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重症筋無力症と血漿交換療法

 

重症筋無力症と血漿交換療法

 

重症筋無力症という病気をご存知ですか?この病気は、神経伝達物質の伝達が上手くいかないことが原因で、体に力が入らない、疲労しやすい、しゃべりにくいといった初期の症状から、四肢麻痺、歩行障害、さらにはクリーゼという呼吸障害が生じ、重症の場合呼吸停止に陥ることもある病気です

 

神経伝達が上手くいかない理由は、通常アセチルコリンという神経伝達物質が、その受容体であるアセチルコリン受容体に結合することで情報が伝わるのですが、重症筋無力症の場合、2つの間に抗アセチルコリン受容体抗体が入り、結合を阻害してしまうことによって起こります。神経伝達が上手くいかないと、筋肉が正しく動きませんので、この病気のような力が入らない、といった症状が起こるというわけです。

 

治療法のひとつ、血漿交換療法とは?

 

血漿交換療法と言うと、透析を思い浮かべられるかもしれませんが、原理としては同じです。異なる点としては、ろ過するのが老廃物ではなく、グロブリンというタンパク質です重症筋無力症の原因である抗アセチルコリン受容体抗体はこのグロブリンの一種ですので、これを除去すればよいということになります。この機器の種類としては、3種類のものがあります。


1)単純血漿交換
2)二重濾過血漿交換
3)血漿吸着療法


それぞれ異なった吸着管があり、患者さんの疾患に応じて機器が選択されます。

 

1)単純血漿交換:体外へ取り出した血液を、血漿分離膜を介して血球と血漿に分離します。血漿の方を廃棄し、代わりに新たな血漿又はアルブミン溶液を補充して体内に戻します。


<特徴>
(FFP:新鮮凍結血漿を使用の場合)病因物質を含む自己の血漿成分全てを排液することになる。

 

<デメリット>
他人の血漿を使用するため、感染等の可能性がある。
微小凝集物の混入による副作用の可能性がある。
貴重かつ高価なFFP(新鮮凍結血漿)が大量に必要。
体外循環による血圧低下などの一般的副作用が起こる可能性がある。


2)二重濾過血漿交換:体外へ取り出した血液を、血漿分離膜を介して血球と血漿に分離し、血漿の方を更に血漿成分分離器を用いて原因物質を除去し、アルブミンなど有用なタンパクは患者さんに戻すという方法です。


<特徴>
少量の補充液(減ってしまった液の補充)で治療を行える。
アルブミン溶液(血漿製剤)を補充液として使用するのでFFP(新鮮凍結血漿)使用の血漿交換療法に比べ感染等の可能性が少ない。(FFPはウイルスが不活化されていない
穴の大きさの違う血漿成分分離器を使い分けることで、除去する血漿蛋白の範囲を変えられる。

 

<デメリット>
アルブミンの損失が多少ある。
膜の穴による分離法のため、必要タンパクも除去される可能性がある。
体外循環による血圧低下などの一般的副作用が起こる可能性がある。

 

3)血漿吸着療:体外へ取り出した血液を、血漿分離膜を介して血球と血漿に分離し、血漿の方を特定の吸着器に通し、選択的に(化学的に結合させることで)原因物質を除去するという方法です。

 

<特徴>
補充液(減ってしまった液の補充)の必要がなく感染の可能性がない。
特異的・選択的(化学的な結合により)な吸着により、病因物質を除去可能。
疾患によって吸着器の選択が可能。

<デメリット>
体外循環による血圧低下などの一般的副作用が起こる可能性がある。


どの方法が最も効果的か?


あるインターネットのページに載っていた、神経内科の先生のお話では、「基本的に使用されるのは、二重濾過血漿交換と血漿吸着療法だが、どちらが良いかと言えば、やや二重濾過血漿交換の方が少し効果が大きいと思われる。一方患者さんの体に負担がかかるのも二重濾過血漿交換の方である。アルブミン製剤を点滴しなくてはいけないため。」文献的にはほぼ効果は同じであるとされているようです。

 

最後に

 

血漿交換療法が使われるのはどういったときかと言えば、急性増悪期に使用されるのが一般的なようです。以前重症筋無力症の患者さんが書かれていたブログを読ませて頂いたとき、四肢の脱力症状で、首も座らないような状態のとき、この血漿交換療法を使われると一時的ではありますが軽快されたという記憶があります。ただやはり、根本的な治療を行うとなるとステロイドや胸腺摘除術が主になってくるということです。

 

(photo by://pixabay.com/ja/%E8%A1%80%E6%B6%B2-%E8%A1%80%E6%BC%BF-%E8%B5%A4%E3%81%84%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%B4%B0%E8%83%9E-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%BA%E3%83%9E-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87-%E3%81%8A%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E3%81%AB-%E8%A1%80%E6%B6%B2%E7%B4%B0%E8%83%9E-75302/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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