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貧血の原因が不明であるとき「スポーツ性貧血」を疑ってみる

 

最近毎日のように体が重く、階段を少し上るだけで激しい動悸と息切れがする…。そういった症状が出た際に、もし目の粘膜が白く顔が青白い、爪がスプーン状に反り返っているなどの体のサインが出ていたら、貧血であると判断しても良いと思います。

 

貧血と聞くと、偏食する人や体が病弱な人に起こるというイメージがあるかもしれませんが、貧血の中でも「スポーツ性貧血」というものは主にスポーツ選手や激しい運動を継続的に行っている方に良く見られます。

 

毎日食事は3食バランス良く食べている、運動も毎日部活やジムなどに通って継続的に行っている、しかしなぜか毎日体が重く息切れする…と言った場合、この病気を疑ってみた方が良いかもしれません。

 

スポーツを行っていて体が丈夫で体力に自身のある方ほど、病気を罹った経験があまり無いため、体の調子に異変があっても受診せず無理をして状態を悪化させてしまうことが多くあるようです。

 

スポーツ性貧血とは、上記のような息切れ・めまい・頭痛・動悸・顔面蒼白などの貧血症状が出る血液疾患で、運動によって血中の赤血球の数やヘモグロビン濃度が低下した状態を指します。この病気の原因としては主に足裏の毛細血管に強い反復衝撃が加わることによる溶血が原因(溶血性貧血)であるとされており、マラソンや剣道など足裏に強い衝撃が繰り返される種目の選手などに多く見られるようです。

 

「溶血」とは、血液中の赤血球が破壊されることを言いますが、この赤血球は薄い一枚の生体膜で構成されているため簡単に壊れてしまいます。また、酸素を運搬するという役割を持っているので、これが欠乏することにより様々な酸欠症状が生じます。

 

また、さらに汗によるミネラルの損失で鉄分の消費量が増え(鉄欠乏性貧血)、また女性においては月経などの原因も加わり、より発症率が高くなります。

 

体内の鉄量はどれくらいあるか?

体内の鉄貯蔵量は2~5gであると言われています。その内ヘモグロビンとして60~70%存在し、肝臓・脾臓・骨髄中の貯蔵鉄として20~30%存在しています。 通常、1日の鉄損失量は、尿・汗・皮膚などからおよそ1mg排出されています。女性の場合、月経血としての損失量は約0.5mg/日と言われています。

 

スポーツ性貧血に診断されるには?

スポーツ性貧血と診断されるには、次の2つの項目が重要です。

◆MCV(平均赤血球ヘモグロビン量)

◆MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度) 

 

MCV値が80未満、かつMCHC値が30未満で、鉄欠乏症貧血と診断されます。

 

治療法とは?

治療法には、1)内服薬によるものと、2)静脈注射や点滴による鉄投与治療があります。服薬が難しかったり、ヘモグロビンの損失が過剰なときには、静脈注射や点滴による鉄投与が行われます。

 

◆内服薬…経口鉄剤(硫酸鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、オロチン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、スレオニン鉄など。一日あたり200mg程度を投与する。)

◆静脈注射や点滴…血中ヘモグロビン値によって投与量を調整する。

 

自己食事管理によって行える、スポーツ性貧血の予防方法とは?

食事管理によって自分でできる、スポーツ性貧血の予防方法は基本的には以下の4点が重要です。

 

<進んで行うべき方法>

1)赤血球の主材料となる「鉄」の補給をする。

(月経のある一般女性で10.5〜13.5mg/日の摂取が推奨されています) 

2)鉄分は食品によって吸収率が異なるので、吸収性のよい動物性食品(ヘム鉄)から補給する。

3)赤血球の合成を助ける「タンパク質、ビタミンB6・B12、葉酸、セレン」などを補給する。 

4)赤血球膜の過酸化予防として、「ビタミンC・E、ポリフェノール」などの抗酸化剤を補給する。

 

<避けるべき方法>

1)鉄の吸収率を下げるため、お茶・コーヒーなどに含まれる「タンニン」との併用は避ける(但し、あまり影響が無いとも言われています) 

2)ほうれん草などに含まれるアクの成分「シュウ酸」は鉄の吸収率を妨げるので、アク抜きを行う。

3)穀類や豆類などに含まれる「フィチン酸」は、鉄分と結びつくことで不溶性の成分になり、腸での吸収が妨げられるので注意する。 

4)「食物繊維」も鉄を吸着して、腸での吸収を妨げる働きがあるので過剰摂取に注意する。

 

またもっとも重要なこととして、足裏への刺激を和らげるエアクッションなどの入った靴を使用することは非常に重要な対策のひとつです。

 

この病気は徐々にヘモグロビンが減少して行くことによって引き起こされるので、「何となく体調が悪い状態」が少しづつ悪化していったような感覚で、自覚しにくい病気であると言えます。検査値を目の当たりにして、体の重量感の原因がやっと分かって安心したといわれる方も多いようです。

 

この記事を書いている著者も学生時代にバレーボール等の激しい運動を行っていたときに患った経験がありますが、それまで一度も病気の経験が無かったこともあり、年に一度の健康診断によってようやく発見されたという覚えがあります。

 

毎日足裏を強打するようなスポーツを行っていて、動悸やめまいがする場合はかなり症状が進行していて危険な場合もありますので、異変に気づいたときには早期に血液内科を受診されることをお勧めします。

(photo by://pixabay.com/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-02掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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