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メンタル

東洋医学のうつ治療とは? 漢方薬の効果や「食養」など

    

新規抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の登場により、これらの抗うつ薬を使用する機会は急激に増加してきています。

 

これらの薬剤はTCA(三環系抗うつ薬)でみられた抗コリン作用や心毒性(心臓に悪影響を及ぼす毒性)、鎮静などの作用が少なく、抗うつ効果もTCAと同様であると言われており、安全で有効な抗うつ薬として国内外のうつ病治療ガイドライン等で、第一選択として挙げられています。

その使いやすさのため、海外では約8割のうつ病患者が家庭での治療を受けているとも言われています。

 

しかし、その反面、症状が重篤化してから受診した場合などは、新規抗うつ薬では不十分なケースもあり、その場合はTCAに頼らざるを得ないこともあります。

 

TCAでは次のような副作用があり、効果よりもこの副作用に悩まされる方が多いようです。

そのため、各々の辛い副作用に対して漢方薬を併用し、副作用での苦痛を最小限に抑えて治療をしていくという、東洋・西洋合同医療が行われるようになっています。

 

◆ TCAの副作用◆

* 口渇

* 便秘

* 排尿障害

* 食欲不振

* 胃部不快感

* 動悸

* 不整脈

* 眠気

* 立ちくらみ

* 眩暈

* 吐き気

 

これらの症状に対し、その方の体質に合った漢方薬を処方してもらうことで、副作用が抑えられれば、服薬を途中で中断することも少なくなり、より治療し易くなるということで、治療を受ける側からは歓迎されているようです。

 

東洋医学と西洋医学の垣根を越えて、互いの利点を共有しあう事は、今後の医療にとっても望ましいことだと思います。

 

うつ症状が重い方向けの漢方薬

うつ病の方に漢方薬を処方する場合は、その方のタイプを2つに分けて、その方に合った漢方を処方します。

その分類の仕方を虚実といい、「虚証」と「実証」、「中間証」があります。

 

簡単な見分け方を一覧表にしてみましたので、参考にしてください。

 

 

重症のうつ病の方に、主に処方する漢方薬は次のようなものになります。

(軽症のうつ病、中等度のうつ病の場合の漢方薬については、別途説明致します。)

 

◆ 重症のうつ病◆

《中間証》

 

◎甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)

疲れがひどく、不安定な精神の高ぶりを鎮める甘い漢方の薬で、悲しみが強く、あくびがよく出る人に処方します。

その他、ヒステリー、てんかん、激しいけいれん性の咳(痰のない乾性の咳)、自律神経失調症、小児の夜泣き、ひきつけ、神経症、不眠症、チック症、舞踏病などにも使用します。

 

◎ 分心気飲(ぶんしんきいん)

こちらは煎じ薬で、根気がなく、吐き気があり食欲不振の症状が特徴的に見られる場合に用います。その他ノイローゼや拒食症、乳腺炎や管支炎、腎炎、浮腫にも効果があります。

 

◎ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

胃腸が弱く疲れやすい、元気のない方に使用します。病後や過労などで胃腸の働きが衰えている方の食欲の回復を図ります。

または慢性の下痢、内臓下垂、疲労時に熱や汗がでるような方にも効果があります。

その他、息切れ、頭痛、めまい、子宮下垂、胃下垂、腎下垂、脱肛、不正性器出血、流産、痔、低血圧症などにも応用されます。

 

◎ 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

疲労の蓄積などで衰弱した人の全身けんたい感、食欲不振などによる貧血の症状を改善し、体力の回復を促します。

術後、病後、産後、慢性疾患による消耗、また、寝汗、手足の冷えなどの症状を和らげます。

 

……などの薬を、気力・体力とも激しく低下している場合に処方することがあります。

 

うつ病を漢方薬で治療する場合、その進行具合を見分けるのは大変難しく、その方の症状を良く聞いて、適切な薬を見分けることが大切になります。

 

