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アルツハイマー型認知症の検査方法、脳血流SPEC検査とは?

        

アルツハイマー型痴呆(Alzheimer?type dementia:ATD)は、初老期、老年期に痴呆を来す代表的な変性疾患です。

 

平成11年よりdonepezil(商品名:アリセプト)がこの疾患の治療薬としてわが国で初めて認可され、また平成12年4月より施行されている介護保険の要介護認定における特定疾患として指定されています。

このことからも、アルツハイマー型痴呆の診断は、臨床においても介護においても重要となってきています。

 

アルツハイマー型痴呆の症状は、記憶障害、見当識障害、志向・判断の障害、人格変化などの精神症状と大脳巣症状等の神経症状に大別されます。

 

また、アルツハイマー型痴呆は慢性進行性で、病気によってその臨床症状も変化します。

この疾患の経過は3期に分かれており、初期には健忘症候群と経度全般性痴呆、ならびに感情・意欲面の障害を主とする性格変化がみられ、中期には初発症状の進行とともに、失認・失行・失語といった大脳巣症状がみられ、末期には高度の人格崩壊状態に達し、多くは寝たきり状態になるとしています。

 

痴呆の病期の評価スケールとしてはFASTやCDRなどがあります。

 

*Functional Assessment of Staging(FAST)

アルツハイマー型痴呆を日常生活の自立度から7段階のステージ分類をするもの。

 

*Clinical Dementia Rating(CDR)

記憶・見当識・判断力と趣味・関心およびパーソナルケア(自分自身でできること)の6項目について5段階評価するものです。

 

また脳血管性痴呆との鑑別をするために、Hachinskiの虚血スコアなどがあります。

アルツハイマー型痴呆なのか、非アルツハイマー型痴呆なのかを判断することは診断上非常に大切なため、これらのスコア検査を行い、CTやMRI、脳SPECT検査など、他の検査と併せて総合的な判断をする必要があります。

 

アルツハイマー診断の検査方法~脳検査編

アルツハイマー検査で行われる、脳検査の内容をまとめました。

 

MRI検査

磁力と電波を利用して、あらゆる角度から脳の断面図を撮影できます。

アルツハイマーの特徴である、脳の委縮があるかを確認できます。

放射線を使わないので、体への悪影響を心配せずに繰り返し検査ができるメリットがあります。 

ただ、心臓ペースメーカー・人工内耳を使用している人は検査を受けられない場合もあります。

狭い空間に体をすっぽり入れなくてはならないので、パニックを起こすかもしれません。

ごく初期のアルツハイマーでは、顕著な脳萎縮を認められないこともあるため、MRIでは判断が難しいケースも考えられます。

費用は、1割負担で約7,000円。年齢や所得で変わります。

 

SPECT検査

脳の血流を撮影する検査です。

アルツハイマーの人特有の位置に血流の低下があるかどうかで判断します。早期発見に役立つと期待されている検査方法です。

 

微量の放射性物質を静脈注射して撮影します。体に悪影響がないといわれますが、体調がすぐれないなら医師の判断を仰ぎましょう。

費用は、1割負担で9,000円前後です。

 

PET検査

アルツハイマーの原因物質・アミロイドが脳に沈着しているかが分かる検査方法です。

静脈注射で微量の放射性物質を体内に入れ、その物質がアミロイドと結びつく様子を撮影します。かなり早期のアルツハイマーも発見できる、有効な検査方法です。

アルツハイマーでは、PET検査に保険が適用されません(2013年6月現在)。

自由診療なので、費用が十数万円かかることも珍しくありません。

 

経済的・身体的負担と、症状の軽重から判断して、最も適した検査方法を考えてください。

 

アルツハイマー型認知症の診断に有効! 脳血流SPEC検査とは

アルツハイマー型認知症の診断は、臨床的にも介護的にも大変重要です。

その後の治療をどのように行っていくか、また進行状況その他を慎重に判断するためにも、様々な検査を行い、総合的に判断していく必要があります。

 

アルツハイマー型認知症の検査には病状診断のためのスケール検査や心理検査、頭部CTやMRI、脳血流SPECT検査、脳波検査、血液検査や骨髄検査などがあります。

 

脳血流SPECT検査(single photon emission CT)

CTやMRIなどの形態学的画像診断法においては病初期には明らかな所見を認めないこともあります。

しかし、SPECTなどの機能的画像診断法においては比較的早期より側頭葉や頭頂葉の脳血流の低下を認めることがあり、早期診断に有効です。

 

脳波検査

アルツハイマー型認知症に特異的な脳波所見はありませんが、基礎波の低振幅(波形の振れ幅が小さい)や徐波化が認められます。

 

アルツハイマー型認知症の臨床経過における脳波所見の検討はされていますが、記憶障害が前景化する第1期では、多くの方は正常脳波であり、痴呆が進み高度となると大脳巣症状が出現する第2期になるとα波(リラックス時に多い)が乏しくなり、θ波(意識障害時に多い)が混在するようになるようです。

