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高齢者の排泄や口腔ケアに関する悩み 高齢者の便秘や加齢に伴う口内環境の変化

高齢者の排泄に関する悩みで最も多いのは、便秘ではないでしょうか。

定期的なお通じは、健康のバロメーターです。

高齢者の便秘にみられる症状、便秘が引き起こす問題を挙げます。

 

便秘とは

便秘の定義は、「便が腸管を通過するのに120時間以上かかり、排便が困難などの書状を伴う状態」です。

しかし、高齢者は排便の頻度がゆっくりになる傾向があり、必ずしもこの定義には当てはまりません。

3~4日に1回の排便でも、腹痛などが起らず、自然な排便があるようなら便秘とはいえません。

 

こんな症状は便秘の可能性あり

・排便に時間がかかる

・排便の頻度が少ない(3~4日以上の間隔がある)

・排便時に腹痛を伴う

・便の量が少なく、硬い

・腹部膨満感(お腹が張っている感覚)がある

・排便後も、まだ便をしたいような感覚がある

 

便秘による影響

便秘が長く続くと、高齢者の体にはさまざまな悪影響が及びます。

硬い便が出ることで、痔の原因になります。長く便が腸内にとどまると、ポリープや大腸ガンの危険性が高まるともいわれます。

不快感による生活の質の低下も見逃せません。

便が残っているような感じがあり頻繁にトイレへ行かざるを得なくなります。

排便にも時間がかかり、高齢者・介護者ともに排便のために体力と時間を取られてしまいます。

いきむ際の体力的消耗も、高齢者にとっては軽視できない問題です。

 

腹部の膨満感は胸やけや腹痛を伴います。食欲不振につながる恐れもあります。

 

高齢者の便秘は、気付きにくい面もあります。

トイレ介助の際などに、さりげなく排便の様子を見て、便秘の兆候をキャッチしましょう。

 

排便の環境を整えて、高齢者の便秘を解消しよう!

高齢者の便秘を解消するためには、排便時の環境を整えることも必要です。便秘がちな高齢者の排便を促す、排便時の工夫を紹介します。

 

トイレへ行くタイミング

最も大切なポイントは、「便意を感じたら我慢しない」ことです。

便意を我慢すると、便意を感じなくなってしまいます。トイレへの移動が困難、排便に介助が必要な高齢者は、便意を我慢しがちです。

トイレまでの移動が大変なら、ポータブルトイレの利用も検討しましょう。

便意を感じなくても、トイレに座って排便を試みる習慣が必要です。

朝食後は、自然な排便が期待できるタイミングです。

朝食を済ませたら、とりあえずトイレに座ってみるというのも、1つの方法です。

 

排便時の姿勢

ベッドで過ごす時間が長い高齢者でも、排便時はできる限り座位をとりましょう。

寝たままでは、十分に腹圧をかけられません。

寝たきりでやむを得ない場合を除き、座位で排便します。たとえポータブルトイレでも、トイレに移動した方が「排便をする」という意識になります。

高齢者は、背中を丸めて前かがみになりがちです。便秘による腹痛があれば、なおさら腹部をかばうような前傾姿勢になります。

できるだけ背筋を伸ばした方が、腹圧がかかります。

 

排便しやすい環境づくり

便秘の高齢者への排せつ介助では、つい心配で排便の様子を見守ってしまいます。これでは、落ち着いて排便できません。排便に長い時間がかかる高齢者では、介護者に遠慮して途中で諦めてしまう場合もあります。

座位を維持できる高齢者なら、介護者はトイレの外で待ちましょう。

寝たまま排泄する場合も、さりげなく視線を外す、少し距離をおく配慮が必要です。

 

体の冷えは、便秘の大敵です。

トイレ内の温度は22℃前後が理想です。小型のヒーターや暖房便座を利用してください。長い時間かかるなら、バスタオルをかけると良いでしょう。

 

トイレに座って、「出そうで出ない」という場合には、へその周りを温かい手のひらで「の」の字を書くようにマッサージするのもお勧めです。

 

高齢者の便秘の原因って?~体の変化、生活習慣~

高齢者の便秘は、いろいろな要因が絡み合って起こります。

具体的に、どのような体の変化、生活習慣が便秘を招くのかを挙げます。

 

加齢による変化

年とともに、体の機能が全般的に衰えます。体の内部、腸の働きも例外ではありません。

腸内の便を肛門まで送り出す、腸のぜん動運動が加齢によって衰えると、便秘の大きな原因になります。

排便時には、腹圧をかけていきみます。

腹筋が弱くなると、十分に腹圧をかけられず、排便に時間がかかります。

 

食生活の変化

まず、食事量が減るため、排便の量も減ります。

水分の摂取も減り、ポロポロと硬い便になってしまいます。

食事の質が変わっても、排便に影響します。歯が弱くなり、食物繊維を豊富に含む硬い野菜を食べられなくなると、排便の回数が少なくなるでしょう。

便通を良くするためには、適度な油分も必要です。あっさりした食事を好む高齢者は、便秘に気をつけなくてはなりません。

 

