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破傷風には3種類ある!潜伏期~回復期の症状は?新生児破傷風・・予防には妊婦のワクチン接種が重要!軽症・重症の治療

 

破傷風とひと口に言っても、これには局所型破傷風、脳型破傷風、全身型破傷風の3つの型があります。

 

 

局所型破傷風

限定局所性破傷風ということもあるようですが、この破傷風はけいれんの症状が傷の周囲に限られる破傷風です。局所型破傷風はそう多くは見られません。芽胞(かたい殻)につつまれた破傷風菌の侵入経路となった傷口の、周辺の筋肉のこわばりが何週間も続くことはありますが、次第に消えていきます。時には全身型破傷風に先行して局所型破傷風が出現することもあります。局所型破傷風の死亡率は1%程度と、破傷風全体の死亡率と比べると低いです。

 

脳型破傷風

脳型破傷風も多く見られるものではありません。脳型破傷風の場合子どもの中耳炎から起こったり、頭部の外傷から引き起こされることがあります。進行によっては脳神経が障害を受けることもありますが、脳型破傷風から全身型破傷風に移行していくこともあります。

 

全身型破傷風

破傷風全体の約8割がこの全身型破傷風です。全身型破傷風と言っても最初から全身性の症状が出るわけではなく、あごや首のあたりの違和感から始まり、開口が困難になり、やがて全身のこわばりなどの症状が広がっていきます。全身型破傷風は発熱や発汗、血圧の上昇、数分間継続するけいれんなどが数週間続くことがあり、症状が重症化すると呼吸や血圧管理をされた下での治療が必要になります。

この全身型破傷風の中には、破傷風に対する免疫を有していない母親から生まれた子供がかかる、新生児破傷風というものもあります。

 

 

破傷風と言うと一般的には一番数の多い全身型破傷風を指します。また、どの型に感染するにせよ、早期治療が大切なことに変わりはありません。

破傷風の潜伏期~回復期に至るまでの症状は?

発症してしまうと高確率で死亡する危険のある破傷風は、2種類の毒を持っています。一つは神経毒でこれは破傷風毒素、あるいはテタノスパスミンと言い、もう一方は溶解毒のテタノリジンです。これらの毒、主に神経毒である破傷風毒素によって破傷風の症状が引き起こされると考えられています。

 

 

潜伏期間

破傷風の潜伏期間は2日から8週間程と幅があります。はっきりと症状が現れない時期にも前駆症状と言って、数日間全身の違和感やあごの疲れなどを感じることがあります。

 

第1期

潜伏期の後、口が開けづらくなり、食べることが困難になります。また、首が張ったり、寝汗、歯ぎしりなどの症状も出ます。

 

第2期

上記のような開口障害が強くなってきます。顔面の筋肉の緊張やこわばりによって額にしわができたり、唇が横に広がって開き、歯を出すような引きつり笑いのような表情になってしまうなどの症状が見られます。これを破傷風顔貌と言います。

 

第3期

首の前面が緊張することによって頚部が硬直し、次第に背筋にも緊張が進行し、発作的に強直性けいれんが見られることがあり、けいれんによって背中がそりかえるような症状が見られます。この時期が生命が最も危険な時期です。他にも腱反射亢進、バビンスキーなどの病的反射、クローヌスなどがこの時期に出現します。

 

第4期

前進のけいれんは見られなくなりますが、筋肉の緊張や、腱反射亢進などの症状は残っています。次第に諸症状が減退していきます。

 

 

第1期で破傷風を見つけることは困難ですが、第2期で発見し、速やかに治療に取り掛かることができるとよいです。第3期になると集中治療室などでの治療が必要になることもあります。次第に神経に結合した毒素の作用がなくなっていくことで第4期の回復期に入っていきます。

また、感染から発症までの時間が短い、あるいは開口障害から全身けいれんまでの時間が短いほど死亡率が高くなる傾向があるようです。

破傷風の感染経路は身の回りに!

