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生活習慣病

慢性腎臓病の薬物療法とは~利尿剤や免疫抑制剤の効果、注意すべき副作用など~

慢性腎臓病になると、利尿剤が処方されることがあります。

利尿剤を飲むのは、どんな効果があるからなのでしょうか。

慢性腎臓病で気をつけたいのは、尿の量です。

これが病気のバロメーターでもあるのです。

 

夜間尿は腎機能低下の徴候

腎臓の機能低下とともに、十分に体液中の水を尿として排出できなくなります。

慢性腎臓病の初期症状として、夜間尿があります。

これは通常、夜間には水分接種が少なく、尿の量が少なくなるのに、腎機能の低下で夜間の尿濃縮が起こらないために起きる現象です。

これが進行すると、腎臓を経由して尿として水分を排出する濾過機能GRFが低下します。

このGRF値によって、腎臓病の進行がステージ分けされるのです。

 

むくみから尿毒症、肺水腫へ

利尿剤は、体内に水分が溜まるようになってきたら処方される対症療法薬です。

体内に水分が溜まったままだと、むくみとして足がぱんぱんになったりします。

これが進行すると、心臓や肺に水がたまる「肺水腫」となり、心不全を引き起こすので危険です。

また、尿として排出できない塩分や老廃物が体内に回る尿毒症は、意識障害なども起こします。

このため、少しでも尿で排出させることが重要なのです。

 

利尿剤の種類

利尿剤には、腎臓への血流量と糸球体濾過量を減少させない「ループ利尿薬」と呼ばれ薬剤が利用されています。

また、このような利尿剤が効果がない場合には、濃縮アルブミン製剤という血液製剤が併用されます。尿排出は、結果的に血圧も下げることにもなります。

 

 

腎臓病治療における利尿剤は、ある程度腎臓の機能が残っているけれど、弱くなってきている、という場合の薬です。

これを使わないで済むように、食事なども見直さなければなりません。

これ以上、病気を進行させないように、本気で治療に取り組みましょう。

 

重曹で体を弱アルカリ性にもどす!?

腎臓は体の中のバランスを保つ上で、非常に重要な臓器です。しかし、慢性腎臓病によって腎臓の機能が低下していくと、体の中のバランスがうまくとれなくなり、様々なところに支障が出てきます。

 

腎臓が悪くなると体が酸性になる

人間の体のpHは弱アルカリ性(pH7.5)に保たれています。しかし体は日々、酸性の物質をつくっています。その酸性の物質は日々の体の働きによって適切に体外に排泄されています。ひとつは肺からで、呼吸によって炭酸ガスとして排泄されます。もうひとつは腎臓によるもので、尿を酸性にすることで体外に排泄しています。そのため腎臓の機能が低下すると、酸性の物質が適切に体外に排泄されなくなり、体が酸性に傾くことになります。

 

代謝性アシドーシス

酸性の物質を尿へ放出する働きがくずれて、体が酸性に傾くことを代謝性アシドーシスと言います(呼吸によるものの場合は呼吸性アシドーシス)。このアシドーシスの状態になると、体の中に余計なものがたまっていることになるので、骨がもろくなったり、栄養状態が悪くなったりと、色々な不具合が出てきます。またこの状態は通過する血液量の多い腎臓の機能を低下させることにもなります。

 

重炭酸ナトリウム製剤

そこで服用する薬が重炭酸ナトリウム、いわゆる重曹です。重曹は水に溶けるとアルカリ性になりますので、これを服用することで体を、本来あるべき弱アルカリ性に近づけることができるのです。研究によっては、この重曹を腎機能低下を著しく緩やかにするものとして位置付けているようです。

 

基本的には重曹の服用はあくまでも、アシドーシスを改善するものです。そのため慢性腎臓病を改善する食事療法や運動療法が前提になることは変わりません。

 

こんなに多い!免疫抑制剤の副作用を知っておこう!

慢性腎臓病の治療では、程度の差はあれ、どんなに初期の段階でもどんなに末期の段階でも食事療法がついてまわります。末期になれば、非常に厳しい食事制限が設けられますので、日々の生活で常に腎臓治療のことを考えていかなければなりません。

 

唯一食事制限から脱却する腎臓移植

慢性腎臓病におけるただひとつの根本治療が腎臓移植です。ただ、移植後は厳格な食事制限はなくなりますが、暴飲暴食をしてよいということではありません。というのも、移植後は拒絶反応に対抗するために、免疫抑制剤を服用していかなければならないからです。そのため、免疫力が落ちた状態が続き、感染症にかかりやすくなりますので、食事の管理もきちんとしなければなりません。

 

