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発達障害や知的障害の原因となるもの~トラウマと発達障害の関係って?ほか~

  

良く日頃から「トラウマ」という言葉を耳にしますが、それは本当はどういう意味なのかをご存知でしょうか?

 

トラウマとは、本当は「精神的外傷」のことをいい、米国精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』で言うところの「外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder: PTSD)」にあるトラウマの定義が、本来の診断基準だとされています。

 

普段、精神的に健康な方がよく会話中に使う「それは私にとってトラウマなんだよね」と軽く話せる意味合いとはかなり違います。

本当はとても重く、トラウマを抱えている方自らが、安易に口に出せるものではないはずです。

 

DSM-Ⅳの診断基準では、次の二つの定義を満たすものが「トラウマ」とされています。  

 

* 出来事の質の定義

実際にまたは危うく死ぬまたは重症を負うような出来事を、1度または数度、あるいは自分または他人の身体の保全に迫る危険を、その人が体験し、目撃し、または直面した。

 

* 体験する側の主観的な感情の定義

その人の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するもの。

 

どうしてこのトラウマが発達障害に関係しているかというと、子供の虐待をはじめとする慢性のトラウマが、脳に気質的な変化を引き起こす事が、21世紀になって様々な脳画像研究データが報告により、ほぼ確実だとされているからです。

 

ここで誤解しないでいただきたいのは、全ての発達障害の方に虐待が関係しているというわけではありません。

 

ADHD(注意欠陥多動性障害)をはじめとするたくさんの発達障害に、トラウマによる衝撃が影響しているケースが多分にあるということで、そのトラウマの中に子ども虐待などがあるという問題点をあげているのです。

 

実に悲しいことではありますが、トラウマによって、脳自体の器質的、機能的変化が引き起こされるという事実を見る限り、子ども虐待というトラウマが発達障害に大きく影響し、また、発達障害の方の長期転帰を不良にしている最大の要因だといえるでしょう。

 

ただし、逆に治療という観点で言い換えると、トラウマへの治療を意識する事で、二次的に生じた様々な問題に対して、治療の道が開ける事を意味します。

 

それは、治療が困難とされた一部の発達障害の方に、適切な治療が展開される鍵になるかもしれません。

 

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)って?

広汎性発達障害は、社会性のハンディキャップを中心とする非常に広大な発達障害症候群のことをいいます。

 

*社会性の障害

*コミュニケーションの障害

*想像力の障害とそれに基づく行動の障害(一般的にこだわり行動とよばれるもの)

……の3つの特徴を主なものとします。

 

これ以外に、非常に重要な症状として、赤ちゃんの鳴き声などの特定の音を非常に嫌がるといった知覚過敏性という問題を抱える方が多くいます。

「自閉症」や「広汎性発達障害」といわれても、普通は何が何だか良くわからないと思います。

俗に『自閉症』と言われている障害は、下図のとおり広範囲に渡ります。

狭義の意味での「自閉症」はそのごく一部なのですが、一般的にはそうは理解されていません。

 

(発達障害の相関図:毎日新聞2005/1/9を一部参照)

 

 

専門医に相談すると、ご家族にわかりやすいように「広汎性発達障害」とか「自閉症スペクトラム」という風に説明されることが多いようです。

自閉症を中心とする広汎性発達障害は数ある発達障害の中でも良く取り上げられています。

 

その理由は、広汎性発達障害が社会性の障害が中心にあるからです。

社会性の障害とは自分の体験と人の体験が重なり合うという前提が成り立たないということです。

つまり、自分と他人との間の暗黙の了解、さらにいうと、私たちの普通の常識が通じないということです。

 

感覚過敏性の障害をもつ人には、私たちの常識とする励ましや声賭けが通用せず、「怖い」と感じ、パニックになることがあります。

また、「好きなことをしていい」とか「見たままにすればいいでしょう?」という言葉が通じません。

 

広汎性発達障害を持ち人には、「人と自分が重なり合わない」という障害の基盤にミラーニューロンシステムの問題があります。

ですから、見ていて理解はしていたとしても、見ているだけでそのまま一緒に体験する事は難しいのです。

 

発達障害にはエピジェネティクスという現象が関与している!?

発達障害における最近の知見の中で、最も重要なのは、多くの発達障害が多因子遺伝モデルであることが明らかになったことです。

多因子遺伝モデルとは、平たく言うと私たちひとりひとりの個体に違いがあるように、個体差にばらつきがあるということです。

 

日常的に生じているいくつもの遺伝子の変異に加え、さらに環境因(エピジェネティクス)が関わってくるため、一人ひとりの障害のレベルや症状も変わってくるわけです。

 

今回は、今話題になっている環境因「エピジェネティクス」について、簡単な解説させて頂きます。

 

◆ エピジェネティクスとは?