破傷風という感染症は誰でも感染する可能性のある疾患です。日本では1950年頃には、年間で約2000人の患者数が報告されており、死亡者数は約1500人に報告されている致命率の高い感染症でした。現在では年間の患者数は数十人にまで減っていますが、死亡者はそのうちの2割から5割と、未だ致命率の高い感染症であると言えます。

 

 

どの様に感染する?

破傷風を引き起こす破傷風菌は、地表から数㎝付近の土や泥の中などの、酸素が少ない環境で生息し、増殖する細菌です。また、生息に適さない環境であっても芽胞というかたい膜に覆われた冬眠状態になっています。傷などから砂粒など土の一部が体内に残ると、これらに付着していた破傷風菌が体内に侵入することになり、破傷風に感染します。

破傷風菌との接触を人の生活の中で完全に遮断することは難しく、それゆえ、破傷風菌は誰にでも感染する可能性があると言えるのです。破傷風菌は転倒した時や土いじりをしている時の感染が多く報告されています。非常に些細な傷からでも侵入してしまうため、侵入部分が特定できないこともあります。

  

予防方法

破傷風の予防としては破傷風トキソイドによる予防が非常に効果的です。日本では混合ワクチンなどで破傷風の予防接種が行われています。小学校6年生で受ける二種混合ワクチンの接種後、5年から10年は有効に効果があるとされています。これにより破傷風の基礎免疫がつき、年少期での感染の可能性は激減します。

一方で、小学校6年生でのワクチン接種後、その効力を失った後は5年から10年に一度のスパンでワクチンの追加接種を受ければ、予防効果を持続させることができます。しかし、実際破傷風という感染症を念頭に置いて生活していると言う人は少なく、これは、現在の日本での破傷風死亡者の多くが45歳以上ということとも合致します。

 

 

破傷風感染は土いじりの際、あるいは釘などで深く傷をつけた際に気をつけるという認識しかない場合が多いと思いますが、実際のところ破傷風の危険は生活の至る所にあるということを知っておかなければなりません。

死亡率の高い新生児破傷風・・予防には妊婦のワクチン接種が重要!

破傷風全体の中でも最も多い、全身のけいれんなどの症状が見られる全身型破傷風は、ワクチンなどの予防策があるにしろ、発症してしまえば死亡率が高い感染症です。ワクチン接種などの推進により、日本ではその数を減らしていますが、新生児に発症する新生児破傷風などは世界の新生児の死亡原因の一つにもなっています。

 

 

新生児破傷風とは?

新生児破傷風とは新生児に見られる全身型の破傷風です。破傷風の免疫を持っていない母親から生まれた新生児に見られることがありますが、主な原因は出生時の衛生環境で、へその緒の切断にあたり、不衛生な処置をしたような場合に破傷風菌の芽胞によって新生児のへその緒の切断面が汚染されることによって多く見られます。そのため先進国ではあまり発症しない病気ですが、発展途上国では多く見られる病気です。日本では1995年を最後に新生児破傷風の報告はされていません。

 

新生児破傷風の症状

潜伏期間は出生後4~14日間とされています。新生児に特徴的な症状としては吸乳力の低下などがあります。発症してしまうと60~90%の高確率で10日以内に死亡します。

 

妊婦の免疫

新生児破傷風と共に妊婦の破傷風感染も多くあります。この妊産婦破傷風は妊娠終了から6週間の間に多く見られます。妊産婦破傷風と新生児破傷風の予防としては、どちらも妊婦に免疫をつけることで共通するので、妊婦のワクチン接種が重要になります。一度もワクチンの接種を受けたことがない場合、一度のワクチン接種だけでは十分な免疫を得ることができないので、遅くとも出産の2週間以上前までに2回目のワクチン接種をすることで、妊産婦破傷風、新生児破傷風の予防に役立ちます。

 

 

衛生管理が比較的高水準の日本では見られにくい新生児破傷風ですが、世界、特に発展途上国に目を向けるとその数はどうしても多くなります。しかし、WHOの取り組みなどにより、新生児破傷風の発生はある程度まで減少してきているそうです。