生活習慣の変化

運動量が減ると、便秘しやすくなります。

特に歩かなくなると、便秘につながります。

家事を自分でできなくなる、入浴の回数が減るといった変化も、便秘の原因です。

自律神経の乱れも便秘の一因です。

昼夜逆転、睡眠不足といった睡眠・生活リズムの変化も要注意です。

 

排便の環境

寝たきりなど、横になった状態で排便せざるを得ないと、腹圧をかけづらいのでスムーズに排便できません。

たびたび介護者の手を煩わせたくないと、排便を我慢しているうちに排便反射が働かなくなってしまうケースもあります。

 

持病

降圧剤、鎮痛薬、抗うつ剤といった持病を治療するための薬剤が、腸のぜん動運動を抑えるなどして、便秘になる場合があります。

脳血管障害などの後遺症で、便意を感じにくい、腹圧をかけづらい高齢者もいます。

 

 

生活習慣や食習慣を見直し、便秘を引き起こしていると思われる要因を取り除きましょう。

 

加齢に伴う口内環境の変化とは~歯・唾液・味覚について~

加齢は、外見や運動能力などあらゆる面に変化を及ぼします。口の中も、例外ではありません。高齢者の口腔にみられる特徴を知り、より良い口腔ケアにつなげましょう。

 

60歳前後から、残存歯(自分の歯)が目に見えて減少していきます。成人の歯は、28本(親知らずを除く)ですが、70台後半の残存歯は、平均で10本以下になります。

どんな食物でも問題なく咀嚼するためには、20本の残存歯が理想です。

残存歯が減少すると、上手に食物を咀嚼できず、食事量の減少から低栄養、衰弱へつながる恐れもあります。

残存歯があっても、咬合面が摩耗して噛み合わせが悪くなり、歯根部の虫歯が増えます。健康な歯を、いかに長く残すかが大切です。

 

唾液

加齢、服薬の副作用などにより、唾液の分泌量が減少します。高齢者の約4割が口腔乾燥(ドライマウス)の自覚があるそうです。

唾液は口腔粘膜や歯を保護し、雑菌を排除します。消化吸収の助けにもなります。

唾液が減少すると、食事の際に食物をスムーズに咀嚼・嚥下することができません。

口の中に食物がいつまでもとどまり、飲み込む時にのどに引っかかるような違和感が生じます。

 

味覚

舌の表面には、味を感じる味蕾(みらい)があります。

加齢によって舌の厚みは薄くなり、味蕾の数と感受性も変化します。

高齢者が濃い味の料理を好むようになったら、味蕾の感受性が衰えているのかもしれません。

正常な味覚を保つためには、亜鉛の摂取も欠かせません。低栄養、消化吸収能力の低下、薬の副作用などにより、亜鉛が不足している高齢者もいます。

 

 

ここに挙げた加齢による変化は、適切な口腔ケアによって予防できる部分もあります。

早いうちから積極的な口腔ケアに取り組んでください。

 

認知症の高齢者に対する口腔ケア介助はどのようにするべき?

認知症を患っている高齢者の口腔ケアを介助する場合、通常とは異なる配慮が必要です。

どのような問題が起こり、それに対してどのような対策をとれるでしょうか。

 

おろそかになりがちな口腔ケア

認知症の高齢者に対しては、自分で歯磨きができているように見えても、口の中の状態を確認する必要があります。

磨き忘れの部分が多く、虫歯や歯周病を発症している人もいます。口内の菌が肺に入り込み、肺炎を起こす危険につながります。

脳血管性認知症の人では、脳血管障害による麻痺によっても口腔ケアが不十分になりがちです。

高齢者が口腔ケアをする際には、近くで見守り、義歯を外して洗ったか、隅々まで磨いたか、口の中に食べ物が残っていないか、などを声掛けすると良いでしょう。

 

義歯の使用は慎重に

認知症の高齢者では、義歯を飲み込んでしまう事故も起こりえます。

大きな義歯、差し歯など、口腔に装着するものすべてに対して注意が必要です。義歯の使用の可否も含め、歯科医の判断を仰ぎながら検討してください。

認知症でも、問題なく義歯を使用している高齢者もいます。

認知症になる以前から、長期にわたって義歯を使用している場合は、習慣として身についていることもあります。

 

口腔ケアを拒否する

自分で十分に歯磨きできないのに、介護者の手助けをかたくなに拒否する高齢者もいます。

繰り返し必要性を説くしかありませんが、どうしても無理なら

・食後にお茶を飲ませる

・甘いものを控える

といった、食習慣の見直しをしてみましょう。

 

歯科の受診も拒否する場合が多いため、認知症と診断されたら早いうちに歯科検診を受け、今後の口腔ケアについて相談することをお勧めします。

 

認知症の高齢者が食事を嫌がるようになり、その原因が虫歯や歯周病で痛みが激しかったからだというケースも多くあります。自宅へ往診してくれる歯科医もいるので、問い合わせてみましょう。

(Photo:http://www.ashinari.com/2008/12/07-010884.php)

 

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-05掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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