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健康診断・健康管理

摂食時間の乱れは、生体リズムの異常を引き起こす!

 

 

夜食をとる習慣が付くと、どのような弊害があるか?

 

秋の夜長、気候も涼しくなり、つい夜更かしや夜食を摂ってしまうという方も多いと思います。スペインでは昔から『百人の医者を呼ばんより夜食をやめよ』という諺がありますが、これは100人の医者を呼ぶよりも、夜食を止めることが健康に繋がる、ということを意味しています。日本においても実際夜食の摂取率が増加してきているという報告があり、平成20年に行われた国民健康栄養調査結果では、15歳以上が午後9時以降に夕食を摂取する割合は、昭和60年の4.4%から11.4%まで増加していると言われています。また、夜遅くに食事をするという生活リズムが、ホルモン分泌や循環器の活動に大きな影響を与えるという報告も数多く行われています。

 

夜間に食事を摂ることを迫られる例としては、夜間勤務が挙げられますが、2001年に労働環境を調査した報告書によれば、深夜業務を終えた後に何らかの体調不良が見られた方の割合は、約36%であったとされています。この原因のひとつに、摂食時間』が関係しているという報告があります。

 

あるラットを使った、生体リズムを調べる実験が行われた例がありますが、ラットの摂食時間を昼夜逆転させることで、消化酵素の分泌ピーク時間帯が合わせて変動するという結果が見られたそうです。また、ヒトにおける実験においても同様に、副腎皮質コルチコイドの分泌ピーク時間帯の変化や体温のピーク時間帯の変化が見られるという報告があり、生体リズムの変化は健康に様々な悪影響を及ぼすものとして問題視されています。

 

本来、循環器やホルモン分泌のピーク時間帯は定時に設定されている

 

上記ではホルモン分泌や酵素活性などに変化をもたらすものとして、摂食時間を挙げましたが、これは生命活動を行ううえで、時間的な基盤となる『生体リズム』の中でも外因性リズムと呼ばれる部類に入るものです。外因性リズムともうひとつの部類に内因性リズムがありますが、これは外因性の刺激を取り除いても継続される、1日約25時間のリズムで活動する体内時計のことを指します


◆外因性リズム

昼夜(光、明暗)、食事時刻、温度、湿度、音などによって調整される生体リズム。


◆内因性リズム

外因性の刺激によらない約25時間の生体リズム

 

内因性リズムは多くは外因性の刺激によって影響されます。規則的に継続される外因性刺激が行われることで1日25時間を基本単位とする体内時計が是正され、恒常性を保つことが出来ます。外因性の調整機能がなければ、徐々に生体リズムと実際時間がずれていくと言われています。生体リズムによって調整されている代謝機能や循環機能には、それぞれ分泌増加のピーク時間帯が設定されていますが、外因性リズムが不規則になると、これらのピーク時間帯にも変化が起き、昼夜の逆転現象が起こる場合などもあります


<正常時の生体リズム例>
循環器系の活動ピーク時間帯は、夕刻(16時頃)。
副腎機能、成長ホルモン、細胞分裂、好中球細胞数のピーク時間帯は、入眠直後(23時頃)など。

 

生体リズムが乱れることで、生じる可能性のある疾患とは?

 

生体リズムが乱れることによって、生じる可能性のある疾患とは以下のものがあります。

 

1)睡眠障害
就寝時刻が病的に遅くなる疾病に、睡眠相後退症候群早くなる疾病に、睡眠相前進症候群がありますが、いずれも体内時計に乱れが生じたことが原因であると考えられます。

 

2)精神疾患
季節性感情障害と言って、高緯度地方にて日照時間が少なくなる冬季にうつ症状のような病態が現れる傾向があります。これは、日照時間が少ないことによる、体内時計への影響であると考えられます。

 

3)中性脂肪の蓄積
Bmal1と言う体内時計を司る遺伝子に異常が生じると、体内脂肪が蓄積しやすいことが報告されています。体内時計遺伝子に異常が生じると、酵素にも異常が出現するためであると考えられます。

 

4)腫瘍の発生
ヒトを対象にした疫学調査では、夜間労働を行ったり、夜間に照明を浴びる生活リズムを行っている女性は、乳がんの発症率が高くなるという報告があります。これは、腫瘍抑制効果があるとされているメラトニンの分泌が夜間の照明で低下することや、女性ホルモンの分泌パターンが変化することが原因とされています。また男性においても、国際線のパイロットを対象とした調査があり、長距離長時間のフライトに従って前立腺がんの発症率が高くなっているという報告があります。

 

5)生殖機能の異常
マウスによる実験では、体内時計を調整する遺伝子に変異が生じたマウスは、排卵周期が伸びるなどの乱れが生じ妊娠しにくいという報告があります。また、エストロゲンやプロゲステロンの分泌リズムに異常が現れるため、妊娠の維持率が低く、子供の数も少ない傾向があります。

 

摂食時間に工夫を!

 

では、上記の疾患を予防するために、どのような対策があるでしょうか?交代制勤務のような不規則な生活習慣であった場合、夕方や夜間の勤務の日などは、つい昼間まで睡眠を取ってしまう傾向があるように思います。しかし、通常ヒトの生体リズムは1つの決まったパターンで恒常性があり、日中活動が主になる方が本来のリズムに合い、望ましいとされています。上記でも述べましたが、ヒトの生体リズムは摂食刺激によって、体内時計のリセットや代謝活動の促進が行われる部分がありますので、摂食時間や量を調整することで、生体リズムの調整を行っていくことが必要です。

 

<生体リズムの調整方法>
◆出来る限り、朝食・昼食を定時に摂る

 ⇒一定の生体リズムを保つため
◆朝食には、「糖質・タンパク質」を摂る

 ⇒左記2栄養素が、25時間生体リズムをリセットするという報告がある。
◆夜間の摂食刺激を避け、可能ならば夕方・夜間2回に分けた食事を摂る

(夕方に炭水化物、夜に消化しやすいおかずを摂る)

 ⇒生体リズムを朝方へ、夜間の酵素の消費も抑える

 

また、摂食以外の外的刺激に関しては、
◇朝、定時に日光を浴びる。
なども生体リズムの調整には重要とされています。

 

最後に


上記でも述べましたが、人にはある程度、摂食時刻などの慨日リズムに合わせて生体活動を調整する能力が備わっているようですが、やはり元来は日中活動を行うのが常であり、このことは上記の深夜労働の体調変化の割合にも良く現れています。特に交代制勤務などにより定時の摂食時間が定まらない、頻繁に明暗や身体活動の時刻が逆転する、などの不規則な生活リズムが継続してしまうと、本来ひとつのパターンに沿って行われる生体リズムに異常が生じてくると考えられます。出来る限りではありますが、本来の生体リズムに応じた生活パターンに近づけていくことが、疾病を引き起こさない鍵となります。

 
(photoby://pixabay.com/ja/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2-%E6%84%8F%E6%B0%97%E6%B6%88%E6%B2%88%E3%81%97%E3%81%9F-%E5%BE%93%E6%A5%AD%E5%93%A1-%E7%96%B2%E3%82%8C-%E5%BC%8F-%E5%A5%B3%E6%80%A7-19156/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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