免疫抑制剤の注意点

免疫抑制剤は副作用の多い薬ですので、その点でも注意が必要です。以下に主に使われる免疫抑制剤の副作用を上げていきます。

 

シクロスポリン:免疫抑制のベースの薬

腎障害・多毛・手指のふるえ・歯肉肥厚・高血圧・糖尿病・肝障害

 

タクロリムス:免疫抑制のベースだが、シクロスポリンの10~100倍の作用がある

腎障害・手指のふるえ・心毒性(不整脈や胸痛)・糖尿病・消化器症状(嘔吐や下痢)・高尿酸血症

 

プレドニゾロン・メチルプレドニゾロン:拒絶反応が起こった際の治療に用いられる薬

満月様顔貌(顔や体幹の中心に脂肪が沈着する)・にきび・肥満・胃潰瘍・白内障・緑内障・糖尿病・高血圧・骨がもろくなる

 

ミコフェノール酸モフェチル:難治性拒絶反応の治療に用いられる薬

消化器症状(下痢や嘔吐)・食欲不振・白血球減少・貧血

 

ミゾリビン:シクロスポリンなどベース薬の補助的に使われる薬

白血球減少・食欲不振・消化器症状(口内炎や嘔吐)・膵炎

 

アザチオプリン:シクロスポリンなどベース薬の補助的に使われる薬

白血球減少・肝障害・食欲不振・消化器症状(嘔吐など)

 

こうした副作用をみると怖いですが、移植後はずっと同じ薬を服用していくわけではありませんし、処方の量を調節することで副作用を減らすこともできます。

 

注意!慢性腎臓病の薬と、その他の薬の飲み合わせ

慢性腎臓病でも、もちろん他の病気にかかります。

また、ちょっと体調が良くないな、頭が痛いな、という時も、ありますよね。

ですが。腎機能が低下してしまったら、市販の薬を含め、治療以外の薬を飲むのは要注意です。

 

頭痛薬や風邪薬もだめ?

腎臓病になったら、腎臓から排出する薬のほとんどが飲めません。

体内から排出されず、尿毒症の一因となりかねないからです。

初期だからといって、安易に市販の鎮痛剤や風邪薬を飲んだことで、病状が悪化してしまうこともあります。

 

強い薬ほど怖い

とくに抗菌剤などの強い薬は、毒ともいえるような効果があるわけですから、体内から排出できないと、全身で異常を起こします。腎臓の細胞へのダメージも起こしやすく、順調に進んできた腎臓病治療が台無しになる可能性もあります。

それでも、病気になることはありますから、自己判断せず、かかりつけの医師にしんさつしてもらいましょう。

 

他の病気での診察時には

腎臓病以外の病気で他の病院にかかる場合には、かならずお薬手帳を持参し、慢性腎臓病であることをあらかじめ伝えなければなりません。

皮膚科や眼科、耳鼻科など、一見関係ないと思うかもしれませんが、皮膚から入る薬も全身に循環しますし、点眼薬などは粘膜から血液中に入ります。

また、検査や診察でも腎臓に禁忌があるものがあるので、かならず医師に腎臓病であることを伝える必要があるのです。

 

あらかじめ処方してもらう

また、治療における頭痛もおきますし、体調をくずして通院が難しい場合もあります。

腎臓病の治療を開始したら、主治医に鎮痛効果などがある漢方薬や、なんらかの方法を相談しておくこともできます。

腎臓に負担のかかりにくい薬を処方してもらっておけば、安心です。

食事だけでなく、体に取り入れるものはすべて十分、注意していきましょう。

 

リンパ球の働きを抑える免疫抑制剤…種類と働き方はたくさん!

慢性腎臓病は症状の少ない疾患です。早期に発見されれば、長年治療をしていって、高齢になってから腎機能がほとんどなくなってしまうこともありますし、進行してから発見されれば数年で最終的な判断が迫られる場合もあります。

 

最終的な判断というのは、ほとんどなくなってしまった腎臓機能に対して、人工透析をするか腎臓移植をするかという判断です。仮に腎臓移植をすると判断した場合、腎臓移植が成功してもそれは最初の段階が終了しただけにすぎません。次の段階には、その後ずっと続く免疫抑制剤による治療があります。

 

免疫抑制剤の種類

移植後には移植された腎臓に対して体が拒絶反応を起こします。この拒絶反応はリンパ球が大きく関係していますので、リンパ球の働きを抑える免疫抑制剤がメインに使われます。

 

カルシニューリン阻害剤

リンパ球の増殖を強く抑制することによって、免疫抑制の効果を発揮します。この中のシクロスポリンという種類は、特に免疫抑制治療の基本となります。内服が多すぎると腎機能障害が出てくるため、頻繁に血中濃度を測りながら服薬の量を調整していきます。

