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高齢者の衰弱で表れる歩行の変化って?衰弱と認知症の関係!具体的な症状は!?

高齢者の身体機能を如実に表すのが、歩行状態です。衰弱によって、歩行状態がどう変化するのかをまとめました。

 

歩行速度

衰弱による最も大きな変化が、歩行速度の低下です。歩行速度を決めるのは、歩幅と歩調(足を出す速さ)です。特に歩幅は、大きく影響します。

 

衰弱すると歩幅が小さくなります。大きな歩幅を確保するには、地面を蹴り出す筋力、股関節などの柔軟性、体のバランスを保つ能力が欠かせません。また、大きめの歩幅で歩くことにより、インナーマッスルといわれる体幹部の筋力がアップします。

 

高齢者の歩行速度と余命の相関を調べた研究もあり、歩行速度は高齢者の健康を深くかかわっています。

 

すり足で歩く

地面と足が接している時間が長く、足を高く上げずに歩く「すり足」歩行も、衰弱している高齢者の特徴です。脚を交互に出す際には、片足で体を支えなくてはなりません。身体機能が低下すると、これが難しくなり、歩行時の両足支持時間が長くなります。

 

すり足になる原因として、筋力の低下が挙げられます。足を高く上げる筋力が不足しているのも一因ですが、他にも体のバランスをとりづらくなっているという要因もあります。片足立ちの姿勢を保持できないと、安定した歩行ができません。足首の柔軟性もバランスをとるためには必要です。

 

すり足歩行では、わずかな段差でも足が引っ掛かり、転倒の危険があります。

 

高齢者の歩行状態に変化が見られたら、身体機能の低下を疑ってみましょう。衰弱が進行する前に察知できる、体からのサインともいえます。 

 

衰弱の要因を多く抱える認知症の高齢者…衰弱と認知症の関係

認知症の高齢者は、そうでない高齢者と比べて衰弱の危険性が高いといわれます。衰弱と認知症の関係、症状をまとめました。

  

食事を十分に摂れない

認知症の高齢者には、しばしば食行動の異常がみられます。

食事に対する興味がなくなって食べる量が激減すると、十分なカロリーが摂取できません。

特定の食品ばかり食べるようになると、栄養バランスが偏ります。

認知症の進行とともに口や喉の筋肉をコントロールできなくなり、むせやすくなるのも特徴です。

脳血管性認知症の場合は、より嚥下障害が起こりやすくなります。誤嚥性肺炎に注意が必要です。

  

疲労の蓄積

徘徊や多動など認知症特有の行動で、体力を消耗することがあります。

さらに、睡眠をまとめて取れなくなるケースも多く、疲労がたまりやすい状態です。

疲労が蓄積し、徐々に体力が奪われていきます。 

 

転倒・ケガ

運動機能の低下で歩行が不安定になり、障害物の認識、注意障害から転倒のリスクが高まります。

転倒して骨折し、そのまま寝たきりになって衰弱の進行が早まるケースもあります。

屋外を徘徊して、事故に遭う高齢者も少なくありません。

  

活動量の低下

認知症では、しばしばうつ状態に陥ります。閉じこもりがちになり、活動量が低下して食事量も減っていく…と、衰弱につながっていきます。

身体的な活動だけではなく、精神活動も不活発になり、生活全体の質が落ちていきます。 

 

衰弱の要因を、認知症の高齢者はたくさん抱えているといえます。認知症を疑ったら早目に受診し、生活の質を落とさないよう配慮してください。

 

認知症の高齢者は衰弱の要因が多い!衰弱の進行と認知症

高齢者の衰弱の中でも、認知症の人は衰弱の進行が早いといわれます。認知症特有の「衰弱の速さ」について説明します。

 

衰弱の速さは2~3倍

認知症の高齢者を追跡した調査では、健常な高齢者の4年後の死亡率が28.4%であったのに対し、認知症の高齢者では83.2%と、死亡率が2.5倍だという結果があります。

 

認知症では、老化・衰弱が健常な高齢者の2~3倍で進行するといわれます。

 

症状が激しい

「良く食べ、毎日何時間も歩ける認知症の高齢者が、少し食が細くなったと思ったら、あっという間に衰弱が進み、1ヶ月も経たないうちに亡くなった」というケースも少なくありません。

 

急に食べられなくなる、歩けなくなるなど、激しい症状が特徴です。アルツハイマー型認知症では、脳委縮が広範囲に及ぶと、一気に症状が進みます。

 