漢方薬の場合は、効果が現れて症状が落ち着くまで最低2~3ヶ月はかかります。

ですから、身体に負担の少ないマイルドな治療を根気強く行いたいという方向きです。

 

重症のうつ病の場合は、漢方薬のみで症状が改善しなければ、西洋医学の抗うつ薬を一緒に服用する場合もあります。

死にたい願望が出てきた場合は、手遅れにならないように早めに医師に相談し、漢方薬のみならず、適切な処方をしていただくことが必要です。

 

東洋医学がなぜうつ病に効果があるのか?

東洋医学は歴史が古く、数千年にもわたって経験を積み重ねてきた健康医学と考えられています。薬だけに頼ってしまわない健康的な体づくりをするための医学として近年でも色々な病気に取り入れられています。

 

東洋医学でのうつ病

うつ病は、東洋医学で重視する「肝」「脾」「心」「肺」「腎」のバランスが崩れてしまっている状態です。

 

ストレスを受けやすい「肝」 

消化不良を起こしてしまう「脾」

血流を悪くしてしまう「心」 

のぼせや動悸をおこしてしまう「肺」

過緊張や人間関係を恐れてしまう「腎」

 

というように、身体的ダメージだけでなく精神的にもダメージを受けているのです。

この「肝」「脾」「心」「肺」「腎」のバランスを整えることで、病気になりにくく健康的な体を手に入れようというのが東洋医学なのです。

 

漢方薬や鍼灸による治療

どれかの部分に変調が起これば、感情に異常が起き、うつ病の特徴ともなる意欲の低下や不安感、だるさなどが起こるといわれています。

東洋医学ではこの解消をするのに、「漢方薬」による治療や、「鍼灸」による治療をメインに行われます。鍼灸においては、ほとんどが保険適用外となるので、頻繁に通院するにはそれなりに費用もかかります。漢方薬の場合には保険適用のある病院で処方してもらえることもあるので、医師に相談してみましょう。

 

また、漢方を専門とする医師によっては食生活の改善についてもアドバイスをしてくれるので、生活習慣病に近いうつ病を発症している人であれば、生活そのものを健康的に改善させることもできるでしょう。

 

健康になるための療法の原点「食養」

東洋医学で良く聞かれるのは「医食同源」という言葉です。

医療と食事は関連づいていると考えられ、中国料理の原点ともいえます。しかし中国だけでなく、日本でも古くから何を食べると体に良いのかということが、科学としてではなく経験として母から子へと口伝えされてきました。

 

現代では、骨を丈夫にするカルシウム、肌にはコラーゲンなどが有名です。これらは成分表示され知ることができますが、栄養の面だけを考えていることが多いので、体に良い食べ方をしているのかというと、そうとは限らない可能性があります。栄養ばかりをあまりに重視しがちなため、本来摂らなければいけない食べ物を十分に摂れていないかもしれないのです。そのため、体内のバランスを保つことができにくくなり、身体の異常からうつ病になるということも考えられるのです。   

 

では、正しい食事とはどういったものなのでしょうか。

 

①全体食をする

全体食とはその食品の一部分だけを食べるものでなく、魚なら丸ごと頭から内臓まで食べられるもの、野菜なら葉から根まで食べられるもの、米であれば玄米を選びましょう。

 

②温室育ちでない、その土地の特産物を食べる

その季節にしか食べることができない、その土地のものを食べることです。果物も輸入品でなく、春はイチゴ、夏はスイカや桃、秋は柿、冬はリンゴやミカンなどを選ぶのです。

 

③食べ物の陰陽を知る

土の中で育つ野菜の根(根菜)は陽、土よりも上で育つ野菜は陰です。陽の食べ物は体を温め、陰の食べ物は体を冷まします。

 

④主食は穀物をメインに

生成されていない玄米にはビタミンも豊富に含まれ、脳内セロトニンをつくる手助けとなります。

 

