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気になる病気・症状

病気発症後1年以内であれば適応可能~リスクの少ない角膜移植術

 

リスクの少ない角膜移植術は、病気発症1年後には適応されない?!~水疱性角膜症について~

 

水疱性角膜症という病気をご存知でしょうか?この病気は、加齢やコンタクトレンズの長時間の装着が原因角膜内皮細胞という5層構造をした角膜の最も内側に存在する組織が減少することによって、眼内の水分の排出が上手くいかなくなり、角膜が浮腫を起こして白濁と視力低下が起こる病気です。この角膜内皮細胞は、生まれたときより細胞の数が決まっており(新生児では1平方mmにつき約3000個、成人では約2000個)、損傷すると二度と再生はしないため症状を回復させるには角膜移植が必要となります。ここでは、その角膜移植の実際の種類や順序についてご説明したいと思います。

 

移植手術の種類について

 

角膜移植手術の種類としては、次の2つがあります。

1)全層角膜移植…5層全てを入れ替える手術法。
2)角膜内皮移植…角膜内皮のみを入れ替える手術法。

 

◇全層角膜移植術:5層構造になっている角膜全てを、新しく提供された角膜と交換する手術法。ドナー角膜の全層を7mmの円形に打ち抜いて縫合し、移植する。手術時間は1時間程度で入院期間は、1~2週間。早ければ1ヶ月程度で視力が回復するとされている。

 

◆適応される症状

長期に渡る水泡性角膜症、全層に及ぶ角膜混濁や角膜変性などが見られる場合。


◆メリット

昔からある手術法で100年間の実績があるので、手術の成績が安定している。

 

◆デメリット

角膜をすべて交換するので、拒絶反応が起こりやすい。長期的には、だんだん内皮細胞が減少していく傾向がある。再度角膜移植が必要になることもある。術中・術後に合併症が起こる可能性がある。

 

・術中合併症…駆遂性出血眼底から強い出血が起き失明に至る症状。1,000人に1人が起こるとされている。リスク要因は高血圧である。 

・術後合併症…縫合不全など。拒絶反応は大抵術後1~2週間から数ヶ月後の間に起きる。頻度としては10~20%。ステロイド薬による対処で大抵は治療できる。)

 

◇角膜内皮移植術:角膜内皮だけが障害されている場合に適応される手術法で、内皮細胞とデスメ膜(内皮細胞の基底膜)を取り除き、ドナー角膜の内皮と深層実質を移植する方法。ドナー角膜の内皮層を空気の圧力で接着させ、角膜を縫合せず手術を終えることができるので、移植後に乱視を増やさないというメリットがある。また、全層角膜移植術と比較して、視力回復が早い、外傷に強いなど多くのメリットがある。手術時間は、約40分。


◆適応される症状

角膜内皮のみが傷害されている場合(水疱性角膜症を発症してから1年以上が経過していて、角膜実質に強い混濁が生じてしまった場合、この手術では改善が得られないため、全層角膜移植を選択することになる

 

◆メリット

角膜前面の形状変化が少ないため、乱視が少ない、術後の視力回復が早い。縫合糸を使用しないので糸に対する合併症がない異物感が少なく外傷に強い。拒絶反応が少ない。

 

◆デメリット

移植角膜内皮の剥離・脱落の可能性:縫合糸を使用せず、ガスによって接着させるので脱落し、再手術が必要になる可能性がある

 
最新機器導入による角膜移植の成果とは?

 

イントラレースFSレーザー(iFS)という、2011年に日本において厚生労働省の認可を受けた角膜切開を行うための最新機器があり、これを用いた手術において移植の精度が上がり安全で早い治癒が見込めるようになったという報告があります。この機器を導入している医院も日本において徐々に増えつつあるようです。この機器による手術の際のメリットは以下の通りです。


1)術式に応じた形状の角膜が切り出せるので(角膜の上層と下層の幅に差のある2段階の帽子型なっているもの、固定されやすいよう角膜の縁が2重になっているものなど)ピタリと移植される

 

2)縫合が最小限で済み、治癒が早まる。

 

3)創口部が閉鎖しやすく、従来の角膜移植と比べると7倍の閉鎖性を持っているので治癒が早い。

 

最後に

 

昔に比べると、角膜移植の手術法はより安全で合併症が起こりにくい方法が存在するようですが、水疱性角膜症発症から1年以上経過していると角膜内皮移植が受けられなかったり移植しても脱落する可能性があったり、なにより国内の角膜のドナーが少ないなどと一筋縄ではいかないというのが現状であるように感じました。また、全層角膜移植になるとやはり合併症のリスクが気になります。

 

多くの方はコンタクトレンズの誤った使用方法によって角膜内皮細胞を減少させこの病気の発症リスクを高めています。毎日の少しの習慣の改善で(コンタクトは決まった時間内の装着、またはハードコンタクトに変えるなど)将来の病気の予防になるのなら、今からその習慣を見直すべきではないでしょうか?
 

 

(photo by://pixabay.com/ja/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%95-%E7%9B%AE-%E7%B7%91%E3%81%AE%E8%91%89-%E5%A4%96%E8%A6%B3-%E5%BF%83-117554/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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