DNA(遺伝子)配列の変化では説明できない有糸分裂、あるいは減数分裂を通じて伝えられる遺伝子機能の変化とその研究のことをいいます。

 

遺伝情報は「メッセンジャーRNA」に転写(コピー)されて、酵素などのたんぱく質の合成が行われる際に、環境からの干渉を受けます。この現象がエピジェネティクスです。

 

簡単に言うと、例えば、目の前に一皿の料理があって、その横にその食材があるとします。今までDNAとはその食材を電子レンジのような箱に入れれば、全く同じ料理が出来るものだと思われていました。

ところが、最近の研究では、DNAは単なるレシピ本で、食材を見ながら誰かが料理をしなければ料理はできあがりません。その料理を作る人が「環境因」のようなもので、料理下手な人がレシピ本を見て作っても、出来上がりは不味い料理ができ上がる……というようなものです。

 

この環境因による遺伝情報の変化は非常に広範囲であり、また乳児期のみではないことにも注意する必要があります。

 

例えばアルコール依存症の父による母親へのDV(ドメスティックバイオレンス)が常にある環境に子供が生まれたとき、母親のホルモン動態のアンバランスによって、生まれてくる子供にエピジェネティクスな遺伝情報のスイッチが入ります。

 

その一方で父親の暴力や罵声に絶えず怯えて生活する状況は、当然ながら子供側の過覚醒静状態をもたらします。

すると子供のホルモン動態にも影響が生じ、今度は別の遺伝子情報の転写過程のスイッチが入るというわけです。

要は原因⇒結果ではなく、原因×危険因子×危険因子⇒結果となるわけです。

限りなくリスクが積算されるという現象になるわけです。

 

これは発達障害のみならず、他の病気でも同じです。

例えば高血圧の素因は一つではありません。またその素因(DNA情報)を持つ人は実に多くいます。

ですが、世の中の全ての人が高血圧になるわけではなく、生活の工夫によって発症そのものを抑えるのも可能ですし、発症したとしても軽度で済む事もあるのです。

 

反面、タバコやコレステロールの高い食べ物を食べ続ければ、逆にもっと深刻な病態にもなり得る……そう考えていくと、この病気の原因理解もしやすくなるのではないでしょうか。

 

知的障害の病因って何?~染色体異常・遺伝~

知的障害の病因としては様々なものが知られていますが、出生前の要因として遺伝子関連によるものと早期胚発達異常によるものがあります。

中でも次のものが有名です。

 

1. ダウン症候群

発生頻度は1000人に一人だといわれています。35歳以上の高齢妊婦での発症率が高いとされていますが、最近は妊娠時の検査にて事前にその可能性が判別できるようになりました。

もっとも多いのは常染色体21番の異常です。身体的な特徴があります。(扁平な丸顔・短頭など)。

知的障害は中等度が多く、療育による影響を受け、社会適応は良いとされています。

 

2. き弱X症候群

有病率は2500人に一人の発症とされています。X連鎖の知的障害を伴う家系の約30%がこの症候群です。

大きな耳、突出した眼窩上縁、下顎突出などが特徴です。情緒は不安定で多動が認められます。自閉症と診断されているケースが多く認められます。

 

3. フェニルケトン尿症

フェニルアラニンをチロシンに変換する水素化酵素の天然性欠損による常染色体劣性遺伝疾患です。メラニン色素欠乏として赤毛・色白・虹彩色を特徴とします。

体内に過剰に蓄積されたフェニルアラニンが脳代謝を阻害して、生後6ヶ月~1歳ごろにかけて知能が急激に低下します。約半数にけいれんを認め、てんかんが多いとされています。

 

4. 結節性硬化症

神経皮膚症候群の代表的な疾患で50000人に一人の頻度とされています。乳児期から見られるナナカマドのような白斑や表面がぶつぶつしたシャグリーン班、あるいは3~4歳から出現する顔面血管繊維腫が認められます。てんかんの併発もみられ、破壊的な行動を伴うことがあります。

 

上記のものが主に知られているものです。

それ以外にも染色体異常などが何種類か認められています。

(Photo by:http://www.ashinari.com/2012/08/21-367572.php?category=51 )

 

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-12掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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