生活習慣病
原因はストレスにあった!?脂質異常症の関係性がある原因を知って予防しよう
ストレス対策はしっかりした方が良い、という話はよく聞きます。
ですがなぜストレスがそこまで体に悪いのかという理由をあまり知らないという方もいるかもしれません。
ストレスと脂質異常症(高脂血症)の関係を見ていきます。
ストレスでコレステロール値が上がる?
過剰なストレスはコレステロール値と血糖値を上げることがわかっています。
これは、ストレスを感じた時に分泌される、コルチゾール、カテコールアミンという2種類のホルモンと関係しています。
ストレスによってコルチゾールなどのホルモンが分泌され、それが血糖値やコレステロール値にも影響を与えるのです。
ストレスによる食生活の変化
疲れた時には甘いものが食べたくなったり、ついつい体に悪い食事をしてしまったりします。
ストレスが食生活に与える影響は私たちが考えているよりも大きなものです。
中には食べることでストレス解消を図っているという方もいるようです。
ストレスでドカ食いをしてしまう、その頻度が高い場合には脂質異常症(高脂血症)の危険性も高まります。
ストレスの解消法
脂質異常症(高脂血症)やそのほかの生活習慣病予防にストレス解消は必須と言われています。
具体的な解消方法は人それぞれですが脂質異常症(高脂血症)のことを考えるなら食事での解消ではなく趣味や運動での解消が望ましいです。
ストレスはゼロになることはありませんし、まったく刺激のない生活は問題です。
ですが多すぎるストレスも脂質異常症(高脂血症)にはよくないので適宜自分なりに解消していけると良いですね。
そんな効果が!?パン酵母で脂質異常症を抑制!?
病気に対して効く食材はいつの時代も注目されています。
脂質異常症(高脂血症)によいのではないか、と考えられている食材がパン酵母です。
●パン酵母の脂質異常症(高脂血症)の予防効果について
2010年の論文賞を受賞した『パン酵母β-グルカンのラットにおける脂質異常症予防効果』は神戸大学大学院が発表した論文です。
共同研究者の中にはオリエンタル酵母工業株式会社の研究者も含まれています。
●どんな論文なの?
パン酵母の脂質異常症予防効果に関する論文では、ラットを用いました。
パン酵母β-グルカンという食物繊維とセルロースという食物繊維をラットに摂取させ、違いをみました。
その結果、血漿中に含まれる総コレステロール値ではパン酵母β-グルカンがセルロースに比べてその値を減少させることがわかりました。
とはいえども、善玉コレステロールに関しては大きな減少は見られず、パン酵母β-グルカンは悪玉コレステロールを中心にコレステロール値を下げることも同時にわかりました。
●パン酵母β-グルカンを摂取した方がよい?
上記の研究はラットで行った研究であり、人間を対象としたコホート研究などは行われていません。
そのため、パン酵母β-グルカンが確実に人間にも効くとは言えない段階です。
パン酵母β-グルカンはサプリメントなどの形でも販売されているので補助食品として考えるのはよいかもしれません。
パン酵母β-グルカンは脂質異常症(高脂血症)の予防の他に、各種生活習慣病の予防、そして整腸作用などからも注目を浴びています。
正しい時間に食べよう!食事摂取時間からくる肥満と脂質異常症
現代の日本人の食習慣では、朝食、昼食、夕食の1日3食が一般的であり、これに間食が加わります。食習慣の第一の問題は、朝食抜きの人が増加していることが問題です。
1日の摂取カロリーを抑えることを考えれば、朝食抜きのほうが摂取エネルギーが少なくなり、体重増加が予防できるために、メタボリックシンドロームや脂質異常症などの予防と改善に効果があるとの説もあります。
しかし、朝食を欠食した場合の影響について検証したところ、標準体重者から肥満者までの男女において、朝食欠食者は朝食摂取者と比較し、肥満のリスクが4.5倍と高率であったとの結果が出ています。
朝食欠食が肥満を引き起こす機序として、昼食時に食欲が亢進して、1日の総エネルギーの摂取量が増加してくること、また朝食に摂取すべきビタミンやミネラルが不足を引き起こすことから、1日の食事の栄養バランスが偏り、生活習慣病の発症に関係してくることが言われています。
食事時間のもう一つの問題は夜食です。
中には夜遅く食事をとり、朝、食欲がないため朝食を抜くケースもあります。夕食が寝る前になったり、夜食を摂取する習慣の方も増えています。夜は体が寝る状態でスタンバイしているため、消費しきれなかったカロリーはその多くが中性脂肪(トリグリセライド)として体内に蓄積されてしまいます。
この食習慣も肥満者や脂質異常症の方に多いパターンと言えます。これらは夜食症候群ともいわれています。
概日リズムは、視交叉上核に親時計を持つ体内時計により形成されています。夜間の覚醒と摂食は体内時計のリズムを狂わせる要因となり、代謝調節にも作用していることから概日リズムの乱れは代謝異常を引き起こし、肥満や脂質異常症をもたらすことになるようです。
LDLコレステロールが高めの方の運動方法は有酸素運動を!