脳血管障害性認知症では、脳梗塞やくも膜下出血が再発すると脳のダメージが広がり、衰弱も早まります。

 

衰弱が穏やかなケースも

認知症、特にアルツハイマー型認知症は、症状の進行速度に個人差があります。発病から2~3年で衰弱が進行して亡くなる人もいれば、20年かけて徐々に衰弱する人もいます。

 

アルツハイマーを根治する薬はないため、早く認知症に気づき、進行を遅らせる薬や生活機能を維持する訓練を取り入れるなど、先手を打つことが肝要です。

 

まずは認知症を早期に発見し、検査と治療につなげてください。認知症の高齢者は衰弱の要因が多い、衰弱の進行が早いことを念頭に、医師から生活の中で気を付けるポイントを指導してもらうと良いでしょう。

 

要チェック!早期から表れる衰弱の具体的な症状

衰弱とは、筋力低下・歩行速度低下・体重減少・活動量低下・疲労のうち、3つ以上に当てはまる場合を指します。

これら5つの項目は、日常生活の中でどのような症状として表れるのかまとめました。衰弱のチェックポイントとしても参考にしてください。 

 

筋力低下

全身の筋肉が衰え、日常動作に支障が出ます。

・物を良く落とすようになった

・介助の際、つかまってくる力が弱いと感じる

・同じ場所に立って待つ、座り続けるなど姿勢の保持が難しい

  

歩行速度低下

歩く速度が遅くなるのは、歩行機能全般が衰えてきたしるしです。

・歩幅、手の振りが小さくなった

・足を高く上げず、すり足で歩く

・小さな段差、平らな場所でも転ぶ

・歩く姿勢、特に方向転換する時の姿勢が大きく傾いている

  

体重減少

食欲の減退、消化機能の低下から体重が減少します。

・目に見えて痩せた

・頭髪や肌にハリが無く、パサパサに乾燥している

・何食か抜いても、空腹を訴えない

・オヤツなど嗜好品にも興味を示さなくなった

  

活動量低下

体力・気力の衰えは活動量低下を招き、生活の質も落ちます。

・行動範囲が狭くなり、外出したがらない

・目に力が無く、話しかけても反応が鈍い

・今まで好きだったこと、趣味で続けていたことにも興味が無くなった 

 

疲労

体力低下から、疲れがたまりやすく、抜けにくくなります。

・日中でも、横になって過ごすことが多い

・いつもうつらうつらしている

・食事や入浴、散歩をしただけでも、直後に昼寝が必要なほど疲れている

  

心身ともに活動が低下し、生活全体が不活発になるのが衰弱です。早目に症状を見つけて対処していくことが大切です。

 

高齢者に忍び寄る「衰弱」とは

 高齢者の衰弱とはどのようなものか、特徴を挙げます。

 

年齢が上がるほど増える衰弱

衰弱の症状が表れる高齢者は、年齢が上がるほど増えます。男女比率では女性に多くなっています。これは女性の方が高齢まで生きること、筋肉量などが関係していると推察されます。

要介護状態になる原因としては、衰弱が3番目に多くなっています。

 

衰弱の具体的な症状

・全身の筋力が低下する

・歩行速度が遅くなる

・活動量が減る

・慢性的な疲労感

・体重減少

 

上記5つの症状のうち、3つ以上該当すれば衰弱しているといえます。

全体的な活動量が減り心身が不活発な状態になる、それらが体重減少など目に見える変化として表れるのが衰弱です。

 

衰弱によって心配される老年症候群

病気のように悪い部分がハッキリしておらず、初期では日常生活に影響がないのが、衰弱の特徴で、怖い点です。

 

心身の機能が少しずつ落ち、歩行困難から転倒・骨折に至ったり、抑うつ状態、認知機能障害、不眠、疼痛、閉じこもりといった「老年症候群」を引き起こしかねません。

 

高齢者の衰弱では、その3分の2に複数の疾患がみられます。

病気から衰弱するケースもあれば、衰弱して身体機能が低下したために病気を招いたケースもあるでしょう。どちらが先とは言えないような、病気と衰弱の悪循環に陥っている人もいます。

 

さらに衰弱者の4分の1は、生活機能障害(基本的な生活活動を行うために最低限必要な、心身の能力低下)を起こしています。

 

(Photo by: http://www.ashinari.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-14掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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