女性のカラダの悩み
基礎体温グラフから異常月経を見極める方法!「基礎体温」どれだけ大事?
基礎体温は、避妊したいときや、妊娠を考えたらつけるものと思い込んでいませんか?
本当は、月経のある女性なら誰でもつけたいものなのです。
基礎体温を測ると何がわかるの?
基礎体温を計ることで、毎月のからだのサイクルが、自分である程度把握できるようになります。
月経のある女性のからだをコントロールしているのは、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類のホルモンです。
これらのホルモンの分泌量は、月経の周期にともなって増えたり減ったりしており、どちらのホルモンが多い時期かによって、肌や睡眠、気分、体力、免疫力に至るまで、周期をもって変化しているのが、女性のからだです。
基礎体温をつけることで、自分のからだと心が今どのような状態にあるのかを知ることができるのです。
イライラする・憂鬱になる…基礎体温を記録してみよう
なんとなくイライラしたり、憂鬱だったり、元気が出なかったり。
そんな自分のメンタル面のリズムを、基礎体温表で記録してみましょう。
女性のなかには、月経前に起こる「月経前症候群」であることに気がつかずに、メンタル面のトラブルを精神科や心療内科に相談する人もいます。
基礎体温表を付けてみて、気分が乱れる時期が月経の前に起こるようであれば、月経前症候群の可能性があります。
「今は自分はイライラしやすい時期」と知っておくことで、家族や周囲のひとと衝突しないで済むように気を付けることができます。
身体的な症状を和らげる手掛かりに
妊娠したかどうかはもちろん、流産や排卵の有無、卵巣機能が正常かどうかも、基礎体温のグラフから読み取ることができます。
基礎体温表に記録する内容は?
体温をグラフに記入するほか、からだの調子や変化、飲んだ薬、その日の出来事などを備考欄にメモしておくのがおすすめです。
例えば、「昨夜はお酒を多めに飲んだ」、「からだがだるい」、「風邪気味」、「乳房が貼っている気がする」、「気分が乗らない」など、ちょっとしたメモをしておくと、後から確認する際の参考になります。
また、不正出血や痛みの有無、おりものの状態、エッチした日などをシールや記号でつけておくようにします。
こうしておくことで、生理の状態の変化から膣炎やポリープの有無を把握したり、不正出血がいつ頃起こっているか、排卵やホルモンバランスは正常化、卵巣機能に異常はないかなどを確認することができます。
基礎体温を付けることで、自分のからだをいとおしく感じられるかも知れません。
自分を良く知るために始めてみたい習慣ですね。
正常な基礎体温のグラフとは?
正常な生理が来ている人の場合、基礎体温のグラフは、下向きの大きな山と上向きの大きな山の2つの波で1セットのグラフになります。
生理から生理までの期間は25日~38日が正常で、生理の始まりから終わりまでの生理期間は3日から7日が正常の範囲内です。
また、経血の量の正常値は20~140gで、これらから1つでも外れれば異常月経となります。
続発性無月経の場合のグラフ
規則的にあった生理が、ダイエットや精神的なストレスなどが原因になって3ヶ月以上止まると、続発性無月経となります。
この場合の基礎体温のグラフは、凹凸の無い平坦な、直線のようなグラフになります。
無月経状態は長期間続くと、通常の月経に戻ることが難しくなりますので、4ヶ月生理がない場合は婦人科を受診することが必要です。
無排卵性周期の場合のグラフ
排卵が起きず、基礎体温が変動することなく生理が起こるのが無排卵性周期です。
これも続発性無月経の場合と同じで、基礎体温のグラフは直線のようなグラフになります。
排卵がないので、この状態が続くと不妊の原因になります。
黄体機能不全の場合のグラフ
排卵は起きるのですが、排卵後に作られた黄体がすぐに萎縮したり、機能がなくなるのが黄体機能不全です。
排卵後に作られた黄体の機能が不完全のため、基礎体温のグラフが高温の途中で低温に下がったり、高温の期間が極端に短いまま生理に期間に入ったりするため、グラフでは上向きの山が二つになったり、やけに小さかったりします。
これは何らかの原因でホルモン分泌のバランスが崩れているからなのですが、不妊の原因となることもあります。
自覚症状も参考に
上下に2つの山があるのが正常な基礎体温のグラフです。
異常なグラフの場合、それ相応の自覚症状があるかと思いますので、グラフと共に自覚症状も参考にしましょう。
基礎体温によって何が分かるの?