私たちの体の中には様々な種類のコレステロールがあり、それぞれに役割があります。
私たちが悪玉コレステロールと呼んでいるLDLコレステロール、『悪』とありますが実は大事なコレステロールなんです。
LDLコレステロールとは、本来人間の体には必要不可欠なコレステロールです。
細胞膜や筋肉を作るために使われるコレステロールを全身に運ぶ役目があるのです。
適量であれば問題ないのですが、このLDLコレステロールが増加しすぎてしまうと、血管内で詰まってしまい動脈硬化などの病気を引き起こすのです。
LDLコレステロールを下げるための運動方法
有酸素運動
有酸素運動は脂肪を燃やす運動として有効です。
HDLコレステロールを増やす働きがあります。
HDLコレステロールとは善玉コレステロールとも呼ばれ、血管内に溜まってしまったLDLコレステロールを肝臓まで運ぶ働きがあります。
このHDLコレステロールが増えると、動脈硬化などのリスクが低くなるというわけです。
運動は毎日継続することです。毎日継続することで、効果が発揮されます。
そして、運動を普段から継続していない人が突然激しい運動をするのは禁物です。
過度な激しい運動は心臓や関節に負担がかかってしまいますので、気をつけましょう。初めのうちはウォーキングなどで、軽く始めるようにしましょう。徐々に慣れていけば、軽いジョギングもいいですね。
また、膝や腰が悪く運動があまりできない方は、水中ウォーキングもオススメです。
LDLコレステロールはなかなか下がらないというのが現実です。コツコツと積み重ねた結果が、健康な体へとなります。毎日少しずつを目標に運動を続けましょう。
併せて食生活の改善をすることがLDLコレステロール低下への近道です。
中性脂肪を短期間でガッツリ減らす、食事と運動法は?!
中性脂肪を減らすには、生活習慣の改善が必要です。
基本的に、食事は脂質を抑えてカロリーを減らし、運動はウォーキングなどの軽い運動や、できる範囲で活動量を増やすことが望ましいです。
今回は、食生活の改善や運動に時間をかけられて、短期間でガッツリ中性脂肪を落としたい!という方におすすめの方法をご紹介します。
食材にこだわる
・青魚
マグロの刺身やサバ、イワシなどの青魚にはEPAが含まれています。
EPAは血液をサラサラにして、心筋梗塞や脳梗塞に効果があります。
また、中性脂肪を減らす効果もあるのです。
・野菜
食物繊維が豊富な野菜を食べることで、中性脂肪を減らすことにつながります。
キャベツ、キノコ、海藻類や根菜類がオススメです。
・タウリン
カキ、タコ、イカなどの魚介類にはタウリンが豊富に含まれていて、脂肪を分解する酵素の助けになります。
・断酒
アルコールを飲むことで、中性脂肪を分解する酵素のはたらきが弱まります。
中性脂肪を減らすためには、お酒を飲まないことが近道です。
有酸素運動と無酸素運動
有酸素運動
一週間に3日以上、一日30分~40分以上の有酸素運動が中性脂肪を減らすのに効果的です。
関節に負担のかからない、スイミングやサイクリングがオススメです。
無酸素運動
無酸素運動とは、いわゆる筋トレです。
無酸素運動は直接的には脂肪を燃焼させることにはつながりませんが、筋力がアップすることにより、基礎代謝が上がり有酸素運動で脂肪を燃焼しやすい体をつくります。
有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて運動することをオススメします。
短期間でガッツリ食事の改善と運動をして中性脂肪が一時的に減っても、油断しないようにしましょう!
基本的な生活習慣の改善を続けていきましょうね。
運動の目安はどれくらい?脂質異常症の治療に必要な運動量
脂質異常症(高脂血症)の治療法の一つが運動療法です。
食事療法と同じく、生活療法の一つである運動療法で、具体的にどれくらいの運動が必要かを見ていきます。
●運動は週3日以上
脂質異常症(高脂血症)の治療のためには少なくとも週3日以上の運動が必要と言われています。
出来ることなら毎日の運動と言われることもありますが、それはちょっと難しいという方も多いかもしれません。
仕事をしていると疲れてしまってなかなか帰ってから運動するのはおっくうです。
ですが1日おきくらいなら無理なく行えるはずです。
●30分以上の運動
脂質異常症(高脂血症)の治療のための運動は2-3分で一気に負荷をかけるタイプではありません。
そのため、30分以上の運動が必要とされます。
●有酸素運動
有酸素運動とは酸素を取り入れながら行う運動のことです。
短期的に力を使うタイプの運動は無酸素運動、有酸素運動の代表にはウォーキングやランニングがあります。
脂質異常症(高脂血症)の治療のために必要な運動は有酸素運動です。
まとめると、週3日以上、1回30分以上の有酸素運動を行うことで脂質異常症(高脂血症)の改善効果がみられるということです。
運動療法は食事療法と併用しながら行っていきます。
食事も含めた日常生活での我慢が必要ということでやや大変に感じるかもしれませんが、適切な食事と適切な運動習慣は脂質異常症(高脂血症)以外の生活習慣病の改善効果、予防効果にもすぐれています。
著者: カラダノート編集部