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早期白血病の発見・白血病の初期症状~放射線と白血病の関係~

 

白血病とはどんな病気か?

白血病という病気についてご存知でしょうか?白血病は、他の腫瘍性のがんとは異なり「血液のがん」と言われる病気です。

 

通常、血液は骨髄内で造血幹細胞という細胞(赤血球・白血球・血小板を作るおおもとの細胞)が成熟していき、一人前の血球となってから血液内へと移行していきますが、この過程において血液細胞が「がん化」することで、異常な細胞が次々に増殖していくことで発症します。

 

この白血病の具体的な症状としては、 

◆正常な血球が成熟するスペースを奪われ、それぞれの<赤血球・白血球・血小板>産生数減少により、貧血・易感染・出血症状が出現。

◆血液内にがん化した細胞が入ることで、血流を通じ体内の様々な組織に浸潤し障害を起こす。

などの症状が現れます。

 

以下では、白血病の分類と治癒率の関係、また早期発見に重要な初期症状についてご説明していきたいと思います。

 

白血病の分類と治癒率の関係について

1.治癒率は飛躍的に上昇している

近年では、白血病を発症された有名な方に、俳優の渡辺謙さんや歌舞伎役者の市川団十郎さん、また歌手の本田美奈子さんなどが挙げられますが、先の2名に関しては闘病の末克服され、本田美奈子さんに関しては命を落とされた、という報道が行われたのを記憶されている方も多いと思います。

 

しかし多くの方が疑問に思われるのは、この治癒率の差はどのような要素が関係しているのか、ということだと思います。

 

国立がん研究センターの統計(2005年時点)においては、日本では年間9032人の方が白血病に罹患しており、また白血病で亡くなる方は年間7896人(2009年時点)という割合であると言われています。

 

罹患された方からすると、この数値は良くは無いものであると思われるかもしれませんが、過去の治癒率から比較すると、新薬の登場などにより飛躍的に生存率が増加していると言われています。

 

中でも2001年に登場した分子標的薬という新薬の登場によっては大きく様相が変化したと言われています。しかし、このような効果的な新薬が使用できるかというのは、罹患したタイプによって異なります。

 

2.白血病は大きく分けて4種類

白血病の種類には大きく分けると4種類のものがあり、「急性と慢性」、また急性、慢性共にがん化した細胞の種類によって「骨髄性とリンパ性」に分けられます。国内においては急性、慢性の割合はおよそ4:1であり、その中でも急性白血病の骨髄性とリンパ性の割合は成人ではおよそ4:1であるとされています。

 

全体の約60%を占めると言われる「急性骨髄性白血病」には、さらに次の8つの分類(細胞ががん化する時期による)であるM0~M7に分けられます。この分類によって今後の治療の見通しや、治療法の選択などの目安になります。

 

<急性骨髄性白血病の8種類>

M0:最未分化型急性骨髄性

M1:未分化型骨髄芽球性

M2:分化型骨髄芽球性

M3:前骨髄球性

M4:骨髄単球性

M5:単球性

M6:赤白血病 

M7:巨核芽球性

 

また一般的に予後が良好とされるのは、(M2)M3(M4)で、予後が不良であるとされるものにM0、M6、M7が挙げられています。

 

3.タイプによって大きく治癒率が異なる

急性骨髄性白血病は平均的には80%が寛解、そのうち30%が完治すると言われているようですが、上記のタイプによっては治癒率は大きく異なります。

 

例えば市川団十郎さんが罹患されたと言われる『M3タイプ:前骨髄球性』の白血病であれば、早期治療によって60~70%が完治されると言われています。しかし別のタイプにおいては10~20%程度の治癒率と言われているものもあり、罹患したタイプによって化学的療法などが困難になる場合などもあります。

 

しかし治癒率が低いとされるタイプであっても、早期の段階であれば「分子標的薬」などの効果的な治療薬を使用することで治癒率を上昇させることが出来るとされています。ですので、初期症状に気づいて早期に治療を受けることが非常に重要になってきます。

 

早期発見に重要な「初期症状」について

白血病の初期症状は、貧血症状や発熱、鼻や歯茎からの出血、皮膚の紫のアザなどが典型であると言われています。

 

実際、白血病と診断された患者の方が書かれたブログを拝見すると、最初は数ヶ月治らない口内炎から始まり、その後貧血症状が出て、38度の熱が数日間下がらないなどの症状から、内科へ行き、偶然血液検査を依頼されたところ白血病の疑いがあると言われたようなケースが多いようです。

 

主な白血病の症状は下記のものです。 

 

◆貧血症状(赤血球減少による) 

 顔面蒼白、身体がだるい、疲れやすい、軽い動作での動悸・息切れ など

 

◆感染症状(正常白血球減少による)