基礎体温をつけることで、生理や排卵などをコントロールしている女性ホルモンの動きが目に見えるようになります。自分の体のリズムを客観的に知ることができるようになるのです。
基礎体温によってわかること
基礎体温というと、妊娠や避妊のために知るものと思われがちですが、女性ホルモンの変動を知ることの意味はそれだけにとどまりません。
・生理の予測
・体調が悪くなる時期/よくなる時期
・妊娠/流産の早期確認
・排卵の有無
・妊娠しやすい時期の確認
・更年期の早期確認
・女性ホルモンの分泌の有無
生理に関することは当然のことですが、女性ホルモンに影響を受ける全ての変化が分かるのが基礎体温です。基礎体温をつけているとスケジュールが立てやすく、自分の状態が目に見えるようになりますので、自分の症状をコントロールしやすくなります。
体温計の選び方
基礎体温を測定する体温計には様々な種類があります。基礎体温は基本的に毎日測って記録をしていくものですので、自分にあったものを選ぶことが重要です。体温計は大きく分けて2種類です。
実測式の単機能タイプ
測定値のみを表示するタイプです。このタイプには水銀体温計と電子体温計があり、比較的安価です。体温が完全に温まった状態を測定しますので測定に5分かかります。測定したら専用のグラフに体温を書き写す必要があります。
予測式の高機能タイプ
自動的に測定値を記録して、グラフを作成してくれます。単機能タイプと比べると比較的高価ですが、生理日の計算や次の排卵の計算などを行ってくれるものもあります。測定時間は数十秒から1分強と、単機能タイプよりも短い時間で測定できます。これは短い時間で5分後の温体温を予測して表示しています。
予測ができるということは、生理のある女性にとっては非常に重要なことです。例えば生理痛がひどいという人は、あらかじめ薬を服用することも出来ますし、体を冷やさないように服装を選ぶこともできます。
「基礎体温」どれだけ大事か知ってる?
からだのリズムを把握する
基礎体温は、「妊娠したい人や避妊したい人が測るもの」と思っていませんか?
そんなことはありません。
基礎体温には、女性が健康に生き生きと暮らすための情報がぎっしりと詰まっているので、妊娠・避妊に関係ない人も測ったほうが断然オトクなのです。
なぜなら、体温のリズムがわかると、約一ヶ月で変動する女性ホルモンのバランスもばっちり知ることができるからです。
基礎体温とはからだの動きが一番安静な状態にあるときの体温です。
測り方は、睡眠をとって目覚めたら、からだを動かさないうちにふとんの中で婦人体温計を使って検温します。
こうして測った結果を折れ線グラフに記入してください。
「そんな面倒くさいことできない」という人もご安心を。
最近では30秒くらいで測れて、1年分くらいのデータを体温計が記録してくれるものも市販されています。
また、携帯アプリでもそのような記録を残せるものも出ていますので、チェックしてみてください。
まずは一周期分トライしてみてはいかがでしょうか?
基礎体温の変化パターン
月経が28日周期の人の場合、基礎体温は月経が始まってからの2週間くらいは低温期です。
排卵が起きると基礎体温は低温期に比べて0.5℃くらい上昇して、10~14日ほど続き、月経が始まると再び低温期に戻ります。
ホルモンバランスが整っていれば、高温期と低温期が2層に分かれるようにグラフが描かれます。
基礎体温を測るとこんなにお得!
