生活習慣病
慢性腎臓病の予防のために~気をつけたい生活習慣や運動など~
慢性腎臓病の発症・進行を抑えるには適度な運動をすることが大切です。
では、どの様な運動が慢性腎臓病には適しているのでしょうか?
運動の効果
適度な運動を行う事によって、高血圧や高血糖といった腎臓への悪影響因子を抑えることが出来ます。
また適正体重に近づけることができます。
運動の悪影響
運動をする事によって身体には乳酸などの老廃物が溜まります。腎臓はそれらを濾過して排出するので、過度の運動は腎臓への負担となります。
走る?歩く?
慢性腎臓病には、走ったり筋トレといった無酸素運動、ウォーキングや自転車こぎといった有酸素運動のどちらがいいのでしょうか?
それほど慢性腎臓病の症状が進行していない方の場合は運動に対する制限はありません。
有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて積極的に身体を動かす習慣を付けるといいでしょう。
血糖値や血圧が改善されることによって慢性腎臓病の発症・進行を抑えることが出来ます。
慢性腎臓病の症状が進行してきた方は無酸素運動(激しい運動)が制限されることがあります。無酸素運動では運動による代謝物(老廃物)が多くなるので腎臓に負担をかけるからです。
適度な有酸素運動を行う事が望ましいとされています。
まとめ
運動は代謝物を生み出して腎臓に負担をかけます。が、たとえ慢性腎臓病が進行してしまった場合でも、運動を全然しないのはよくありません。
適度な有酸素運動を行う事によって 腎臓の機能が改善されたとの報告もあり、また慢性腎臓病を進行させる様々な生活習慣病を抑える効果もあります。
慢性腎臓病の進行具合によってどのような運動が適するのかは違うので、主治医に相談して適正な運動量を知りましょう。
慢性腎臓病で気を付けた生活習慣5つ
慢性腎臓病は生活習慣を改善することによって、発症を防いだり進行を遅らせることが出来ます。
特に以下の5つの生活習慣を守ることがとても大切です。
1、禁煙
喫煙は慢性腎臓病の症状を悪化させるとされています。喫煙によって血圧が上がるので、腎臓の働きが悪くなり、腎臓の働きが悪くなるので血圧のコントロールが難しくなる、というような負の連鎖を引き起こします。
2、飲酒量を減らす
過度な飲酒は慢性腎臓病の発症・進行を引き起こす原因になります。
アルコールによって肝臓の働きが悪くなり代謝能力が落ちると腎臓への負担が大きくなります。
ほどほどの飲酒量であれば問題はありません。
3、 適度な運動
適度な運動を行う事によって腎臓の大敵である糖尿病の症状を抑えることができます。
また、適度な運動は血管に程良い負荷がかかるので血管に柔軟性が生まれて高血圧を防ぐ効果があります。
また、 運動によって適正体重に近ずくと高脂血症(脂質異常)を防ぐ事もできます。
4、規則的な生活
過労や睡眠不足などによって身体に負担をかけると腎臓にも悪影響が及びます。
ストレスも血管を収縮させたり内臓の働きを悪くするので要注意です。
5、適正な食生活
慢性腎臓病ではたんぱく質や塩分の摂取制限が行われる場合があります。塩分やたんぱく質の最終分解物である尿素は腎臓で濾し取られて排出されるので 、過度の摂取は腎臓に負担をかけてしまいます。
また、肥満を防ぐためにも総摂取カロリーに気をつけましょう。
まとめ
これらの生活習慣を取り入れると、慢性腎臓病だけではなく様々な生活習慣病を防ぐことも出来ます。
メタボリックシンドロームなどの生活習慣病は慢性腎臓病と深い関係があるので、生活習慣に気を付けて健康的な体を手に入れましょう。
運動で腎臓病を予防する!
腎臓病を予防するためにできることのひとつが運動です。
運動は腎臓病の予防だけではなく、生活習慣病の予防にもなります。
●腎臓と肥満
肥満の方はそうでない方に比べると、タンパク尿(腎臓病の代表的な症状)や腎不全のリスクが高いと言われています。
腎機能障害の危険因子ということは、すでに腎臓機能の治療を扱う医師、学会の間では有名です。
沖縄県で行われた疫学調査によれば、BMI値(肥満指数)が25以上の場合は末期腎不全危険因子であるということもわかりました。
●運動は肥満を防ぐ
肥満を防ぐために食事に気を遣おう、と思う方も多いです。
もちろん食事に気を遣うことも悪いことではないのですが、それ以上に運動を行うことをお勧めします。
というのも、食事に気を遣っているだけで運動をしなければ、体重は減るかもしれませんが脂肪が優位に減るというわけではないからです。
運動をすれば筋肉は減らないので、脂肪を優位に減らすことができます。
また、中高年以降の方にとっては、運動で筋肉を保つことが老年になったときの生活の質を変えるポイントにもなります。
●どんな運動をすればいいの?
腎臓病の予防のために特にしておきたい運動というのはありません。
どんな運動でもOKです。
ただ、運動習慣がない方がいきなり激しい運動に挑戦するのはお勧めしません。
まずはウォーキング、ランニングといったどこでもできる簡単な運動から始めてみましょう。
(Photo by:http://www.ashinari.com/2007/09/29-003211.php)
著者: カラダノート編集部