 発熱、のどの痛みや腫れ、咳、下痢 など

 

◆出血症状(血小板減少による)

内出血による青あざ、鼻出血、歯肉出血、怪我をした時に血が止まりにくい など

 

◆その他症状(多くは白血病細胞が蓄積することによる)

骨の痛み、おなか(肝臓や脾臓)や歯肉の大きな膨れ、リンパ節の腫れ、頭痛、嘔気や嘔吐、腫瘤の形成など

 

上記のような初期症状が見られれば、なるべく早期に検査を受けることが重要になります。

 

著者の家族の中にも、「白血球減少による易感染症状、血小板減少による頻繁な歯茎の出血、また指関節の炎症」などの症状が出たケースがあり白血病の可能性を多少心配したときがありましたが、検査の結果「シェーグレン症候群」という膠原病であった、という例があります。

 

白血病の初期症状と同様の症状が出ていると知って動揺される場合も多くあると思いますが、まずは落ち着き、同じような症状を示す別の病気もあるのだということを知り、まず検査を受けてみることが重要であると思います。

 

 

内出血のアザが消えない!沢山ある!~白血病の初期症状~

内出血によるアザが頻発する病気の1つが、白血病です。白血病の初期症状は風邪と酷似しているため、病気に気づきにくいでしょう。

 

初期の白血病診断のきっかけにもなるアザについて述べます。

 

白血病でアザができる理由

白血病は骨髄の中にガン化した細胞が増殖し、正常な血液が不足する病気です。血液中の血小板も減少します。血小板は血管が衝撃などで損傷した際、損傷部分に集まって血液が漏れないよう塞ぐ役割をします。

 

白血病で血小板が不足すると損傷した血管が塞がれず、内出血を起こしてアザになります。

 

通常のアザとの違い

打撲傷や捻挫などケガによる内出血でできたアザと、白血病によるアザには違いがあります。

 

ケガによるアザは、時間の経過とともに薄くなります。これは損傷した血管が塞がれて新たな出血が止まるからです。しかし血小板が不足して血管の損傷部分がなかなか修復できない白血病では、いつまでもアザが残りがちです。さらに別の部分でも内出血が起こり、気付いたらアザがたくさんできていた…という状態になります。

 

アザ以外の症状

白血病の初期では貧血や倦怠感、長期の微熱といった症状がみられます。出血に関する症状では、アザのほかにも鼻血や歯茎からの出血が増える、切り傷を負った時に出血が止まらないのが主なものです。骨の痛み、頭痛、吐き気、肝臓の腫れも白血病の症状です。

 

疲れやすく息切れがする、風邪をひきやすく治りにくいなどささいな変化も初期の白血病に多いでしょう。

 

アザがたくさんできたからといって、すぐに白血病を心配する必要はありません。複数のアザがあっても他に症状が無く、自然治癒するなら問題はないでしょう。

 

しかしアザ以外にも白血病を疑う症状があり、アザが一向に消えないなら、白血病やそれ以外の病気の可能性を考えて血液検査を受けた方が良いかもしれません。

 

 

慢性白血病による脾腫

◆ 慢性白血病とは

白血病のうち、未熟な造血細胞が増殖する急性白血病とは異なり、分化・成熟能を持ったまま、無制限に増殖する白血病を慢性白血病といいます。

 

症状としては、からだがだるい、疲れやすい、体重が減る、不快感などがありますが、発症してから実際の症状となって現れるまで、 6年から8年ほどかかると言われています。

実際は、健康診断などの血液検査で、数値に異常が見られ、診断されることが多くあります。

 

また、脾臓が大きくなる:脾腫が明らかに起こることも、急性白血病との大きな違いです。

 

◆ 脾腫

脾臓は、胃の裏側辺りにある100g程度の臓器です。

役割は、大きく分けて4つあります。

・免疫機能(B細胞やT細胞を成熟させる)

・造血機能(胎児期に、赤血球を作る)

・血液の貯

・老化した血球の破壊

 

慢性白血病により、異常な血球が血液中に溢れだすと、脾臓が血球を破壊するなどして、機能が亢進します。

結果、脾臓が大きく膨れる、脾腫が起こります。

 

元は100gぐらいですが、倍以上、果てはおへそぐらいまでや、肝臓と同じぐらいまで大きくなることも。

 

そうなると、その大きさだけで周囲の臓器を圧迫し、影響を及ぼします。

腹部膨満感や、腹部痛、その結果、脾機能亢進症が起こり、血球がより破壊されることになります。

 

◆ 治療

基本的に、まずは慢性白血病の治療が優先されます。

化学治療(抗がん剤)、寛解すれば骨髄移植などで、白血病そのものを寛解に持っていきます。

 

