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症例から学ぶアレルギー性血管炎について 症状による分類や治療、副作用など

アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)

チャーグ・ストラウス症候群という病気をご存知でしょうか?

この病気は、気管支喘息などのアレルギー性呼吸器疾患などの発症ををきっかけに、その後3年以内に白血球(好中球)の大量増加とともに血管に炎症が生じる病気です。詳しい原因は未だ不明であります。この病気を持つ患者数は、日本国内においては毎年新規で100人ほどが羅患していると言われ非常に珍しい病気で、推定総数は約1800人であると言われています。

 

症状としては、気管支喘息の発作、末梢神経の炎症による手足のしびれ、関節痛、筋肉痛、潰瘍、体重減少などです。時には、脳出血・脳梗塞、心筋梗塞など重大な病気を引き起こすこともあります。

 

インターネット上のサイト内で、チャーグ・ストラウス症候群を発症し、その経緯をブログに綴っておられる患者さんがいらっしゃったのですが、実際の体験談を読ませて頂くとステロイド薬の副作用を強く受けられており、症状は想像していたものよりずっと壮絶なものでした。

その方は、気管支喘息の持病を持っていて通院を行っていたのですが、感覚神経の異常と足の強い痛みに違和感を覚え、症状初期の段階で診断を受け入院後すぐにステロイド療法を行ったそうです。

最初に行われたのは「パルス療法」という治療法です。緊急を要するが、一度にステロイドを大量投与できない際に使用されます。投与量は一日500mg~1000mg(普通のステロイドの錠剤は1錠2.5mg程度ですので)を、点滴で3日間投与します。

これが行われた後、数日後に通常のステロイド剤(メドロール)になり現在は徐々に薬の量を減量されているとのことでした。

 

本来のチャーグ・ストラウス症候群の痛みに関しては、日を追うごとにましにはなってきているものの、問題なのはステロイド剤の副作用の方でした。

 

ステロイド剤の副作用

その患者さんは、ステロイド治療を開始して1ヶ月程度で、血糖値・コレステロール値上昇、筋肉低下、ムーンフェイス、中心性肥満、免疫力低下、皮膚硬化などの副作用が実感できる程度に発症したようです。しかしその方は常に元気で、病状が進行するにつれ色々症状が出てくるのですが、落ち込むことなく淡々と受け入れ(文章ですのでそう見えるだけかもしれませんが)、お仕事も精力的に今までとほぼ変わりなく海外出張をこなされていました。

 

骨粗しょう症の発症に関しては、この時点では問題が無かったようですが、2年目くらいになると骨密度の値が低値になり、予防のためビスフォスフォネート剤 (ベネット錠)という骨の流出を防ぐ錠剤の投薬を開始されました。

その後半年程度が経過すると、今度は「白内障」の症状が出てきたので手術をされ、さらに半年後、骨頭壊死症という関節を破壊する症状を発症され、人工関節に置き換えることを決意され、現在に至っています。

 

ステロイド薬の副作用を予防するには?

ステロイド薬を長期間使用することで、上記のような様々な症状が発症してしまいます。

中でも、プレドニン5mg程度の小量な投与でも発症しやすい骨粗しょう症などに関しては、対策を行う必要があります。治療薬としては、カルシウム剤や活性型ビタミンDやアレンドロネートなどの薬が一般的なようです。また、内服薬よりも外用薬の方が副作用が少ないため、ステロイドの回数を徐々に減らし、関節注射を行うなどの方法もあります。

 

最後に

ある日突然病気を発症し、緊急搬入され、ステロイド薬の大量投入など、選択の余地もなく自分の意思もないまま進められる中で、何とか受け入れ闘病しようと思っている方にとって、ステロイド薬の重篤な副作用はなぜ…と感情のぶつけどころが無いような落胆があると思います。

 

ステロイド薬の軽度な副作用は防げる方法はあっても、大きな症状ほど、事後療法しかない、というのが現状です。近年では、ステロイドに変わる新薬と期待されている選択薬の「プロトピック」がステロイドのような副作用が出ず、同様の効果が出ると好評でしたが、もともとの作用が手術後の抗炎症薬であるため、免疫力が下がります。そうすると発ガンに繋がるのではないかという見解が、今のところ使用者さんにも引っかかっているところのようです。近年様々な新薬が急速な速度で研究、製造されていますので、引き続き情報を集めることを行って行きたいと思います。

 

自己免疫性血管炎治療*ステロイド薬の副作用を知る大切さ

ステロイド薬の副作用を知る大切さ

前回に書かせて頂いた記事に引き続き、チャーグ・ストラウス症候群など、難治性の自己免疫性血管炎などは治療法といえばやはりステロイド剤が一般的です。副作用がある、と分かっていても実際は個々の副作用についてあまり詳細を得ても仕方がないという考えから知らずにいる方もたくさんおられると思います。

しかしやはり自分の身は自分で守るべきであり、各症状に対する知識があるだけで、早期発見と早期治療に繋がり、健康が保てる要因にもなります。折角訪れて頂いた際には是非、読んで知ってみてください。

 

<一般的に見られる副作用症状とその対策>

1.感染症

免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる。弱毒菌と呼ばれる、健康な人には通常感染しないような弱い菌の感染が起こる場合があるが、非常に治りにくい。

(対処法:通常人ごみを避ける、睡眠を良く摂る、手洗いやうがいをするなどの方法で対処するが、高齢者など特に感染症に注意が必要な場合、感染予防の投薬を行うことがある)

 

2.骨粗しょう症

カルシウム流出により、骨密度が低下し骨折しやすくなる。

(対策:長期のステロイド使用の場合、ビスフォスフォネート剤というカルシウム流出防止の投薬を行う。その他カルシウムやビタミンD製剤の投与や食事療法によるカルシウム強化メニューなど。適度な運動も骨の強化に必要である。)

