カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 気になる病気・症状 >
  3. 脳・神経 >
  4. もやもや病 >
  5. 過呼吸後、数分間の脱力症状があれば早期手術が必要~もやもや病

気になる病気・症状

過呼吸後、数分間の脱力症状があれば早期手術が必要~もやもや病

小児型もやもや病の疑いとは?

もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)という病気をご存知でしょうか?この病気は、小児(5歳~10歳)と成人(30歳代)に発症の可能性のある、原因不明の(遺伝や自己免疫疾患による可能性もあるとされていますが)脳血流障害の病気です。

 

脳への血流不足によって脱力症状が生じる「虚血型」(主に小児発症)と、頭蓋内出血によって頭痛から重度の意識障害などが生じる「出血型」(主に成人発症)の2種類があります。ここでは、主に小児型についてご説明したいと思います。

 

小児型もやもや病の原因

小児型もやもや病の発症の原因としては、頚動脈が徐々に狭窄を生じることに起因します。

 

血管狭窄によって脳深部に血液が不足し、これを解消するために無数の新生血管(タバコの煙が立ち上がったようにもやもやとして見える血管)が網目状に生じます。網目状の血管は非常に細く、狭窄した動脈の血流量には追いつかないため、脳への血流は依然不足した状態になります。

 

この際にはしゃいだり息を強く押し出すような動作(湯気を覚ますさいにフーッと息を吹きかけることや、吹奏楽器の演奏、泣くなど)などの過呼吸が起こると、脳血管が収縮し、一気に血流が不足して脱力症状を引き起こします(一過性脱力発作)。

 

繰り返す脱力発作は、脳梗塞の発症に繋がる 

どのような病気でも「早期発見」「早期治療」は重要であるとされますが、もやもや病のような脳血管障害に関する病気の場合、このような早期の対策が絶対的に必須となります。

 

一過性脱力発作が繰り返し生じることによって、頚動脈に閉塞が起きやすくなり、脳梗塞発症に繋がります。一旦脳細胞に血流が途絶えると、壊死が生じて、運動機能や言語機能、感覚機能等に重い障害が生じる場合があります。

 

脳梗塞の状態は約6.8秒続けば、意識消失を起こし、約3~10分の持続で不可逆的な損傷を受けるということが分かっています。

 

一過性脱力発作は、いつどこで発症するのか予測が不可能なため、この病気と診断されたら、早期に手術を受けることが必要になります。

 

狭窄部分はどの場所にあるか? 

もやもや病において、狭窄を起こす場所は「内頸動脈」という動脈です。

 

心臓から押し出された血液は、脳へ栄養を送るために、首の前方を通る「内頸動脈」と首の後方を通る「椎骨動脈」の左右2対の計4本の血管を上行します。この動脈を通って血液が垂直に上がって行き、中央から頭蓋内に入り、頭蓋底部においてこれら4本の血管がロータリーのような輪を形成して繋がっている「ウィリス動脈輪」が存在します。

 

このウィリス動脈輪は、どれか1本の動脈が閉塞するなど機能不全に陥っても、他の動脈が血液を流れさせるようなバイパス構造を形成しています。

 

もやもや病では、内頚動脈が頭蓋内に入って分岐する直前の部分において狭窄や閉塞が起こります。そのため、ウィリス動脈輪に血流が不足し、これを補うために付近の毛細血管に新生が起こります。

 

もやもや病の診断方法とは?

小児発症、成人発症ともに頭部MRI、MRAを行うことにより診断できます。最終的な確定診断には脳血管撮影(検査入院が必要)が必要です。

 

治療法にはどのようなものがあるか? 

もやもや病発症の原因は未だ不明な部分が多く、根本的な治療法が無いとされています。

 

現在の治療方法としては、

◆内科的治療(抗血小板剤などの内服薬)

◆外科手術(血行再建術)

の2種類があります。

 

内科的治療は虚血発作の回数を抑える効果はあっても、病気の進行を抑えたり脳血流を増加させるような作用は無いため、脳血流の低下や虚血発作を繰り返しているような場合においては、外科手術が有効になります。

 

血行再建術は2つの種類があり、

◆直接バイパス術…頭蓋骨の外側の皮膚にある「浅側頭動脈」と、脳の表面にある「中大脳動脈」を直接縫い合わせるというバイパス手術です。

 

◆間接バイパス術…浅側頭動脈や脳を包む硬膜、側頭筋(頭蓋骨の表面に付い ている筋肉)などを、脳の表面に接触させた状態に手術し、脳へ自然のバイパスが形成されるようにする手術です。

 

手術の予後に関して

予後に関して、大規模な症例数を集めた報告は未だ存在しないようですが、ある病院が過去に行った血行再建術の予後(術後5年以上経過)に関する統計においては、30例中27例(90%)で術後は全く後遺症なく生活できているとのことです。

 

残りの3例中1例は大きな脳出血で発症した症例で、あとの2例は他の病院で手術を行われずに長期に経過観察されてしまっており、転院した症例でした。

 

上記の症例からも、この病気と診断された場合は、早期に血行再建術を行うことで、予後が改善されることが分かっています。発作に気が付いたときには、症状が繰り返す前に早期診断・早期治療を行ってください。

 

早い決断が脳梗塞発症への可能性を防ぐことへと繋がります。

(Photo by://pixabay.com/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-31掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

もやもや病に関する記事

どう違うの?小児型もやもや病と成人型もやもや病の違い

  もやもや病にかかる年齢層には2つのピークがあります。 まず最初のピークは...

もやもや病ってなに?もやもや病の発生機序

もやもや病とは一体何なのか?どのようにしてもやもや病が起こるのかまとめます。...


血管が細くなる?!症状の出方も様々な‘もやもや病’の症状分類

<もやもや病とは> 脳の大きな血管が詰まったり、細くなって血液量が確保でき...

子供が急に脱力をして倒れたり、失神したら?もやもや病に注意!

学校で急に脱力をして倒れる子ども。自分自身が子どもの時も何かの折に見たことが...

カラダノートひろば

もやもや病の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る