重症の脾機能亢進症で、血球破壊が進むことで止血ができない、重篤な貧血となる場合は、脾臓摘出の手術を受けることになります。

 

脾腫は、慢性白血病に限らず、他の血液系の疾患、感染症、肝臓系の疾患など、様々な病気の二次疾患としてなることが多い病気です。

その数はとても多く、医学書に挙げられているものでも数えきれないほど。

 

もし診断されることがあれば、他の病気との同時治療となることが多くありますが、信頼できる医師のもと、治療に向かいたいものですね。

 

 

ウィルスを原因とする白血病

■白血病になるのは放射線被曝や化学物質の影響による遺伝子異常が原因であることがほとんどです。

そのため白血病とは人に感染する病気ではないと認識されています。

それはほとんどの場合で正しいのですが、一部例外があることを頭の片隅に入れておく必要はあるでしょう。

それはウィルスを原因とした白血病です。

 

腫瘍ウィルスであるHTLV-1というレトロウィルスに感染することによって白血病となる成人T細胞白血病と、マラリア感染地域に多い風土病型の急性リンパ性白血病バーキット型という例外が存在するのです。

 

■人に感染する白血病の例

●成人T細胞白血病

レトロウィルスの一つHTLV-1という腫瘍ウィルスに感染。

悪性リンパ腫によって白血病を引き起す。

 

●急性リンパ性白血病バーキット型

マラリア感染地域に多いEBウィルスを原因とした風土病型。

Bリンパ球に感染して白血病を引き起す。

 

■このウィルス性の白血病で注意しなくてはいけないのは勿論、感染する危険性があるということですが、それ以上に注意すべき点があります。

 

それは、この白血病の原因はウィルスであり、遺伝子異常つまりは癌ではないということです。

薬物耐性も強く、薬物などの化学療法などより造血幹細胞移植による治療が必要となります。

 

通常の白血病に対する対策はほとんど役に立たず、ウィルス感染に対する対策を必要とする点に注意が必要です。

たとえば、HTLV-1のキャリアは日本だけで百万以上と言われています。

白血病という生命の危険を避けるためにも予防対策をしておくことが必要かもしれません。

 

 

放射線と白血病の関係

1945年、広島と長崎に原子爆弾が落とされました。

直後の熱線や、爆風、急性放射線障害で多くの方が亡くなりましたが、放射線被曝の晩発性障害のひとつに、慢性白血病がありました。

 

◆ 原子爆弾と白血病

原爆投下後、原爆病院や放射線影響研究所の追跡調査が行われました。

網羅的に行われた調査の結果、被曝者の中に、造血幹細胞の染色体に突然変異が生じた結果、慢性白血病を発症した方が多いことが分かりました。

 

放射線は、細胞のDNAに変異を生じ、結果様々ながんや疾病を引き起こしますが、中でも骨髄等の細胞周期の短い細胞に、大きな影響を与える確率が高いことが知られています。

 

そのため、白血病をはじめとする、血液系の悪性腫瘍が増加するとされています。

 

実際に、原爆投下の5年後以降、1950年から1955年にかけて、慢性骨髄性白血病の発生頻度は、増加しました。

 

中でも、より爆心地に近い人の発症割合が高かったことも、放射線が白血病の原因となることを示唆しています。

 

◆ チェルノブイリ原発事故と白血病

1986年、旧ソ連で起こった、チェルノブイリ原発事故。

その後、様々な研究所により追跡調査が行われています。

 

それらの報告によると、数十万人といわれる放射線汚染の除去作業者のうち、高線量被曝者では白血病発生が見られるとされています。

また、汚染地域の中で、事故発生日から数週間以内に生産された牛乳を飲んだ子どもたちに甲状腺がんが高い確率で発生しているというデータもありますが、彼らを含む一般住民においては、白血病に関しては通常と発生確率が変わらないとされています。

 

◆ マヤーク核兵器生産炉

1956年に停止されたロシアのマヤーク核兵器生産炉では、周辺にストロンチウム90が放出されていました。

ここでは、白血病が通常の発症率より高く確認されています。

 

◆ その他

その他、放射線治療を受けた場合や、国際線パイロット・キャビンアテンダントは、一般の人より多く放射線を浴びています。

この場合の健康被害については、やはり白血病リスクが増大している、というデータもある一方、症例があまりにも少ないため、統計的なデータとはみなされていないことが多くあります。

 

白血病の発症率は、10万人に数人程度、とそれほど多い値ではありません。

そのため、放射線を通常以上に浴びた場合とそうでない場合の調査は、非常に難しいものとなっています。

 

必要以上に怖がることはもちろんありませんが、特に放射線治療などの強度の放射線を浴びる場合などは、インフォームドコンセントをしっかりしてくれる医師のもと、行うようにしましょう。

(photo by:http://pixabay.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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