気になる病気・症状
滲出性中耳炎の検査方法とは?後遺症で難聴の可能性が?!一体何%が難聴になるの?
滲出性中耳炎は中耳に滲出液がたまる病気で、子供にはよくみられる病気と言われています。滲出性中耳炎で液が溜まる中耳は風船のような組織で、飛行機内での耳の痛みとも関係しています。
●滲出性中耳炎で飛行機には乗れるの?
滲出性中耳炎でも軽度の場合は飛行機に乗っても問題ないと言われています。
重度の滲出性中耳炎でドクターストップがかかることもあるので、治療中であれば飛行機に乗る予定の1週間前には、医師に飛行機に乗れるかどうかを聞いてみてください。
ドクターストップがかけられたのであれば、別の移動手段を考えるべきです。
●一般的な耳抜きの方法
普段は飛行機で耳が痛くならなくても、滲出性中耳炎の時には耳が痛くなりやすいです。まずは一般的な耳抜きの方法を覚えましょう。
飛行機に乗ると唾を飲む込む、ガムを噛むという方が多いですが、これは飛行機で耳が痛くなる原因である耳管に空気を通すための作戦です。
また、耳が痛いときにはくしゃみをするのもおすすめです。くしゃみをすることで耳管に空気が通りやすくなります。そのためには鼻を詰まらせないのも、大切なポイントと言えるでしょう。
●痛み止めは必須
滲出性中耳炎の場合は、一般的な耳抜きの方法やくしゃみだけでは対処しきれないこともあります。
痛み止めを常備していざというときには飲めると思っているだけでも安心度が違いますので、痛み止めは絶対に持っていきましょう。事前に医師に相談していれば、頓服で痛み止めを出してくれるはずです。
滲出性中耳炎で飛行機に乗るときには、痛み止めを持ったうえで、まずは耳抜きを行ってみましょう。ガムを噛んだりして、それでもよくならなければ頓服の痛み止めの服用をおすすめします。
難聴の可能性大!成人の滲出性中耳炎
滲出性中耳炎とは
そもそも滲出性中耳炎とは、鼓膜よりもさらに奥の中耳腔という場所に液体がたまる中耳炎の事を言います。この液体とは外部から入ってきたものではなく、耳内部の滲出液です。この液体がたまることで、耳の聞こえが悪くなってしまいます。
中高年の滲出性中耳炎
中高年の滲出性中耳炎の場合は、老化によるものが多いと言われています。耳管が加齢により、鈍くなるからと考えられています。特に原因もなく耳の異常を感じる場合は、たいていこの場合が多いです。
症状は軽い事が多いですが、繰り返す可能性が高いです。自然治癒することも多いですが、自然に治らない場合は治療をします。鼓膜を切開し、1ミリほどのチューブを入れ、空気の入れ替えをすることで液体を溜まりにくくします。
注意が必要!20代~30代に突然、滲出性中耳炎に
幼少期に中耳炎を繰り返す体質ではなかった、原因が見当たらない(風邪など)にも関わらず滲出性中耳炎になった場合は注意が必要です。滲出性中耳炎は、場合によって慢性中耳炎になることがあり、手術が必要になることもあります。
慢性中耳炎になると難聴になるリスクが高まります。そもそも慢性中耳炎とは、切開をした後鼓膜に穴が開いたまま塞がらず、耳の聞こえが悪くなる病気です。つまり難聴です。
鼓膜の穴から水や細菌が入り膿が生じますが、穴から出てくるので耳だれの量が多くなります。聞こえが悪い・耳だれが多いと思ったら耳鼻科で診てもらいましょう。
鼓膜形成術
鼓膜形成術は、日帰りでできる手術です。鼓膜に空いた穴を、膜を使って塞ぐ方法です。この膜で穴を塞いだら聴力が回復するか?耳だれは止まるか?をチェックします。改善の兆候がみられた場合、この手術方法になります。簡便で成功率の高い方法なので安心です。
もし、改善の兆候が見られない場合は他の手術方法になりますので、担当医にご相談ください。
塞いだ後も肝心です。再び穴が開かない様に、2週間くらいは激しい運動は控え、鼻を強くかんだりしないようにしましょう。また、感染が起こらない様に注意しなくてはなりません。丈夫な鼓膜が再生するまでは、耳鼻科に通いましょう
ティンパノメトリー?聴力検査?滲出性中耳炎の検査方法
滲出性中耳炎の疑いがあるときには2種類の検査で滲出性中耳炎かどうかを確かめます。
1つが聴力検査、もう1つがティンパノメトリーという検査で、どちらの検査も耳鼻科で行える検査です。
●滲出性中耳炎を確かめる聴力検査
聴力検査では左右別々に検査を行います。両方の耳で検査すると片方のみに起きている異常を見逃す可能性があるからです。
学校などで一度は聴力検査を受けたことがあるという方も多いと思いますが、滲出性中耳炎の場合も同じです。
音の強さ、高さ、低さなどをしっかりと聞き分けられるかどうかをチェックする検査で、4歳以上であれば検査結果の信頼度も高いです。
3歳までは検査への集中力や検査指示がわからないなどの問題もあります。
●ティンパノメトリーって?