高い死亡率!破傷風を引き起こす破傷風菌とは

破傷風というと、くぎで刺したような深い傷が原因となって引き起こされるという印象があるかもしれませんが、破傷風の原因である破傷風菌の侵入経路は、感染者全体の4分の1が侵入経路が不明と言われるほど、些細な傷からでも感染の可能性があるのが破傷風です。

 

 

高い死亡率

破傷風は発症後の治療が困難で、比較的高い確率で死に至る病気とされています。平均的な死亡率は30%以上で、高齢者になるほどその確率は上がります。予防接種などの効果もあって、1年間の患者数が数千人ということはなくなりましたが、今でも年間数十人の患者が報告されていて、その9割以上が30歳以上の成人であるということです。

 

深い傷は最も危険

破傷風の原因となる破傷風菌は空気の少ない場所で活発化し、空気の多い場所では冬眠状態になっています。そのため、浅い傷では空気に多く触れるので破傷風は発症しづらく、刺し傷などの深部に届く傷は注意が必要だとされるのが一般的です。

 

消毒すれば平気 ではない

菌と聞くと、すぐに傷を消毒すれば有効なのではないかと考えてしまうかもしれません。しかし、それは全く違います。破傷風菌は上記のとおり冬眠状態になって土の中にいることが多くあります。このとき破傷風菌は芽胞というかたい殻に覆われているのですが、この殻が非常に強いのです。熱湯にも強ければ、紫外線照射にも強く、ましてや人の体には害を与えない程度の消毒薬で死ぬことはないのです。ちなみに芽胞を死滅させるには120度の中15分間加熱する必要がありますが、それは人間の体が持つわけがありません。

 

 

誰でも感染する危険がある以上は、それについて正しい知識を持っていることが大切です。破傷風は発症してからでは治療が困難になりますので、先手で治療を開始できるようにしましょう。

速やかに始めることが大事!破傷風の軽症・重症の治療

予防接種を受けていれば破傷風に感染する可能は非常に低いのですが、小学6年生でワクチンを接種した後は、年齢を重ねるほどに予防接種の効用は低下していきますので、そのことも鑑みた上で適切な処置を行う必要があります。これらの免疫の有無や症状のあらわれ方で破傷風と判断された場合は、速やかに治療を始めることが重要です。

 

 

傷を開いて洗浄

破傷風菌の侵入した傷が断定できる場合は、その傷を開いて洗浄し、異物の除去を行います。また、傷口に残っている破傷風菌を減らすために抗菌薬を点滴します。また、抗破傷風ヒト免疫グロブリンによって破傷風菌がつくる毒素を中和する方法もとられますが、すでに破傷風菌の毒素が神経系と結合してしまっている場合には効果が得られません。また破傷風菌を減らすために長期間にわたって静脈から抗生物質を投入します。

傷の切開や抗破傷風ヒト免疫グロブリン投与は比較的早期の段階で行われます。

 

症状が重篤化した場合

けいれんや血圧の低下など病気が進行すると、重篤な症状が現れてきます。また、合併症として、激しいけいれんの結果筋肉が壊れてしまったり、骨折してしまったり、窒息することもあります。そのため、重篤な症状に移行した場合は、呼吸筋のけいれんにより呼吸ができなくなることがあり、呼吸管理や血圧管理が可能な集中治療室で全身管理を行いながら、治療を行うことが望ましいとされています。また、けいれんに対しては抗けいれん薬や鎮静薬を投与します。

また、回復した後でも十分な免疫ができていない可能性があるので、ワクチン接種をして免疫を得ることが望ましいです。

 

症状が進行する過程で引きつり笑のような症状が見られることがあります。その段階で病院を受診し、すみやかに治療を開始することが大切です。もしけいれんなどの全身的な症状が見られる場合は救急あるいは外科か内科を受診するとよいでしょう。

 

(Photo by: [http://www.ashinari.com/2010/05/07-036443.php])

 

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-08掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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