりすることはあると思います。これがだんだんとエスカレートしていくにつれて、食事制限が過酷なものになってしまうのです。

 

急速に痩せる

食べ物をほとんど胃にも入れないわけですから、制限が続くとどんどん痩せていきます。ひどく痩せ細って見え、周囲から見ると痛々しく、見ているのさえつらくなってしまうくらいになります。

 

過食に反転する制限型

制限型の怖さは、反動が起こったときに神経性大食症(過食症)になることがあるところにあります。

 

過食も拒食も精神的な原因は同じですが、食べ過ぎたり、食べなさすぎたりを繰り返すことによって体への負担は大きくなりますし、この状態になると、食べない状態だけよりも回復が余計に難しくなるのです。

 

 

極端に食べ物を体に入れないと言う段階で、速やかに病院を受診するべきです。

 

拒食症が生活に及ぼす影響は?

■運動強迫

「拒食」は体重が増えることへの恐怖ですので、その恐怖を解消するためにはあらゆる努力をします。

 

また、「拒食」になる人は、もともと「続ける」ということが得意な人が多いので、ひとつの習慣が始まるとそれは果てしなく続き、「もっとやらなければならないのではないか」と次第にエスカレートしてくるものです。

 

そのひとつの形が運動強迫です。

運動は適量であれば心身に気持ちがいいものですが、「拒食」のときの運動は気持ちがよいというレベルのものではありません。

 

運動をし続けなければならないということも苦しいし、運動を減らすことも不安で苦しい、という板挟み状態の中で、延々と運動を続けていかなければならない、というのが「拒食」のときの運動です。

身体がどれほどきつくても運動を休めない、というのはかなりつらいことです。

 

また、運動に相当の時間をとられるために自由にスケジュールを立てることができないという縛られ感も強いのです。

就職や通学ができない理由が「運動」という人も少なくありません。

 

■人間関係

「拒食」があると、人と一緒に食べることができませんので、社会生活にそれだけ制限ができてしまいます。

 

就職したのはよいけれども、昼食の時間をどうやって不自然なく過ごすか、ということに真剣に悩んでいる人も少なくありません。

食べることなどできないけれども、食べないことが「変に思われる」ということも十分にわかっているのです。

 

だれかと親しくなりたいという気持ちはあっても、その付き合いの中で必ずや出てくるであろう「一緒に飲み食いする」というシーンを考えると、だれとも親しくなれない、と孤独に悩んでいる人もいます。

 

「人に食べさせたがる」「人が食べるものを気にする」

というパターンが出てくる人も少なくありません。

相手は主に母親など、身近な人が多いです。

自分は食べ過ぎているのではないか、体重が増えているのではないか、ということを常に恐れているので、身近な人が自分よりも食べないと不安で苦しくなるのです。

 

本人にとっては不安の表現のひとつの形なのですが、まわりの人からすると食べたくないときに食べさせられるので「付き合いきれない」と感じられることが多くなります。

 

強迫症状は本人にとっても「縛られ感」ですが、周囲にとっても「縛られ感」をもたらすものです。

 

ここで忘れてはならないのは、本人が決してそれを好きでやっているわけではないということです。

本人にとっても苦しいことなのです。

 

なお、家族に食べさせたがる全ての患者さんがこの例に当てはまるというわけではなく、中には本当に料理が好きで食べさせているという人もいますので、一概に「食べさせたがるのは病気」と決めつけるのではなく、症状を理解する一助としてください。

実際に、拒食症の人で本当に料理好きな人は多いものです。

 

「過食」が及ぼす影響

■「過食」が及ぼす影響

「過食」は基本的に自分でコントロールできるものではありませんし、時間がかかるものですので、日常生活の時間を不本意に食っていきます。

 

翌朝早いことがわかっていても、夜中の過食が止められず、身体は疲れ切る、というようなことも珍しくありません。

症状がひどくなると、朝に出かけなければならない日でも朝から過食が始まってしまい、結局出かけられなくなる、ということもあります。

それがひどくなってくると、仕事や学校を続けることができなくなってしまいます。

 

学校や職場には通えていても、休日は何回も過食を繰り返してほとんど一日中過食、という人もいますし、学校や職場から帰ったあとは、ほぼ間違いなく過食になります。

宿題や家事などやらなければならないことは基本的に後回しになりますので、無理のある生活になり、だんだんとまわらなくなってきます。

そして、そのことへの不安や焦りや罪悪感で、ますます過食がひどくなる、という悪循環に陥ってきます。

 

■「過食」の人は自分を責める

「過食」の人は、基本的に自分の症状を恥じていますので、過食を人から隠そうと必死です。

そしてそこには常に罪悪感がつきまといます。

 

例えば、人と約束していても過食がひどくていかれなかった、というようなときには、約束があるのに過食をしてしまった自分を責め、いかれなかった言い訳のために嘘をつく自分を責めてしまいます。

そんなことを繰り返しているうちに「どうせ約束しても守れないから」と引きこもってしまう人もいます。

 

■経済的な影響

多くの人が困っているのは、経済的な問題です。

過食にはとにかくお金がかかります。その食べ物の量が半端でないからです。

 

「非排出型」の人はまだましですが、嘔吐のある人は、とにかく多くの量を食べることになります。

ひとり暮らしで会社勤め、という若い女性にはなかなかまかなえない額です。

多くの人が親や配偶者に過食代を援助してもらっていますが、「せっかく稼いでくれたお金を、ただトイレに流している」と自分を責めていることがほとんどです。

 

摂食障害、拒食症!嘔吐で減少するセロトニン・・・それに伴う悪循環とは?

拒食症の中でもダイエットがきっかけで拒食症を発症した人や、痩せたい願望が強い人、食べたいんだけれども太りたくないと言う気持ちが強い人は食べてしまっても、それを吐き出してしまえば太らないはずという思い込みで食後の吐き戻しをする習慣ができ上がってしまいます。

 

セロトニン

拒食症のように摂食障害の人は脳のセロトニンに障害があるという考え方があります。セロトニンとは脳内で分泌される神経物質で、生体リズムや睡眠、体温調節などに関与しています。このセロトニンは適度に分泌されることによって気分を落ち着けたり、癒されたりする効果があります。

しかし一方でセロトニンが不足するとドーパミンの効果が優位に分泌されてしまい感情が抑えられなくなったり、気分が高揚したり、イライラしたりしてしまいます。

 

拒食症とセロトニン

このセロトニンは無理な食事制限やおう吐の繰り返しによって、体内の分泌量が減少してしまいます。拒食症の人はやせていても非常に活発的で、異様に元気であると言う症状があります。これはセロトニンが減少してしまうことによって起こることで、他にもセロトニンが減少すると食欲を抑えることもできずに過剰に食べてしまいます。

 

悪循環に

こうなるともう悪循環になって、食欲が抑えられずに食べてしまい、その罪悪感からまた嘔吐を繰り返すことになります。これによってさらにセロトニンの不足が進み、快楽を感じさせるドーパミンの効果が強くなっていきます。これが進んでいくとやがては嘔吐していくことに快感を感じてしまうこともあるのです。

 

自分の意思の下で嘔吐したり、無理やり吐き出そうとしているときはまだ吐き戻しをやめることも出来る段階なのですが、症状が重篤化していくにつれて、それができない段階に進んでしまうところが恐ろしい部分です。

(Photo by http://stress.e-jikokeihatsu.com/insomnia.html )

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-08掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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