 

代謝拮抗剤

カルシニューリン阻害薬とは作用するメカニズムが異なりますが、これもリンパ球の増殖を抑制して免疫抑制をします。

 

ステロイド

ステロイドは免疫反応全体に対して抑制効果を持つという点で、重要な免疫抑制剤です。特に急性拒絶反応と言われる術後3ヶ月までに起こる拒絶反応の治療においてメインで使われます。しかし長期使用は副作用の関係で向きません。

 

シムクレスト

これは注射薬で、移植手術の当日と術後に限定的に投与されます。リンパ球の活性化を強力に抑制することで免疫抑制効果を得られます。特に術後の早い時期に起こる拒絶反応を抑制するのに非常に効果的とされています。

 

状況に応じてこうした薬剤の中から適切なものが選択され、適切な量だけ処方されることになります。

 

人工透析の前と後で薬が変わる?!

慢性腎臓病の治療に用いられる薬は、人工透析導入前と後で異なります。

慢性腎臓病が進行すると、その機能を外から補うために人工透析を導入する場合が多くあります。

 

人工透析前

慢性腎臓病は病気が進行する前は手術をする必要はあまりなく、生活習慣の改善、食事療法、そして薬物療法が中心になります。人工透析前に使用される薬物は以下のようなものです。

高血圧症…降圧薬

体液量の増加…利尿薬

高血糖…糖尿病治療薬(インスリン、経口糖尿病)

脂質異常症…高脂血症治療薬

腸管内毒素…口径活性炭製剤

貧血…赤血球造血刺激因子製剤、鉄剤

これらの薬を原因となる病気の種類や、症状によって使い分けます。通常、薬は体内である程度分解・解毒されて体外に排出されます。しかし、腎臓の機能が低下している状態では、この分解がスムーズにいかないことがあるため、薬の成分濃度が上昇したりしてより腎臓に負担をかける可能性があります。

 

人工透析後

人工透析だけでは腎臓の機能を全て補うことはできません。そのため、その不足する機能を薬で補う必要があります。これに加え、合併症に対する薬も必要に応じて服用します。

カリウムの吸収を抑制する薬

リンの吸収を抑制する薬

尿酸を下げる薬

活性型ビタミンD製剤

貧血の薬

基本的には人工透析で補いきれない腎臓の機能の代用として服用しますが、人工透析前から継続して服用するべきものもあります。

 

人工透析によって腎臓の働きの一部はまかなえますが、全てを担ってくれるわけではありません。人工透析をしても合併症などまでが治るわけではありませんので、人工透析をする際はそれらをふまえておくことも大切です。

 

カルシウム拮抗薬とグレープフルーツ

慢性腎臓病で最も危惧されているのは、高血圧症との併発です。高血圧症に対して使用される薬はいくつかありますが、その中のひとつにカルシウム拮抗薬があります。

 

グレープフルーツジュースと一緒に飲んではいけない

カルシウム拮抗薬を処方される際は、グレープフルーツジュースと一緒に飲んではいけないと指導されます。これはグレープフルーツと一緒に飲むとカルシウム拮抗薬の効果が強くなりすぎるためです。降圧効果が大きくなりすぎると、低血圧をまねく危険があります。

 

フラボノイドが原因

グレープフルーツに含まれるフラボノイドの一種が、薬を代謝する酵素の働きを弱めてしまうのが原因と考えられています。一般的に薬は体内の酵素の働きによって、肝臓や小腸で酸化・還元されることで一部の効力を失い、ある程度効果がなくなることが正常な薬の効果の出方です。グレープフルーツによって酵素の働きが弱まることで、薬がほとんどそのままの力を持って効いてしまうため、危険になります。

 

2~3時間後

薬は通常、2~3時間で体に吸収されますので、それよりも後にグレープフルーツジュースを飲むことはかまいません。しかし逆にグレープフルーツジュースを飲んだ後はカルシウム拮抗薬を飲むまでに10時間以上時間をあけなければいけません。これほどグレープフルーツの阻害作用は長く続きます。

 

フレッシュグレープフルーツ

この作用はグレープフルーツそのものか、フレッシュグレープフルーツにありますが、果汁還元ジュースにはありませんし、みかんやオレンジにはこの作用はないそうです。

 

 

基本的にカルシウム拮抗薬を服用しているときには、グレープフルーツは避けた方が良いかもしれません。どうしても摂取したい場合は薬との時間のあけかたに気をつけるようにしましょう。

(Photo by: http://www.ashinari.com/2008/12/07-010884.php)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-13掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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