気になる病気・症状
卵かけご飯が好きな人は要注意!サルモネラ菌食中毒 こんな食べ物に存在!繁殖する!
近年、日本でも増加しているサルモネラ菌による食中毒。聞いたことはあるけど、どんな病気?どうしたらかかるの?という人も多いのではないでしょうか。
サルモネラ菌とその食中毒についての基本情報をご紹介します。
■サルモネラって?
サルモネラとは腸内細菌科サルモネラ属の細菌のことで、細かく分けると2,500種類以上います。人間や動物に感染し、病気を引き起こすのは、この約2,500種類のうちの一部の菌です。
感染型食中毒を引き起こすサルモネラは「食中毒性サルモネラ」と呼ばれるもので、人間の腸内で腸管上皮細胞という細胞に感染し、胃腸炎の原因となります。
熱や酸に弱いけれど、いくつかの酸には抵抗性があります。低温と乾燥には強く、冷凍しても不活性化しないという特徴があります。
■どうして感染するの?
サルモネラ菌は様々な環境で生息しています。動物の腸管内や、川や湖などの自然界、下水などにも多い菌です。他の食中毒の原因菌と同じように、生肉を食すことでの感染が多く報告されています。また、日本では特に鶏肉や卵が原因での食中毒が多いようです。
日本での感染例としては、卵やその加工食品、レバ刺しや鶏肉などの食肉、すっぽん、うなぎからの感染があげられます。数は少ないですが、乾燥イカを使用した食品からの感染も報告されています。
■サルモネラ菌食中毒の症状
菌が体内に入ってから6?72時間で発症します。
代表的な症状は、
・激しい腹痛
・発熱(高熱)
・下痢(出血する場合もある)
・嘔吐
などです。
重症化することはあまりありませんが、抵抗力の無い患者の場合は危険な状態になることもあります。症状が出た場合は、直ちに医療機関で診察を受けましょう。
■感染を防ぐには?
サルモネラ菌の感染源で最も多いのは、食品の加熱不足と考えられます。その他、調理器具が清潔でないなどが考えられます。
感染を予防するには、以下のことに気をつけましょう。
・肉・魚・卵はなるべく生食を避け、十分に加熱する
・生食で食べる場合には、新鮮な物に限る
・サラダなど、生で食べる物は流水で十分に洗う
・まな板や包丁などは清潔に保つ(漂白剤を使用した除菌、数分間の熱消毒など)
・卵は新鮮な物を使用する。また、割った状態で置いておかない
・動物に触れた後やトイレの使用後には石けんでよく手を洗う
サルモネラ菌による食中毒は感染源・感染経路も多いので、小さなことから気をつけて、感染を防ぎましょう。
また、感染してしまった場合、体の抵抗力が低いと症状が重くなることもあります。日頃から、規則正しい生活を心がけ、体調管理には十分に気をつけましょう。
サルモネラ菌はどんな食べ物に存在している?
夏になるとサルモネラ菌の食中毒の報告が聞かれるようになってきます。サルモネラ菌は衛生管理云々だけで予防できるものではありません。そのため、サルモネラ菌食中毒の原因となる食品を知っておくとよいでしょう。
肉
サルモネラ菌は豚、牛、鶏などの家畜の消化管に常在菌として存在しています。そのため、これらの肉の加工の段階で食品が汚染される可能性があります。汚染された食肉からの感染は以下の二つの可能性が考えられます。
・汚染された肉を生で食べる、あるいは不十分な加熱により食べる
生食用の肉は規制が強まったことからも分かるように、生食用の肉が汚染されていた場合、菌に感染することを避けようがありません。また、そうでなくても、加熱が不十分な状態で肉を食べることも同様の危険があります。また、サルモネラ菌に感染した肉でも、見た目では他の肉と変わりはありませんので、汚染されていたとしても、見て判断はできません。
・汚染された肉から手や調理器具を介して、他の食品が汚染される
汚染された肉は十分に加熱すれば問題ありませんが、生の状態の肉を触った手で野菜を触ったり、生の状態の肉を切った包丁で他のものを切って二次的にサルモネラ菌に感染することがあります。手やまな板、包丁、ふきんなどは当たり前ですが、スポンジから二次感染が起こる場合もありますので注意が必要です。
鶏卵
食肉と卵はサルモネラ菌食中毒の主な原因食品です。特に卵はサルモネラ菌汚染が多いと言われていて、卵の外だけでなく卵内にも汚染が見つかることがあります。卵は生で食べる機会が大いにあります。そうでなくても、オムレツなどのように、完全に火を通さず半生な部分が残るように調理をすることの方が多くありますので注意が必要です。
他に注意しなければならないもの
冷凍食品:サルモネラ菌は低温につよく、また乾燥した環境でも生きられる菌ですので、冷凍食品などから食中毒を起こすこともあります。
ケーキやマヨネーズ:ケーキは卵を使うことが多くあり、これが感染の原因になることがあります。また、マヨネーズも卵を使用しますから感染の原因になります。どちらもこれを原因とする食中毒が実際に起きているものです。
卵が汚染されていた場合、そこから感染を防ぐのは難しいかもしれません。しかし、肉と他の食品の調理器具は別にするなどの基本的な部分は自分でもできますから、そこだけでも気をつけてみてください。
食中毒を発生させる微生物はどんな食材で繁殖するの?~食中毒の予防~
これからの季節は、食中毒が気になる方も多いと思います。しかし、どの菌がどの食品において繁殖しやすいかなどは、ご存じない方も多いのではないでしょうか?今回は主な食中毒を発生させる微生物と、その微生物が繁殖しやすいとされている食品についてまとめました。
食中毒を発生させる微生物とその微生物が分布する食品
・一般的なサルモネラ菌
食品:食肉、乳製品、卵、ウナギ
・サルモネラ(上記と遺伝的に異なる)
食品:野菜、ケーキ
・黄色ブドウ球菌
食品:手に繁殖していることが多く、手作り弁当で被害が多い
・ボツリヌス菌
食品:缶詰、レトルト、いずし(寿司の一種)
・腸炎ビブリオ
食品:すし、刺身(特に夏季の魚介類の生食に注意)
・腸管出血性大腸菌
食品:ウシの糞便が主な原因となるため、牧場等での殺菌前の乳製品に注意する。
・その他病原性大腸菌
食品:糞便に汚染されたものにおいて感染する。牧場等での殺菌前の乳製品に注意する。
・ウェルシュ菌
食品:通の加熱調理では生き残る厄介な菌です。日本ではカレーやスープなどの調理品でよく発生します。
・セレウス菌
食品:普通の加熱調理では生き残る厄介な菌です。日本では焼き飯、ピラフ、パスタなどの調理品で多く発生しています。
・エルシニア菌
食品:食肉加工品、生乳
・カンピロバクター
食品:鶏肉、焼き鳥
・リステリア
食品:チーズ、生ハム、野菜、魚卵
上記のような微生物がそれぞれの食品に付着し、増殖して、食中毒を発生させます。普通の加熱調理が効かない菌以外は、きちんとした加熱調理をすることを徹底しましょう。普通の加熱調理が効かない菌では、菌が発生しないように菌を多く保有する糞便や土壌、手洗いしていない手などに置かない、触らないように徹底してください。
(Photo by: http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部