気になる病気・症状
人種で違うボーエン病の症状~皮膚のがん、ボーエン病とは?~
ボーエン病は皮膚がんの少し前の状態で、放っておくと高い確率で皮膚がんになってしまいます。ボーエン病の病変を見つけたら出来るだけ早いうちに病院で手術などの治療を受けることが必要です。
そんなボーエン病ですが人種によって少しずつ症状が違うことがあるのです。
●人種に関わらず共通するボーエン病の症状
まずは人種に関わらず共通するボーエン病の症状を見ていきます。典型的な症状と言われるのが境界のわかりやすい斑があることです。
しみなどは境界がわかりにくく、ぼんやりとしていますがボーエン病の場合はそうではありません。境界鮮明でほくろのように色のある部分とない部分がはっきりしています。
また、老人のほうがボーエン病にかかりやすいというのも人種に関わらず見られる特徴です。
●人種によって違うボーエン病の症状
人種によって違うボーエン病の症状ですが、ボーエン病の病変の色が異なっています。白人はボーエン病の病変が赤っぽいですが有色人種の場合は赤茶色なのが大きな違いです。
なお、日本人にボーエン病が出る場合には日光に当たらない部分に病変が発生するケースがほとんどです。
一般的にボーエン病について語られるときには日光に当たる部位への病変発生が多いのですが、これは人種ではなく日本人特有のものといえるでしょう。
いずれにしても境界がわかりやすく赤っぽいもしくは赤茶っぽい斑が出来ているときにはボーエン病の可能性もあります。
ボーエン病は境界鮮明の斑が出来る病気ですが白人の場合は斑の色が赤っぽく、有色人種の場合は赤茶っぽいのが違いです。
湿疹などとも間違われやすいボーエン病ですが、早いうちに見つければ手術も簡易なものとなります。
皮膚のがん、ボーエン病とは?
ボーエン病とは?
皮膚内に癌ができてしまう病気です。繁殖が表皮内だけに留まっているので表皮内癌と呼ばれています。
癌が真皮に及んでいない場合は、それ以上転移することはなく、手術で切除してしまえは、ほぼ完治してしまう病気です。
ボーエン病の原因とは?
ボーエン病の原因は紫外線やウイルスだと考えられています。
これはボーエン病の症状が肌が常に露出している場所に多く見られるためで、はっきりとした原因の解明はされていません。
ボーエン病だと診断されたら?
ボーエン病と診断されたら、手術による摘出が行われます。
手術箇所が小さいのであれば摘出した後、皮膚を直接縫い合わせることができますが、病変が大きいものだと直接縫い合わせることができないので、植皮術などを取り入れなくてはならなくなります。
自分で症状から判断するには?
ボーエン病は手足や胸など比較的露出している部分に多くできます。
特徴としては痒みを伴わない赤黒いシミみたいなものが、徐々に大きくなっていったらボーエン病を疑ってみましょう。
かさぶたのような状態になることもありますので、気になり始めたら病院(皮膚科)を受診してボーエン病であるか、診断を受けるようにしましょう。
病変が小さいうちならば手術で取り除くことも簡単ですし、跡も目立ちにくくなります。
病変が大きくなり症状が進んで、真皮に癌細胞が入り込んでしまうと、多発性になってしまったり、内蔵組織の癌として転移、合併症を引き起こすこともあります。
高齢者に多い病気なので、高齢者に良く見られるシミなどと同様だと間違えないよう、早期に受診することをお勧めします。
皮膚癌の一歩前? ~ボーエン病
皮膚癌の種類は様々ですが、日光が原因のものが多くあります。
また、それ以外にも薬剤や、ウイルスが原因とされる皮膚癌もあります。
○ ボーエン病
皮膚は、外から角質層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層、真皮、と層になっています。
そのうち、有棘層が増殖し、表面からみると赤くざらざらした状態になり、見た目が湿疹のようになっている病気を、ボーエン病と言います。
皮膚癌の手前、前癌状態と言われとり、放置すれば有棘細胞癌に移行することがあります。
癌化すると、リンパ節に転移したり、内臓に転移することも多く、死に至ります。
○ ボーエン病の原因
