カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 気になる病気・症状 >
  3. 感染症 >
  4. マラリア >
  5. 中南米由来の感染症『シャーガス病』とは?

気になる病気・症状

中南米由来の感染症『シャーガス病』とは?

 

 

シャーガス病感染のリスクは、輸血した血球の種類によって異なる?

 

2013年9月頃に報道された、『日本人がシャーガス病に感染した可能性がある』というニュースをご存知の方もいらっしゃるのではないかと思います。報道の詳細は、中南米の出身の男性が日本国内で献血を行った際の血液を調べたところ、シャーガス病抗体が検出され、その血液が日本人10人に輸血されたのではないかと言う内容でした。各報道記事の多くに、感染の可能性が記されていましたが、熱帯医学専門の医師の話によると、輸血された血球の種類によっては感染の確率はほぼ0に近いものであると説明されていました。また、今回の報道にはあまり過剰に反応しすぎず、受血者の方の検査を早急に行い、事実確認を行う必要があるとされています。以下では、『シャーガス病』に関する詳細と、血液製剤による感染の可能性についてご説明していきたいと思います。

 

シャーガス病の病原体『トリパノソーマ・クルージ』とは?

 

シャーガス病の病原体となっているのは、『トリパノソーマ・クルージ』という、中南米に広く生息している寄生虫です。この寄生虫が、カメムシのような様相をしたサシガメという昆虫に寄生し、サシガメが人体に吸血した際に糞を傷口にすり込ませることでその中の病原体も入り込み、感染するといわれています(サシガメは吸血の後、糞をする習慣性がある)。その他の経路としては、子供などがサシガメに触れるなどして手に付いた糞を目を擦ることで、粘膜感染する場合もあります(まぶたの腫れ=ロマーニャ徴候)。サシガメを介さない感染経路は、母子感染、臓器移植による感染、輸血による感染が主です。感染者との皮膚接触や、体液を介した接触では感染は起こらないようです。

 

<トリパノゾーマの生息地は?>
サシガメは中南米のパラナ州内陸部一帯やサンパウロ州の奥地などに生息していると言われ、主に家の土壁などに多く出現するようですが、ブラジル政府によると『サシガメ撲滅宣言』が出されており、現在は新規の感染例はないものとされています。既感染者が20~30年の潜伏期間を経て、将来発病するという恐れがあります。

 

シャーガス病の症状と予防法について 

 

<症状は?>
感染後、1~2週間で風邪のような症状が出たのち、大半のケースは症状が治まるが、1%以下の割合で心筋炎や髄膜炎などの致死的な症状を発すると言われています。初期症状の後も、病原体は体内に残り、腸管や心臓の細胞内に生息します。血中には存在しなくなるため、顕微鏡による発見は困難ですが、抗体検査により発見することが出来るとされています。慢性感染者のうち約7割は発症せずに一生過ごすことになりますが、感染後10~30年後に活動が再開され、20~30%不整脈や心不全10~15%巨大食道や巨大結腸などの症状が起きる場合もあります。

 

<予防方法は?>
1)中南米に滞在予定がある場合:ブラジル政府によりサシガメ撲滅宣言が出されているが、近年アサイやサトウキビの生ジュースの中に病原体が生息していることが確認されており、安易に生ジュースを飲まないようにすることが重要とされている。また生息地とされる、土壁・藁葺き屋根の家屋に夜間滞在することも避けた方が良いとされています。

 

2)国内において:現在では(2013年4月以降)献血の際には、全国的にシャーガス病抗体の検査が行われているので、安全であるようです。

 

<治療法は?>
急性期に、
◆ニフルチモックス
◆ベンズニダゾール による投薬が有効とされています。
慢性期に移行すると、薬物治療の効果は期待できないとされています。

 

 

最後に

 

現在、ブラジルではサシガメ撲滅宣言を受けて現地の方や日本人の海外青年協力隊なども含む、『JICAシャーガス病対策プロジェクト団体』の方達が熱心な啓発や駆除活動を行うことによって、着実に生息数は減少していると言われています。主に、都市部や、農村部でもコンクリート造りの壁や、トタン製の屋根を使っているような住宅地においては生息が見られないとされていますが、特にブラジル北東部などに渡航予定のある方は、事前に十分な情報収集と対策、また感染リスクについての理解が必要になると思われます。

 

こちらも併せてどうぞ!

シャーガス病感染リスク問題に、国内医療システム対応の遅さ見る

 

(photo by://pixabay.com/ja/%E8%83%8C%E6%99%AF-%E9%AB%98%E5%AF%86%E5%BA%A6-%E7%92%B0%E5%A2%83-%E6%A4%8D%E7%89%A9-%E8%91%89-%E6%A3%AE%E6%9E%97-%E7%B7%91-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB-70998/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

マラリアに関する記事

マラリア危険地域に行く前に 知っておきたい「スタンバイ治療」とは

  東南アジア、南アジア、オセアニア、アフリカ、中南米などマラリアの流行地の中...

近い将来日本でマラリアが大流行!?地球温暖化が招く恐ろしい病気

  熱帯地域で今もなくならないマラリア。 地球温暖化で日本でもマラリアが...


マラリアはワクチンが未完成 回復には早期発見・早期治療がキーワード

  感染症であるマラリアは、その種類によっては死亡する危険性もある病気です。し...

アフリカへ旅行の方は要注意!マラリアを徹底的に回避する方法3つ

  マラリアは適切な処置ができれば発病しても治らない病気ではありませんが、地域...

カラダノートひろば

マラリアの関連カテゴリ

マラリアの記事ランキング

人気体験談ランキング

気になる病気・症状のひろば閲覧ランキング

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る