頭痛
頭痛と高熱なら気をつけて!考えられる病気や原因、対処法とは
インフルエンザになると、全身の倦怠感と頭痛、そして高い熱が特徴的に起きます。強い頭痛と高熱は、感染症の可能性が高いかもしれません。
熱は身体のサイン
高熱が出たときは、身体が異物を排除しようと温度を上げていることがあります。感染症で高い熱が出るのは、なんらかの炎症が起きていると考えられるのです。すぐに解熱剤を飲むのではなく、効果的な対処方法を。
軽い風邪であればじきに熱が下がりますが、頭痛と熱のほかに、嘔吐や首の硬直などがある場合には、髄膜炎なども疑われます。放置すると悪化して意識障害なども起きる可能性があるので、風邪っぽいな、などと思わずに、すぐに病院へ行きましょう。
微熱の場合
副鼻腔炎や蓄膿症などの細菌性感染症の場合も、頭痛と微熱が続きます。長期間、微熱が続くようなら、病院に行きましょう。なにか別な病気が隠れているかもしれません。
熱で頭痛が起きているのではない
全身に熱が出ることと頭痛は、関係しているかもしれないし、そうではないかもしれません。たかが風邪、と思わずに、冷静に自分の身体の状態をチェックして、適切な処置をしましょう。
熱が高いときの指圧対処法
発熱でつらいとき、自宅でできるかんたんな指圧治療で、らくになることもあります。自分でするよりも、家族やパートナーにしてもらうとより効果的です。
1.仰向きに寝かせ、静かにおなかに手を当ててゆっくり静かに押す
(おへそのあたりに拍動を感じたら、そこをじっくりおさえる)
2.右手でおなかを押さえながら、左手を相手のおでこの上に置くと、気分が落ちついてきます
3.左手をおなかに置いたまま、右手で両方の上腕を交互にジワッと握ります。
神経の緊張がほぐれ、リラックスしてきます。
4.足のふくらはぎをゆっくりつかみ、つぎに足の裏を親指で深く押します。
血行がよくなり、のぼせを下げるといわれています。
5.再びおなかです。
左手を背中側に回して、右手の4本の指でおなかを少し深くまで押します。
このような指圧は、自宅でできる対処の一例です。
もちろん、インフルエンザやおたふくかぜなどの感染症である心配もありますから、まずすぐに受診することが大切です。
そのあとの自宅での静養のときに、試してみてはいかがでしょうか?
別な病気の症状として現れる頭痛と熱
激しい頭痛と、それに伴う発熱があった場合、脳の病気の可能性もあります。
頭痛もちの人は、いつもと違う頭痛には要注意です。
いつもと違うときは要注意
今まで経験したことがないような頭痛が、突然起きた場合には、脳出血やクモ膜下出血などの恐れがあります。
頭痛以外につぎのような症状がある場合には、早めに医師に相談が必要です。
・高熱
・視覚の異常
・平衡感覚の異常
・意識障害
・感覚異常:手足に力が入らないなど
・言語障害、記憶障害
・血圧が高い
・いつもの頭痛薬が効かない
脳の検査を
脳腫瘍では、頭痛はさほどひどくない場合が多いようです。
しかし、どんな病気が隠れているかわかりません。
CTやMRIなどで検査し、脳の病気を見逃さないようにしましょう。
「いつもとちがう」に気づく
通常の頭痛は、血管の収縮や拡張で神経が圧迫されて起こります。
慢性的に頭痛がおこる人は、こうした痛みを和らげたりする方法を日頃から持っています。
ですが、急性におきる激しい頭痛などを、いつもの頭痛と違う、と気づくことが大切です。
これはおかしい、と思ったら、すぐに病院へいきましょう。
頭痛の予防
多くの慢性的な頭痛は、血行が悪いことから起こります。
そのため、「あ、またくるな」とわかる頭痛もあり、その場合には自分に合った頓服薬を飲むなど、早めの処置が有効です。
また、頭痛を少しでも予防できるように、次のようなことも試してみましょう。
・首を冷やさない
・パソコン作業を続けるときには、一定時間毎に肩や首の運動
・朝風呂に入って血行を良くする
・アルコールを飲み過ぎない
・夏もあたたかい飲み物を心がける
・冬は軽くて暖かい服装を
・目を使いすぎない。蒸しタオルなどで目をいたわる
・ビタミンやミネラルを積極的にとる
自分にあった対処方法で、頭痛と上手につきあいましょう。
頭痛と発熱の対処法
頭痛と発熱のときには、どちらをさきに手当てしますか?