①排卵日がわかる
②次の月経がいつくるか予測できる
③イライラする時期はいつか予測できる
④便秘や肩こりなど体調がすぐれない時期を予測できる
⑤月経が不規則になるとすぐに気づく
⑥月経以外に出血があるときは、その時期がはっきりする
排卵しているかどうか、カギをにぎる「基礎体温」
毎月生理が来ているから、ちゃんと女性ホルモンが分泌されていると安心していませんか?
じつは、生理があっても排卵していない場合があるのです。
無排卵性周期症
排卵をともなわずに生理のような出血がおこる、「無排卵性周期症」という症状があります。
月経周期は不順なことが多く、月経持続期間も短かったり長かったりしますが、一応生理が来ているため、なんとなく放置してしまいがち。
そこで、排卵がきちんと起こっているかどうかを知る手掛かりになるのが、基礎体温表です。
無排卵の場合の基礎体温
1ヶ月に何度も生理が来る頻発月経の人や、逆に月経周期がとても長い稀発月経の人は無排卵性周期の可能性が高くなります。
まずは基礎体温表を付けてみましょう。
無排卵性周期症の場合、基礎体温は高温と低温の2相にならずに、1相性を示します。基礎体温を測ってみないと、無排卵性周期症を見つけるのは困難です。
基礎体温が一相だったら?
排卵していない可能性が高くなります。排卵していないため、妊娠する可能性はありません。
無排卵性周期を放置していると卵巣機能はますます低下して無月経となり、排卵することが難しくなります。
もしも妊娠を希望している場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
どんな治療をするの?
無排卵性周期症の場合は、排卵を起こさせるために、生理が終わった頃から排卵誘発剤を服用し卵胞が成長するのを助けるといった薬物療法を行います。
また、月経周期を整えるために、ピルや黄体ホルモン剤を服用して人工的に生理を起こさせるなど、月経周期を整えることで卵巣機能の自然な回復を期待することもあるようです。
女性にしかない、基礎体温の変化。基礎体温を知ることは、自分のからだのなかで起こっている変化を知ることにつながります。まずは毎朝計って、からだのリズムをつかんでみたいですね。
月経は例えるとベビーベットを廃棄処分すること!?
正直言って、毎月面倒な月経。。
その毎月の出血はどうして起こるのでしょうか?
まず、黄体ホルモンは、妊娠できる状態を整えるため、子宮内膜を少しずつ厚くしていきます。
たとえるなら、赤ちゃんのためにふかふかのベッドを子宮の中に準備していると想像してみてください。
この子宮内膜は卵子と精子が出会って受精すると、受精卵を育てるために使われます。
でも、妊娠しないとふかふかのベッドは必要ないので、血液とともに体外に排出されます。
つまりこれが月経で、月経は厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちる現象なのです。
女性のカラダの仕組み
・子宮
赤ちゃんを育てるための部屋で、普段は鶏卵くらいのサイズですが、臨月のころには直径が30~35cmまで伸びます。
子宮の中は子宮内膜という粘膜で覆われていて、妊娠に備えて約ひと月で厚くなりますが、妊娠しないと経血と一緒に排出されます。
・卵管
子宮の上から卵巣に向かって伸びる管で、卵子と精子、および受精卵の通り道です。
・卵管采
排卵により卵巣から飛び出した卵子をキャッチします。
・卵巣
子宮の外側にあって、卵子のもととなる原始卵胞がつまっています。
卵巣では女性ホルモンをはじめ、いくつかのホルモンを分泌しています。
・子宮頸管
子宮の入り口。
出産のときは赤ちゃんの通り道になります。
・膣
外陰部の膣口から子宮をつなぐ器官で伸縮性があり、出産のときには広がって赤ちゃんの通り道になります。
普段はおりものや経血の通り道でもあります。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/2009/05/10-019617.php?category=265])
著者: カラダノート編集部