他の皮膚癌の原因にも多くある、紫外線(日光)に長年当たったことで発症する場合、ヒ素中毒の場合、そしてヒトパピローマウイルスに感染した場合などが考えられていますが、はっきりした原因は不明です。
胸・腹・背など、日光に当たらない部位に発生した場合、皮膚癌の専門医でないと、湿疹と診断を間違える場合もあるため、注意が必要とされています。
○ ボーエン病の治療
基本的に、手術により切除します。
進行は通常遅いため、腫瘍化していなければ、切除だけでもほぼ完治できます。
内臓などと違い、皮膚は自分の目でもチェックできる場所です。
急に何か出来物ができたりした際は、なるべく早期に見つけ対処したいものですね。
ボーエン病での手術の特徴と術後処置
ボーエン病とは皮膚がんに移行する可能性の高い皮膚病です。ボーエン病は表皮内がんと同じと言われることもあり、皮膚の浅い部分にがんがある状態を指しています。
そんなボーエン病の治療法と手術についてみていきます。
●ボーエン病の治療と手術
ボーエン病だけではなく皮膚がんなどについても同じことが言えますが、基本となるのは問題となっている部位(病変)を取り除くことです。
がんの手術で、腫瘍そのものを取り除いたという話を聞いたことがある方もいるはずです。ボーエン病の場合も同じで、ボーエン病の色素斑そのものを取り除けば完治できるのです。
●ボーエン病での手術を詳しく見てみよう
ボーエン病で病変を取り除けるのは初期です。5㎝以下の病変の場合は傷を縫い合わせる形で手術跡を処置します。
それよりも大きな病変を手術する場合には傷を縫い合わせることはできないので皮を作ります。例えば健康な皮膚の一部を取って、傷口がある部分に取り付けるといった感じです。
ボーエン病の進行度が高い場合には放射線療法や抗がん剤治療など本格的ながんの治療も併用して行われることがあります。
これはボーエン病が表皮内がんよりも進行している状態で、ボーエン病ではなくボーエン癌と呼ぶこともあります。
進行度が低ければ低いほど手術後の処置も簡易なものでOK、回復期間も早いのはボーエン病以外の病気にもみられる特徴です。
ボーエン病では病変を取り除く手術による治療が一般的です。ただ、ボーエン病が進行して癌化しているときには抗がん剤治療なども行わなければなりません。
ボーエン病にかかりやすい人の特徴と間違われやすい病気
数多くの病気でかかりやすい年齢、好発年齢もしくはかかりやすい性別があります。子供がかかりやすい病気、大人がかかりやすい病気、男性がかかりやすい病気といったようにです。
ボーエン病の場合はどのような人がかかりやすい病気なのかを見ていきます。
●ボーエン病は子供には滅多に発生しない
ボーエン病の患者は世界中にいますが、子供でボーエン病が発症したという例はそれほど多くありません。
ボーエン病は基本的には30代以上がかかりやすい病気と思っていてください。なお、好発年齢は60歳以上と言われており、老人は注意が必要な病気です。
●ボーエン病の男女比は?
ボーエン病は男女比のほとんどない病気ですので男性でも女性でもかかる可能性は似たり寄ったりと考えてください。
産業医科大学の統計では男女比0.77:1で女性の方が多く、久留米大学の統計では男女比1.4:1で男性のほうがやや多い形です。
2012年に発表された第111回日本皮膚科学会の統計では男女比47:53でこちらは女性の方がやや多くなっています。
●ボーエン病に間違われやすい病気
ただの皮膚病だと思っていたのにふたを開けたらボーエン病だったという方は案外多いです、ボーエン病と間違われやすい病気には湿疹や発疹などがあります。
皮膚への異常が認められ、それがうろこ状で赤褐色の場合にはボーエン病の疑いも強いので病院へ行きましょう。
ボーエン病は60代以上の老人に感染しやすく、男女比ではほぼ違いがありません。
なお、湿疹や発疹と間違われやすいのですがボーエン病だった場合には早急な手術が必要ですので湿疹かなと思っても病院で詳しい検査を受けるのがおすすめです。
(Photo by: [http://pixabay.com/static/uploads/photo/2012/10/05/03/25/schnakenstiche-59775_640.jpg?i])
著者: カラダノート編集部