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マイコプラズマ肺炎~薬が効かない薬剤耐性菌の発生の裏側

 

 

◆抗生物質の弊害

医療機関で「マイコプラズマ」と診断を受けると、抗生物質が処方されるのが一般的です。

抗生物質は体内にある有害なウイルスや細菌の増殖や機能を阻害し、感染症を治癒させるために使用されまます。

しかしどんなお薬にも、良い面悪い面があります。抗生物質は免疫力を低下させるだけでなく、恐ろしい薬剤耐性菌を生み出す可能性があります。

 

◆マイコプラズマに使われる一般的なお薬

肺炎球菌という細菌が原因の肺炎やその他の細菌感染には細胞壁の合成阻害効果のあるペニシリン系やセフェム系の抗生物質が使用される一方、従来マイコプラズマに対して第一選択薬として使われてきた薬はマクロライド系の抗生物質です。

マクロライド系抗生物質は蛋白質の合成を阻害することで細菌の生育を抑える効果があります。

 

◆耐マクロライド・マイコプラズマ出現

2000年以前に出現の報告のなかったマクロライド耐性菌が2000年前半より出現しはじめました。

徐々に耐性率は上昇し、2011年にはおよそ90%のマクロライド耐性率をもつようになりました。

マクロライド耐性のマイコプラズマにマクロライド系抗生物質を使用しても全く効かないわけではありませんが、マクロライドに感受性のあるマイコプラズマに使用した場合より罹患期間が長くなるため、マクロライド系抗生物質の使用効果と患者の自然治癒の可能性を考えると使用するかどうかの選択は難しいと思います。

耐性菌のないテトラサイクリン系の薬も使われていますが、7歳以下に使用することは歯や骨の発育に影響があるため原則禁止されています。

 

◆なぜ耐性菌ができるのか

細菌には人間の50万倍の遺伝子書き換えスピードがあるといわれています。

抗生物質は常に一定ですから、使用頻度が増加したり、乱用されることで細菌がそれに対して容易に耐性を獲得するのがわかります。

日本にはさまざまな抗生物質があふれています。

近年では多剤耐性菌という、複数の抗生物質に対して耐性を持つものも出現するという時代になっています。

 

マイコプラズマ感染症は本来ならば安静にしていれば治癒する感染症です。

抗生物質の乱用による免疫力の低下、新たな耐性菌、多剤耐性菌の出現が人間を脅かすことになるかもしれません。

 

 

※参考

国立感染症研究所 平成24年度 感染症危機管理研修会

国立感染症研究所細菌二部  主任研究官 鈴木里和「マイコプラズマ肺炎」

<http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H24/20121018-11.pdf>

 

(Photo by: [http://www.irasutoya.com/2012/11/blog-post_4395.html])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2016-08-02掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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