⑤発酵食品を摂る

大豆製品の納豆や味噌などは大豆イソフラボンが豊富に含まれ、セロトニンの原料になるトリプトファンを豊富に含みます。

 

⑥美味しいと感じながら食べる

「○○にはこんな栄養がある」など食べ物について知ると、その食品の美味しさがわかってきます。人の手を通して作られたものに感謝を捧げる気持ちでいただきましょう。

 

 

うつ病と食事の関係は決して浅くはないのです。

ちょっとした改善がココロの回復につながりますので、ぜひできるところから実践してみてください。

 

ねむい、だるい、おもいに心当たりがあれば、加味帰脾湯

仕事へ行けてはいるけれど、不眠気味、だるい、体が重いという症状が長く続いているようであれば、慢性的な疲労とともにうつ病も疑われます。漢方薬の面から考えると、体内の臓器が正しく働いていないため、生命の維持活動をする「気」が弱まっていると考えられます。この「気」は生まれ持った資質と、食生活などからできる体の経験なのです。とても辛い仕事をしているはずなのに、モリモリ元気に働いているという人がいますが、そういった人は「気」が充実しているので健康的です。 

 

胃腸の弱まり

うつ病では、胃腸の弱まりもひとつの原因と考えられます。胃腸は食べ物を吸収する器官なので、正しく働いていないとせっかく摂取した栄養分はないものになってしまうのです。

 

例えば、

・寝付きが悪い

・物忘れをする

・動悸やめまいが頻繁にある

・貧血気味

・食欲がわかない

・下痢気味

といった症状がある人は、まさに胃腸が弱まっている状態で、うつ病であってもおかしくはありません。

 

体内のリズムが正常でない状態なので、それを整えるのにも漢方は有効な薬なのです。

 

専門医に相談を!

手足のほてりや、怒りっぽくいらいらしているということを、眠さ、だるさ、体の重さからきていると感じるようであれば「加味帰脾湯(カミキヒトウ)」がおすすめです。最近では、市販で漢方を購入できますが、市販の漢方薬には思っているよりも配合にばらつきがあるので、専門医に相談をしてから処方してもらうのが一番良い方法でしょう。

 

慢性的な疲れがあるようであれば、うつ病にかからないよう予防薬として活用するのも効果が期待できます。

 

心と体のバランスに逆らわない、東洋医学のうつ病治療

一般的に「病は気から」ということわざにもありますが、東洋医学では心と体は一体です。人の体の機能のほとんどは心と体の相互関係で成り立っていると考えられています。

うつ病の場合には、精神状態や感情がどのように働いているのかに着目し、身体に与えている影響を診断するのです。普通の病院での診断とは違い、東洋医学では病名などでなく、まず先に治療方針を明らかにするので、とてもわかりやすく始めることができます。

また、東洋医学は自己治癒能力を高めてくれ、病気になりにくい体づくりをしてくれます。

 

【心と体のバランスに逆らわないのが東洋医学】

例えば、力を入れて立ち上がろうとする時に「ヨッコイショ!」と掛け声をかけて動作をする人がいます。主に年配に多いといわれますが、最近では30歳代でも言っている人もいるそうです。この「ヨッコイショ!」というのは東洋医学では理にかなった「かけ声」の動作と捉えられています。

なぜかというと、力を入れる時には呼吸のタイミングが大切で、息を吸いながらでは力が入りにくく、息を思い切り吐くか、または止めた時が力を入れやすいのです。体の流れに無駄に逆らわずにしていくことが東洋医学ともいえるでしょう。

 

【ストレスをちょっとずつ吐きだすことがうつ病に効果がある】

うつ病の人の場合は、不安や悩みをうちに秘めてしまい、外に発散することがほとんどありません。

そのため、周囲からは別に何も思われず、逆に寡黙でいい人くらいに見られているのかもしれませんが、本人にとってはうつ状態であることは辛いことなのです。

 