さらに症状が進行して第3期になると中~高振幅のθ波にδ波(寝ている状態)が混在するようになり、最終的には低振幅、不規則化し平坦化(不活動化)するとされています。

 

血液検査、尿検査、骨髄検査

血液、髄液、尿等の一般検査所見では、アルツハイマー型認知症においては特異的所見は認めません。

しかし、一見痴呆症状のように見える症状を示す感染症や、代謝性疾患の可能性を排除するために必要です。

 

アルツハイマー型認知症の診断マーカーとして髄液中のタウ蛋白の上昇や、β42の減少が見られるとの報告があります。

また、アポリポ蛋白Eのタイピングも痴呆の危険性として診断の補助に有効です。ただし、単独で有効だとされるマーカーは今のところ報告されていません。

 

点眼テスト

アルツハイマー型認知症の早期診断法として、正常者では反応しない低濃度のアセチルコリン拮抗薬の点眼によって瞳孔の散瞳が認められるというものです。これまでの試験結果からも効率で散瞳が認められていますが、脳血管性痴呆や正常者でも散瞳する例もあり、散瞳を認めればアルツハイマー型認知症であると断定するにはやや無理があるようです。

 

アルツハイマー型認知症は早期に診断するのが難しいと言われています。

症状や種々の検査結果を照らし合わせながら慎重に診断をしていくべき疾患だといえます。

 

アルツハイマー病=3型糖尿病だった?!『インスリンでアミロイドβが分解できる』の真偽とは?

アルツハイマー病は、現在においても進行を遅らせるような対処療法しか存在していませんが、近年『インスリン投与』がアルツハイマー病の原因であるアミロイドβタンパクを分解する作用があるとして、非常に注目されています。アルツハイマー病の初期には脳の海馬を含む領域で、インスリン濃度が低下していることが知られており、2型糖尿病患者でない場合にも、脳の領域のみが糖尿病症状になるというケースもあると言われています(=3型糖尿病とも言われる)。また、経鼻のインスリン投与により、低血糖を避け安全にインスリン濃度を上げる治療法が研究されています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

アルツハイマー病とインスリン治療について

アルツハイマー病の直接的な原因は以下の2つによるものとされています。

1)アミロイドβタンパク(老人斑)が分解されず蓄積され、神経細胞を圧迫して壊死させる。

2)神経細胞内にあるタウタンパク質がリン酸化により神経原線維(糸くずのようなもの)となり、神経細胞を萎縮させる。

 

⇒そしてこれらの病変を抑制する作用がインスリンにあると言われています。

 

1)インスリン分解酵素が悪玉アミロイドβを分解する。

2)脳内にインスリン抵抗性が生じると、神経細胞間のインスリン伝達物質の活性が低下し、それに伴ってアミロイドβ蓄積促進作用を持つ『グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK3)』を過剰に活性化させる。またGSK3は、タウタンパクのリン酸化を生じさせ、神経原線維(もつれた糸くずのようなもの)にしてしまう作用がある。

 

2型糖尿病と、認知症の関連性について

国内の研究では、2011年に九州大学が、糖尿病患者は2倍も認知症になりやすいことを発表しました。また別の研究では、早朝空腹時の血糖値がそれほど高くなくても、血液中のインスリン濃度が高いとアルツハイマー病の発病リスクが高くなる(=インスリン抵抗性による)、また高血糖は炎症と活性酸素を増やすことから重要なアルツハイマー病のリスク因子になると報告されています。

 

<アルツハイマー病のリスクとなる、具体的なインスリン数値は?>

◆インスリンレベルが89.4pmol/Lより高い(=インスリン抵抗性がある)と、アポリポタンパクE-ε(イプシロン)4型(=アルツハイマー病になりやすくする遺伝子)、を持っているのと同等のリスクになるという研究結果もあります。

 

経鼻インスリン療法について

現在は、まだ臨床試験の段階ですが、鼻粘膜からゆっくり脳血流にインスリンを到達させる『経鼻インスリン療法』が現在非常に注目されています。通常のインスリンでは脳血液関門を突破できないが、経鼻インスリン投与では、脳内に到達し作用が確認できたと言う報告があります。以下は、米国で行われた臨床試験についてです。

 

◆米臨床試験

<試験内容>

AD初期あるいは、軽度認知障害患者に鼻スプレーで4ヵ月間、毎日インスリンを吸引してもらい、半年間の経過観察を行った。

 

<結果>

低用量の経鼻インスリン療法を受けたグループの8割は、一つの物語の内容を20分後にも記憶し、認知機能も改善されていた。一方、高用量のインスリンを投与されたグループでは、記憶の改善は見られなかったが認知機能の改善が認められた。

 

最後に

上記のように、点鼻のインスリンはアルツハイマー病を改善出来る可能性があると言われていますが、一方で現在の状況としてはインスリン量の微調節は困難であり、また脳内のインスリンが過剰になった場合、本当に無害であるのかの根拠が薄いとされています。今後は、さらなる多数例の臨床試験を行うことで、安全性への根拠を確実にすることが期待されています。

 

(Photo by:http://www.ashinari.com/2013/10/14-383246.php )

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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