 

3.消化性潰瘍

消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)が発症する場合がある。

 

(対策:一般的に胃酸の分泌を抑制する抗胃潰瘍薬が処方されることが多い。自分で出来る対策には、カロリーを控えた食事、喫煙をしない、ストレスの改善などを行う) 

 

4.高脂血症

 脂質の分解促進により血中コレステロール値が上昇する。長期にわたりこの状態が続くと、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞などの発症に繋がる恐れがある。

(対策:食事管理により、n-6系不飽和脂肪酸を控え、n-3系不飽和脂肪酸を積極的に摂取する。喫煙やアルコールは控える。適度な運動も必要。)

 

5.糖代謝異常

インスリンの分泌抑制効果から、血糖値が上昇する。長期にわたると糖尿病発症に繋がる。

(対策:炭水化物や糖類の摂取を制限するなどの食事管理や、適度な運動が必要。投薬の場合は、インスリンの自己注射を行ったり、ブドウ糖吸収阻害薬を用いたりする) 

 

6.クッシング徴候

ある一定以上のステロイド薬を使用していると(プレドニゾロンなら5mg~10mg以上/日)クッシング症候群の徴候が出てくる。ムーンフェイス、野牛肩、中心性肥満、筋肉低下による手足のやせ、多毛、発疹など。

(対策:投薬量を徐々に減量していくことで、症状も治まってくる)

 

7.筋力低下

タンパク質の分解作用により、筋肉が低下する。一定以上のステロイド剤の服用(プレドニゾロンなら20mg以上/日)によって引き起こされる場合が多い

(対策:ステロイドを徐々に減量することで、改善していく) 

 

8.高血圧

電解質ホルモン(鉱質コルチコイド)の作用により、体内でナトリウムの再吸収とカリウムの排出が起こり、水分を引き寄せ高血圧になる。

(対策:食事療法としては、塩分を控えたメニューや医師との相談によって、血圧効果作用のある食品を摂取する。投薬では、降血圧薬を使用する場合もある。)

 

9.白内障・緑内障

 糖尿病性白内障などステロイドによる血糖値の上昇が、眼の水晶体部分のタンパク質を変性させていると考えらる。

(対策:早期発見と医師による適切な処置が必要。緑内障による眼圧の上昇には、減圧治療を行う)

 

10.骨壊死症

骨粗しょう症の原因であるカルシウムの流出とは異なり、骨の組織への血流が阻害されることにより起こる疾患です。これにより組織の一部が壊死します。骨壊死症は股関節部位に生じることが多く、筋力低下などの症状によって増加する体重の負荷を股関節で庇うことによって起こされる。

(対策:状態が軽度であれば、筋肉トレーニング体重制限などで対処できるが、症状が進んでいる場合は、部分又は全体を人口骨に置き換える手術がある。)

 

11.精神症状

睡眠障害が最も多い症状である。その他うつ病などの傾向が見られることもある。

(対策:医師と相談して睡眠薬や抗不安薬などの処方を行う場合もある) 

 

12.副腎不全

 長期間ステロイド剤を使用していると、副腎ホルモン(糖質コルチコイド)の自己分泌能力が低下する。この低下した状態で服用を急に止めると、ショックなど重大な症状が引き起こされる場合がある。

(対策:ステロイド薬を中止する際は、医師の指示に従い徐々に減らしていくように心がける)

 

様々な症状があります

 

血管の太さによって分類される血管炎症候群

血管に炎症が広がることで発症する血管炎症候群は、血管の太さによって分類されます。

大動脈など最も太い血管の血管炎ならば大血管炎、それより細い血管は中小の血管炎として分類し、それぞれ症状が全く異なる血管炎症候群となるのです。

大動脈炎は最終的なリスクは高いものの、病状が進行するまで見付けにくい血管炎であり、中小血管炎は、患部となる中小血管が非常に広い範囲で広がっていることから、症状の種類も多岐にわたり、複雑になっています。

 

■血管炎症候群の分類

人体の血管には大中小と様々な太さの血管があり、それぞれが重要な役割を果たしています。

ですが一般的に太い血管のトラブルほど、重大な症状を引き起す傾向があり、最も太い大血管が炎症を起こすと非常に危険な症状を伴います。

 

●大血管炎

大動脈瘤炎症候群や側頭動脈炎など、大血管に炎症が広がり損傷を与える血管炎症候群です。

その炎症症状は全身に広がる危険があり、脳出血などを合併するリスクがあります。

 

●中血管炎

大動脈は全身に血液を流す血管ですが、中小動脈は主に臓器に関する働きをする血管です。

この中小血管が炎症を起こすと言うことは、その血管が働きかける臓器にも炎症が広がることを意味します。

そのため非常に多彩な症状を合併し、被害が拡大するリスクの高い血管炎症候群なのです。

 

●小血管炎

小血管炎を発症するケースは、アレルギーや細菌感染、悪性腫瘍による炎症、その他様々な内臓疾患や薬の副作用による合併のケースが見られます。

小血管は血流の末端の細い血管のことであり、その血流の先の病変や炎症によって血管に炎症が広がるのです。

 

血管炎症候群は発症する血管によって幅広い症状や疾患を引き起すことになりますが、炎症に対処する方法は全て共通します。

ステロイドや免疫抑制剤を投与することで炎症を抑える薬物療法です。

原因となる炎症を抑えることで、炎症によって引き起される症候群を全て緩和することができるでしょう。

(photo by:http://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E4%B8%B8-%E4%B8%AD%E6%AF%92-14550/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-17掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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