痛みがひどければまず鎮痛
我慢できない頭痛であれば、鎮痛剤で痛みを抑えましょう。鎮痛剤を服用するときには、食事のあと30分以内が鉄則です。
弱った体では、鎮痛剤がさらに胃に負担をかけることになるので、胃粘膜を保護するためにも消化の良いものを食べてから飲みましょう。
熱は無理に下げない
熱は、身体の抵抗力でもありますから、簡単に下げない方がいい場合もあります。また、座薬などを使用すると、体温が下がりすぎることもあるので要注意です。
頸部を冷やすと、頭に向かう血液が冷やされるので、頭痛が収まるともいわれますが、冷やしすぎるのも考えものです。
ビタミンB1
また、熱には血行を良くするカプサイシンやビタミンB1が効果的です。ビタミンB1は身体の免疫力を高め、身体を温めます。こんにゃくやネギに含まれるビタミンB1は、熱にも強いためオススメです。また、うなぎや豚肉、玄米などにも多く含まれます。
カプサイシン
カプサイシンは、欧米では経皮鎮痛薬にも用いられていますが、血液の循環をよくし、新陳代謝を活発にさせる働きがあります。発汗作用もあり、汗を出すことで解熱につながります。
ただし、胃腸が弱っているときには、量を加減することが必要です。
水分補給
発熱すると、水分が失われます。脱水になりやすくなりますから、とくに子どもや高齢者の場合には、注意が必要です。血管が拡張し、血圧が低下して頭痛が起きている場合もあります。
十分に水分をとって、血液がドロドロにならないように心がけることで、つらい症状が早めに改善されるかもしれません。
お風呂に入る
もし、お風呂やシャワーを使える体力があれば、お風呂も効果的です。血行が良くなり、熱が下がりやすくなります。
ただ、あまり長湯はせず、入浴後はしっかり水分をとって静かにすることが大切です。
頭痛外来で自分に合った鎮痛剤を
心配なのは、薬を多用することです。消炎・解熱・鎮痛剤のなかには、腎臓などに負担をかけやすい薬もあります。頭痛持ちになると、どうしても鎮痛剤を多めに飲みがちですが、自己判断での多用は注意しましょう。
頭痛持ちの人は、一度頭痛外来で頭痛の強さに合わせて、ひどいときの鎮痛剤と、比較的軽いときの頓服を処方してもらうとよいでしょう。
高熱と頭痛、インフルエンザかも?
風邪などの症状からくる発熱と頭痛には、市販薬を複合的に飲まず、1種類だけにしましょう。熱が高い場合には、感染症の可能性もありますから、医師の診察をかならず受けましょう。
発熱を伴う頭痛は我慢せずに原因をきちんと治そう
酷い頭痛がして熱がある場合は、そのほとんどが感染症など何らかの原因があります。「頭痛薬を飲んでいれば、そのうち治るから大丈夫」という考えは最も危険です。
確かに頭痛薬を服用すれば、一時的に痛みは和らぐかもしれません。しかし、原因によっては逆に症状を悪化させたり、治療が遅れることになりかねません。いつもとは違う、熱をともなう酷い頭痛は、早めに原因治療をすることが大切です。
発熱を伴う頭痛の原疾患
1. インフルエンザ
2. ウイルス性脳炎
3. 急性咽頭炎
4. 風邪症候群
5. 扁桃周囲炎
6. 慢性副鼻腔炎
7. 急性扁桃炎
8. 脳出血
9. 神経梅毒
10. 性器ヘルペス感染症
11. 伝染性単核球症
その他にも発熱をともなう頭痛を症状とする疾患はたくさんあります。
そのほとんどは感染してから数日以内に症状を発症するものがほとんどですが、かぜやインフルエンザの場合は発熱・頭痛以外にもせきやのどの痛み、鼻の症状なども出てきますから、なんとなく自分でもわかるかもしれません。
ですが危険なのは、ウイルス性脳炎や脳出血です。この場合、頭痛薬で我慢しようなどと言うレベルの頭痛ではなく、激しく、ハンマーか何かで叩かれたかのような激痛が出現することが多いようです。
また吐き気であったり、めまいや四肢のしびれなど、他の症状も出現します。ヘルペスなどの場合は、皮膚や性器に目に見える異常が出てきますので、こちらもなんとなくいつもとは違うという自覚がでてくるはずです。
あまり聞いたことのないものに伝染性単核球症というものがありますが、こちらもリンパ節が腫れてきたり、発熱・頭痛の他に体に湿疹が現れたりしますので、異常を感じたらとにかく医師に相談してみるのが一番早い対策であると言えます。
中には一刻を争うものもありますので、発熱を伴う酷い頭痛は我慢をしないことが原則だと言えるでしょう。
頭痛・発熱の原因としてあまり知られていない副鼻腔炎
頭痛は誰にとっても辛いものです。最近、この頭痛を訴える方が多くなり、一種の現代病だと言われるほどになっています。
しかし、この「頭痛」というのは一つの症状であり、頭痛の裏に、何らかの原因があるというのが本来の考え方です。今は頭痛外来というのが設けられており、頭痛の原因となる疾患を探したり、頭痛の種類によって症状を緩和する方法を指導したり、頭痛の種類によって効果的な頭痛薬を処方してくれます。
どこの頭痛外来も患者で混雑しており、これだけ頭痛で悩んでいる人が多くいるのだという現実を目の当たりにさせられます。
さて、この頭痛の原因としてあまり知られていないのが、実は慢性副鼻腔炎という疾患です。この疾患が根底にある場合、多くの場合は片頭痛のような不快な頭痛の症状を訴える方が多いようです。頭痛に加え、微熱ですが発熱を伴うことも多いため、風邪だと思われるケースも多くあります。
実際に、長年片頭痛で悩まされていたのに、あることで慢性副鼻腔炎と頭痛の関係を知り耳鼻咽喉科を受診したら、本当に慢性副鼻腔炎で、蓄積した膿を吸引してもらったら嘘のように頭痛が取れたという例もありました。
慢性副鼻腔炎の症状
1. 鼻閉(鼻づまり)
2. 鼻汁(鼻水)
3. 頭痛・頭重感
4. 顔面痛
5. 頬の痛み・歯痛
6. 咳嗽・痰
7. 嗅覚障害
8. 発熱
9. 肩こり
多くの場合は、耳鼻咽喉科できちんと鼻腔内の膿を吸引してもらい、症状に応じてネブライザーや薬物療法を行います。
薬物療法としては症状を抑える消炎酵素薬や解熱鎮痛薬、抗菌剤を服用するのが一般的で、その他に痰や鼻水を出しやすくするために気道粘膜修復薬や気道粘膜溶解薬、気道準活躍などが使用されます。
どちらにしても、専門医できちんと治療を受け、原因を改善することで頭痛も改善することが殆どです。
(Photo by:http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部