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パーキンソン病とiPS細胞治療について

 

パーキンソン病とiPS細胞治療について

 

パーキンソン病という病気をご存知でしょうか?パーキンソン病は脳内の神経伝達ドーパミンの欠乏により、主に

 

1)手足が震える安静時振戦

2)動きが遅くなる無動

3)筋肉が硬くなる筋固縮

4)体のバランスが悪くなる姿勢反射障害

 

など大きく分けて4つの運動症状と、非運動症状(便秘や頻尿など自律神経系の症状や、うつ病や認知症など精神症状)があります。

 

現在、根本的な治療法が存在しない難病に指定されています。
この発症に気づいた時点で、既に脳内ドーパミンを産生する神経細胞が通常時の約20%まで減少していることが分かっていますが、中枢神経細胞は末梢神経細胞と異なり、破壊が起こると再生されるということがほとんど無いため、一度パーキンソン病にかかるとその進行を遅らせるしか方法がないといわれています。

 

しかし、近年注目されているiPS細胞治療の登場により、その現状が大きく変わる可能性が期待できるとの報告がなされています。
ここでは、パーキンソン病が発症する仕組みと、研究の現状について調べて行きたいと思います。

 

パーキンソン病の原因について

 

パーキンソン病になる原因は、中脳黒質細胞から大脳基底核にある線条体へ向けてのドーパミン投射を行う「ドーパミン産生細胞」が脱落するために起こるものであるということがわかっています。
そのドーパミン産生細胞の中に、レビー小体という球状の変異タンパク質が現れると、細胞膜やミトコンドリアを変化させ、障害を起こします。このレビー小体の発現場所は、初期から順に

 

1)迷走神経背側核と嗅球

2)下部脳幹や中脳黒質

3)前脳基底部や側頭葉皮質・大脳新皮質

 

の順に進展していくと言われています。1)に関しては、嗅球部分に障害が起こることから、パーキンソン病の初期症状として、匂いを感じないなどの嗅覚障害が発現します。2)は運動障害、3)は精神障害が発現する段階であると言われています。


パーキンソン病の原因がはじめて特定できたのは、1979年の麻薬中毒者の青年の事件がきっかけであるそうです。青年が自己合成した麻薬によりパーキンソン様症状となり、その後投薬による治療を受けるものの、交通事故により死亡するという事件が起こったそうです。その脳を解剖したところ、中脳にある黒質細胞が破壊されていたことが判明しました。


その原因として、合成麻薬に含まれるMPTPが黒質のドーパミン細胞に入り込んで引き起こしたものであるということが分かり、パーキンソン病発症の本質が徐々に明らかになってきました。このMPTPという物質は、現在でも動物実験を行う際に、被験体をパーキンソン病として再現させるために使用されています。

 

しかし、このMPTP物質がどのようにして体内で産生されているのかということに関しては未だ不明です。
また、このような中枢神経細胞は、一度破壊が起こると再生されることはほとんどありません。そのため現在では根本的な治療法が無いため、対処療法によって、その進行を遅らせるいう治療法のみに頼っている状態です。しかし近年のiPS細胞やES細胞の研究の進展により、この流れが大きく変わろうとしています。

 

現在の研究状況について

 

京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授によると、iPS細胞の研究は、現在動物実験の最終段階に入っており、早ければ3年以内に国へ臨床研究の計画申請を行いたいと考えられているようです
動物実験の結果については、iPS、ES両細胞からドーパミン産生細胞を作ってパーキンソン症状のあるカニクイザルに移植したところ、ほとんど動けない状態から、動き回れるまで回復したということです。産生細胞も定着し、その効果は1年程度持続したとの報告があります。

 

また、幹細胞以外の移植手術としては、胎児の神経細胞を使って移植するという方法があるようです。実際に米国やスウェーデン、カナダなどで過去20年に400例程の臨床試験が行われたことがあるとのことですが、1回移植を行うのに5~10体の中絶胎児の中脳細胞を使用する必要があり、改善の効果は出ているものの日本では倫理面等の問題があるとして、研究は進められていないようです。

 

この移植手術の副作用として、細胞を移植する際に他の神経伝達物質産生細胞が入り、不随意運動やジスキネジア(異常運動症)を引き起こした例があるようです。同様に幹細胞移植においてもこの問題を防止する必要があると考えられています。


現在の治療法について

 

現存の治療法としては、
1)内科的治療法
2)外科的治療法
の2種類が存在します。


内科的治療法では、主にドーパミンの補充を補助する薬剤が用いられます。

 

・Lドーパ製剤(長期使用により、効き目が弱くなり、次第に不随意運動が出てくるので、はじめに「ドーパミンアゴニスト」製剤を使い、Lドーパ製剤の開始時期を遅らせる方法が主流のようです。)

外科的治療法では、脳に電気刺激を与え、脳細胞を活性化させる方法を用います。

 

・脳深部刺激療法(DBS)…脳深部(視床下核)に電気刺激を与える電極を埋め込み、また胸部の皮下に刺激発生装置を埋め込んで、2つを皮下ワイヤーでつないで脳の刺激を行います。


最後に


パーキンソン病を発症すると、初期の段階で嗅覚を司る嗅球細胞が破壊され、嗅覚障害が起こるとされています。著者の周りにもこの徴候があり、その方の母がこの病気を患われた経歴があり、心配をしていたのですがどうやらこの病気は遺伝性のものではないようです。また、その他の初期症状としては、瞬きの回数が減る、食欲不振などがありますが、この徴候があり羅患が疑われる場合は、出来るだけ早めの検査を受けるなど対策を行ったほうが良いと思われます。

 

パーキンソン病と聞くと珍しい病気であるように思われがちですが、その発症確立は1000人中1人と高確率で発症していることが分かります。現在有効とされる予防法などは存在せず、対処療法での治療という現状(一部動物実験の段階ではありますが、サラシアがレビー小脳体の病変を改善したと言う報告があるようですが人への臨床検査は行われていないようです)ではありますが、早期であれば数年以内とも言われるIPS治療の人への適用の報告を待ちたいところです。

 

(photo by://pixabay.com/ja/%E6%89%8B-%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0-%E6%8C%87%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0-%E7%94%9F%E6%B4%BB-%E5%A5%B3%E6%80%A7-%E6%8C%87-%E5%A4%8F%E3%81%AB-%E7%9F%B3-%E8%B6%B3-114626/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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