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手術によって治せる認知症「特発性正常圧水頭症」とは?

 

 

認知障害や尿失禁を改善!

手術によって治せる認知症「特発性正常圧水頭症」とは?

 

高齢になると、物忘れや体が思うように動かないなどの障害が生じてきますが、それらの原因がもしかしたら脳と頭蓋骨の間にある「髄液」の増加によるものかもしれないというお話です。本来髄液は脳の緩衝材として働き、必要不可欠なものですが、髄液が増加することで脳が圧迫を受けるということも起こります。このような症状を水頭症といい、一般的な水頭症には子供も対象にはなり、その原因には脳腫瘍によるもの、くも膜下出血によるものなどがありますが、中でも高齢者が対象であり、また原因が不明である場合、「特発性正常水頭症」という病気であると考えられます。この病気の発症率は、65歳以上の高齢者で100人に1人、認知症患者の中では5%の人が持っているといわれるほど、珍しくは無い病気だと言えます。

 

水頭症発症の仕組みと特徴について


一般的な水頭症とは、髄液が脳質と呼ばれる、髄液の生産や貯蔵を行う部分やくも膜下腔に大量に溜まり脳を圧迫してしまう症状のことを言います。

髄液は脳室で生産され、くも膜下腔と呼ばれる脳や脊髄の表面上を通って循環し、頭のてっぺんにある静脈血中(上矢状静脈洞)に吸収されます。その量は一日500ml生産され、毎日3回程度の入れ替えが行われるようです。しかし、循環経路に何らかの障害が起こると、髄液が過剰に溜まり、病気の発症に繋がります。

 

障害を起こす原因としては、一般的な水頭症(続発性正常水頭症)の場合、脳室の拡大とともに脳腫瘍やくも膜下出血など水頭症を引き起こす明確な原因が見られますが、高齢者に発症する特発性正常水頭症の場合、脳室の拡大は見られるものの髄液圧は正常範囲内で、その原因が不明であるものが多いと言えます。

 

特発性正常水頭症の特徴的な症状に、認知障害、歩行障害、尿失禁が主に挙げられます。
1)歩行障害…最初に確認される症状であることが多い。小刻みな歩行になる。


2)認知障害…物忘れや自発性の低下などが見られる。進行すると、無関心や無動無言などの症状が現れる。

 

3)尿失禁…これら3つの症状の中では、最も最後に現れる。


これらの3徴候かもしくはこの中のいずれかが、先程の特発性正常水頭症の徴候と一緒に見られれば、この病気であると疑う必要があります。

 

検査方法は?


特発性正常水頭症であると診断できるためには、「腰椎穿刺」という方法で液を一定量抜き取り(約20~30m)、歩行障害など該当症状が改善するかどうかを試す必要があります(髄液タップテストを行う)。


順序としては、上記の3徴候の全て、もしくはいずれかが見られれば、脳部CTやMRIで脳室の拡大を探し、見つかれば髄液タップテストを行います。

 

また、誤診されやすい病気として、老人性痴呆やアルツハイマー病などがあります。これは脳の萎縮によって脳室部分がが拡大して見えるためです。画像診断だけでは、特発性正常圧水頭症との鑑別鑑別診断が困難なため、腰椎穿刺の検査は非常に重要であると言えます。

 

治療法は?

1)シャント術(短絡術)…体内に安全なチューブを設置し、腹腔内や心臓に不要な髄液を導いて、体内吸収させる方法です。(チューブが外部に出ないので感染の心配が無い

 

2)脳室/腰椎ドレナージ…急激に水頭症が発症し、頭蓋内圧が高まった場合に態が落ち着くまでの一時的期間行う治療法です。脳室または腰椎クモ膜下腔に直接チューブを挿入し、体の外部に髄液を排出させます(チューブが外部に出ているので感染の可能性がある)。

 

3)内視鏡手術(第3脳室開窓術)…頭蓋骨に小さな穴をあけて、第3脳室という場所に内視鏡を入れ、その底に穴をあける手術です。溜まった髄液が、第3脳室の直下にある脳底槽と言う場所に流れ、吸収されます。

 

最後に

 

この病気を患われた患者さんのご家族の方が書かれた体験談がありましたが、年々認知症の徴候が出てくる母を何とかしたいと思われ、この手術を受けられたところ、わずか数日で人工関節でゆっくり歩かれていたのが、驚くほどスイスイと軽快に歩かれるようになったとのことでした。

 

効果の度合いについては個人差があると思いますが、認知症治療では進行を遅らせることは出来ても、大きく回復に繋がる治療法というのが未だ存在しないため、このような劇的な改善法があるということは、患者さんの希望になると思います。認知症症状が生じている方の5%程度にしか適合しない手術法ですが、病気が疑われた方は一度検査を受けてみることをお勧めします。

 

 

 

(photo by://pixabay.com/ja/%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85-%E5%8F%A4%E3%81%84-%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB-%E6%AE%8B%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%88%86-114328/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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