もし、ストレスの発散ができない、気晴らしに旅行も出かけられないという人は「ヨッコイショ!」の例を試してみるといいかもしれません。声に出して言わなくても、動作をする時に思い切り息をふーっと吐くのも良い方法です。一人で部屋にいてマイナス思考になってしまっているなと感じたら、立ちあがって思い切り「ふぅ!」と声に出して息を吐いて、体の中の不安を外に出すイメージをしてみましょう。

 

うつ病に処方される漢方薬   

普通、漢方薬を処方する際は、その方のタイプを分け、その方に合った漢方を処方します。

その分類の仕方を虚実といい、「虚証」と「実証」、「中間証」があります。

 

日本漢方の虚実を簡単に説明すると、虚証は『体力がない状態、元気がない状態、パワーが足りない状態』で、実証は『体力が十分に有る状態、元気が有り余った状態、パワーが余った状態』となります。虚証でも実証でもない人を中間証と言います。

 

実際に軽度のうつ病~中等度のうつ病の方に多く処方される漢方薬には次のようなものがあります。

 

◆軽いうつ病◆

《中間証》

◎香蘇散(こうそさん)

どちらかというと神経質な方で、なんとなく不安で眠れない、意欲がわかない、食事摂取量が少ないという方に処方します。

ふだんから胃腸が弱い方向けで、頭痛、発熱、悪寒などの風邪の症状が出だした時にも使います。香附子、蘇葉、陳皮と気剤が多く使われており、軽い憂鬱気分に効果があるようです。

 

《虚証》

◎ 酸棗仁湯(さんそうにんとう)

神経過敏による不眠に使用します。心身が疲れて、尚且つ弱って眠れない場合。体力の消耗から来る昏民(放っておくと寝てしまうもの)、自律神経失調症、不安神経症、不眠症、神経衰弱、心臓神経症、眩暈にも効果あり。

主に、眠りが浅く、そのため疲れを感じている場合に処方します。

 

◆中等度のうつ病◆

《実証》

◎柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

主に不安、不眠、便秘などを訴え、みずおちに動悸がある場合に処方します。

竜骨や牡蠣、柴胡、大黄などの生薬を配合しており、竜骨と牡蠣には精神を安定させる作用があります。

神経系に働きかけ、主に更年期神経症を改善します。

特に気分の落ち込みやイライラなどの症状に効果を発揮し、気持ちを穏やかにしてくれます。

精神的に不安定で、動悸や不眠等を伴う高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)や、神経症等に用いられています。

 

《中間証》

◎半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

顔色がすぐれず、神経症的傾向があり、うつやヒステリーなどの精神症状に加え、のどの通りが悪く、胸のつかえ感や吐き気などの身体症状がある場合に処方します。

 

《虚証》

◎加味帰脾湯(かみきひとう)

憂うつ症状や不安感のある神経症を鎮めます。動悸や貧血があり、体が疲れ、イライラして不安感がある場合に適用です。

精神症状の強い人に使用し、体力をつけながら精神を安定させます。

 

◎柴胡桂枝乾姜湯 (さいこけいしかんきょうとう)

平素あまり丈夫でない方、イライラして睡眠も充分にとれない、といった神経症状が著しく、時に動悸や息切れを覚えるような方に用いられます。

また、更年期障害にも効果があります。虚弱体質で繊細な神経をもち合わせた方に効く穏やかな処方で、体の熱や炎症を解消し、神経の疲れを癒して心身にかかわる病気全般に用いられる薬です。

 

 

こちらはほんの一例で、その方の体調や症状に合わせた薬の調合が可能です。

最近は保険適応内で処方されるケースもありますが、保険適応外で処方をされる場合は、薬代が高価になりますので、処方してもらう際は気をつけて下さい。

 

(Photo by:http://www.ashinari.com/2013/03/10-377082.php )

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-25掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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