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全身性の血管炎症性疾患「ウェゲナー肉芽腫」は早期治療が鍵

全身性の血管炎症性疾患「ウェゲナー肉芽腫」は早期治療が鍵

ウェゲナー肉芽腫という病気をご存知でしょうか?この病気は患者数が日本において約1500人と非常に稀な発症率を持つ難病で、症状も非常に多岐に渡るため診断に結びつくまでが難しく、気づいたときには重症になっていた、というケースが多く報告されている病気です。

 

特徴的な症状として、初期には原因不明の発熱や倦怠感などとともに、蓄膿症や鼻出血、中耳炎、目の痛み、かすれ声、血の混じった痰など上気道の症状が起こります。また肺症状として血痰や呼吸困難が先に起こることもあります。

 

症例が少ないため、この病気と診断されるまでに約10年を費やしたとブログ上に書かれている方もいらっしゃいました。過去の1960年代においては治療法が確立せず、発症すれば死亡率が90%であると言われていましたが、現在では、ステロイド大量投与療法などによる免疫抑制治療で寛解率は約80%であると言われています。

 

早期に診断を受けて、早く治療に取り掛かることが寛解に結びつくと言われています。

 

発症の原因とは? 

ウェゲナー肉芽腫の発症の原因は不明とされていますが、この病気の患者さんの血中にだけ自己の好中球(白血球)に対する抗体が見られるので、これが発病に関わっていると考えられています。

 

発病のきっかけとしては、風邪などの上気道感染症に対する免疫作用が何らかの原因で誤作動を起こし自己免疫疾患に結びついたものだと考えられます。

 

特徴的な症状について 

ウェゲナー肉芽腫には特徴的な3つの症状があり、

1)鼻など上気道の炎症

2)肺の炎症

3)腎臓の炎症、加えて全身性の血管炎症状

が挙げられます。

 

発症の順序としては上記でも述べましたが、一般的には発熱や倦怠感などの全身症状とともに、

 

1)上気道の症状(蓄膿症、鼻出血、鼻水、鼻のへこみ、中耳炎、充血、目の痛み、眼球突出、かすれ声など)

 

2)肺症状(血の混じった痰、呼吸困難など)、また2)腎症状(両足のむくみ、突然の高血圧、尿の泡立ち、血尿など)、

 

3)その他の血管炎を思わせる症状(38度を越すような発熱が続く、原因不明の体重減少、関節の痛み、皮膚の赤い斑点(紫斑)、手足の痺れ(多発性神経炎)など)

 

が引き起こされます。

 

多くは、1)→2)→3)の順で起こることが多いようですが、中には2)肺症状から起こるケースや単独で発症するケースなどもあり、注意が必要です。

 

また、症状が長期間になると、臓器が炎症した結果特有の症状を表し、心臓であれば心筋梗塞、腸であれば消化管出血、肺に水が溜まれば胸膜炎が起こる可能性もあります。

 

診断について 

診断については、複数の検査を総合的に判断して行われます。上記のような症状が出現していたり、血液検査、尿検査、レントゲン検査などの結果を総合的に判断します。

 

この病気であると判断できるのは、他の病気ではないことを確認することが重要ですので、これらの検査に加え、全身のCT・MRI検査やガリウムシンチグラフィーなどの放射線検査などを行います。

 

血液検査におけるウェゲナー肉芽腫のマーカーは、血管炎に共通して見られる血沈やCRP値の上昇、白血球数の増加などの異常などがあります。

 

治療について

症状の初期であれば、免疫抑制剤や副腎皮質ステロイド剤による免疫抑制療法で寛解に向かわせることが可能です。症状が進んでいる場合は、大量静注療法を行います。

 

◆免疫抑制剤 

サイクロフォスファミド(エンドキサン)、アザチオプリン(イムラン)を1日体重あたり1~2mg/kg使用します。治療に抵抗性を示す場合は、エンドキサンのパルス療法(大量点滴静注療法)を行う場合もあります。

 

◆副腎皮質ステロイド剤 

通常プレドニンの30~60mg/日大量投与を施行します。治療抵抗性の場合は、ステロイドパルス療法(大量点滴静注療法)を行う場合もあります。

 

これらの療法を1~2ヶ月行い、以降は血液中の炎症反応の推移をみながら、徐々に減量していきます。寛解状態になったら、免疫抑制療法を維持し、病気が再燃しないように再び経過観察をします。

 

この病気は早期に発見できれば80%が寛解できる病気だと言われています。稀な病気であるため、医師も気が付きにくく、発見が遅れてしまうことが多くあるようです。

 

予防できる手段としては、こういった難病や希少な病気について普段から感心を寄せ、万が一の場面において自ら提案できることではないだろうかと思います。 

(Photo by://pixabay.com/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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