聴力検査に比べるとマイナーな検査とも言われるティンパノメトリーは耳の中に機械を入れて鼓膜を見る検査です。耳の中に入るような小さな測定器を外耳道に密着させます。
これで耳の中には測定器を通してのみ空気が入るようになり、測定器で気圧を変えていきます。
鼓膜の動きやすさをグラフ化したものがあるので、それに合わせて滲出性中耳炎がどれほど進んでいるかがわかります。
●その他の検査も
基本的には滲出性中耳炎の検査は聴力検査とティンパノメトリーで行いますが、原因究明のためにほかの検査をする場合もあります。
滲出性中耳炎がほかの病気から来ている可能性もあるからです。アデノイド検査、アレルギー検査などが一般的で、耳鼻科以外で検査をすることもあります。
滲出性中耳炎の検査は聴力検査とティンパノメトリーが主です。聴力検査は4歳以上では正確な結果が出やすいです。
滲出性中耳炎でプールに入るのはいつからならOK?
中耳炎になりたてのころは急性中耳炎、その後治りかけてきた状態が滲出性中耳炎と呼ばれています。
基本的には急性と滲出性と言っても違いはあまりなく、原因については急性中耳炎でも滲出性中耳炎でも変わりありません。
●プールに関する意見は割れる
中耳炎のときにはプールなどに入らない方がよいと言われることがあると思いますが、滲出性中耳炎では意見がやや割れます。滲出性中耳炎の治りかけでプールに入ると悪化するという意見もあれば、原則的に水泳は可能とする意見もあります。
医師に確認したうえで一度プールに入れてみて、プールから帰ってきて子供の様子がおかしい(痛みを訴えたり不快感を訴えたりする)なら、もう一度様子見にした方がよいです。
また、滲出性中耳炎でプールに行った後の診察で、膿の様子が変化していると言われた場合は再びしばらくはプール禁止です。
●水遊びはOK
プールについてはOKという意見とNGという意見に分かれていますが、家庭用のプールで水遊びするくらいは共通見解でOKです。
滲出性中耳炎であっても、夏のレジャーなどで軽く水遊びする程度は大丈夫ですので、暑い日には水遊びしてみてもよいでしょう。
●再度の風邪に注意
外は暑くても水の中は涼しいですし、たくさんの人が集まるプールに行ってきて風邪をもらうと再び急性中耳炎まで逆戻りする可能性があります。
もともと風邪が原因でかかることの多い病気ですので、風邪をもらわないように手洗いやうがいを徹底したり、プールから上がったらすぐに体を拭くなどの工夫が必要です。
滲出性中耳炎になったということは、急性中耳炎のころよりは少しずつ症状が軽くなっている証拠です。ただし、プールに関しては主治医の指示を仰ぐこと、そして実際に入れてみて子供の様子を見ることで、適切な時期を判断しなければなりません。
滲出性中耳炎の後遺症で難聴の可能性が?!一体何%が難聴になるの?
中耳炎とは耳の中に炎症が起きて膿がたまる病気で、子どもは急性中耳炎や滲出性中耳炎にかかりやすいと言われています。
中耳炎になるきっかけでもっとも多いのは、風邪やインフルエンザなどのウィルス感染です。
●滲出性中耳炎の後遺症の可能性
滲出性中耳炎は60%くらいの方が3カ月以内に治ると言われていますが、場合によっては後遺症が出るケースもあります。
統計上のデータはないものの、大体100人に1人くらいは滲出性中耳炎の後遺症が出る可能性があるようです。
滲出性中耳炎の後遺症が慢性中耳炎(慢性的に膿が溜まっている)で、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎も慢性中耳炎の一種です。
慢性中耳炎になると、中程度の難聴に悩まされることになります。
●中程度難聴で生活に及ぼす影響
滲出性中耳炎の後遺症で中程度の難聴になった場合は、生活に及ぼす影響が少なくはありません。
例えば、以下のような問題が生まれます。
・普通に話しかけても反応が薄い
・言葉はわずかしか出ない
・発音の誤りがやや見られる
・その子によっては発達の遅れがある
・高度難聴ほど聞き取りが悪いわけではないので発見が遅れやすい
●治療中の風邪と鼻すすりに注意
もともと滲出性中耳炎から難聴になる確率は100分の1程度ですから、それほど高いわけではありません。
ですので後遺症を確実に防ぐというよりも、滲出性中耳炎を効果的に治す方法として紹介したいのが、風邪を引かないこと、鼻すすりをあまりさせないことです。
この2つはいずれも滲出性中耳炎の治りを遅くしてしまうので、特に寒い時期には風邪に十分注意してください。
滲出性中耳炎から慢性中耳炎になる確率は非常に低いですが、ゼロではないので風邪や鼻すすりに注意して、滲出性中耳炎をしっかり治すことが重要です。
そして、もしも子供に呼びかけても反応が少ないなど異常を感じたら、早めに病院に連れて行った方がよいでしょう。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/])
著者: カラダノート編集部